リアルな夢を見た後の現実 1日目
前回の話で性転換症というのが出ましたが現実にもある病気です。実際は性同一性障害のことを指しますがこの話では性転換症と性同一性障害は別のものとなってますのでお願いします。本編にもその話に触れています。なお更新が思ってたより遅くなってしまいすみませんでした。
朝、またしても体の違和感で飛び起きた。昨日とは違う慣れ親しんだ感覚。どうやら元に戻ったようだ。なら今日は会社に行かないとな。そう思い僕は携帯で時間を見ようと思い開く。ちなみに僕の携帯は折りたたみ型のガラケーだ。誰かに見られたりするのが嫌でパスワードを設定しているのだけど時間や日付を見るだけなら開けばわかる。
咲耶「時間は…6時半か。ならまだ大丈夫か。」
会社は9時までにいけばいいので大分時間に余裕がある。そしてある違和感に気づいた。
咲耶「ん?3月の15日?」
日付が性転換する前の日から1日しかたっていない。というか性転換症は確か戻ることがないって説明を受けたような?なのに今は元に戻ってしかも日付は15日。
咲耶「つまり性転換したことは全部夢だった?」
妙にリアルに感じたりしていたのに全部夢?だとしてもなんでこんな夢を?どちらにしても考えてもわからないか。だけど性転換症のことは調べることができる。実際にあることなんだろうか?夢であったことが現実にあるとは思えない。けど興味本位で調べる位はいいよね?そう思って僕は携帯のパスワードを解除して性転換症を調べた。
咲耶「あ、あった…。あ、やっぱり一度発症すると元に戻れなくなるって書いてある。」
とりあえず実際の病気としてあるのはわかったけど僕はこのことを知らなかった。でも夢の中では発症していた。いくら夢とはいえ知らないことも起こるものなのかな。それも実際にある病気で…。なんだかちょっと怖くなってきた。
咲耶「偶然…だよね?」
どちらにしてもあの夢での体験はなんだったんだろう?というか僕、女になるって決心までしたのに夢とか…僕はなんのために悩んだんだろう…。なんだかちょっと悲しい。
調べることも終わったので僕はなんとか気持ちを切り替え着替えて部屋を出た。ちょうど起こしに来たのか母さんがすぐそこまで来ていた。
晴子「あらおはよう。起きてたのね。ちょうど起こしに行くところだったんだけどいらなかったわね。」
咲耶「あ、うん。おはよう母さん。それとありがと。」
晴子「あら、珍しい。いつもお礼なんて言わないのに。」
咲耶「まぁたまには…ね。」
晴子「まぁいいわ。じゃぁ私徹さん起こしに行くから先に行ってて。」
母さんが行こうとしたので夢のこと聞こうと思ってた僕は慌てて引き止めた。
咲耶「あ、待って。」
晴子「ん、何?」
咲耶「ちょっと変なこと聞いていい?」
晴子「変なことって?」
咲耶「えっと…今日みた夢のことなんだけね。妙にリアルな夢だったんだ。」
晴子「妙にリアルな夢ねぇ…。それで?」
咲耶「うん。それでね。その夢で僕も知らない病名が出て来たんだけどさっき実際調べてみたら実際にあったんだよね。その病気。」
晴子「ん〜なんだか予知めいてるわね。」
咲耶「だよね?」
晴子「それでその病気って?」
咲耶「あ、うん。性転換症候群。略して性転換症っていうんだ。」
晴子「あぁ〜性転換症のことね。ってことは夢の中であなたは女の子になってたって訳ね。」
咲耶「うん。そうだけど。母さん知ってるの?」
晴子「えぇ知ってるわ。」
咲耶「一応聞くけど知ってるの?」
晴子「なんでって最近になって性転換症の症状が変更になってニュースになったからね。あなたニュースも新聞も見ないから知らないでしょうけど結構話題になったわよ?」
咲耶「そうなんだ。それより変更になったってどう変わったの?」
晴子「私も詳しくは知らないけど元々の性転換症はあなたも知ってると思うけど性同一性障害のことよ。それが最近になって実際に性転換しちゃう病気に変わったのよ。」
咲耶「性同一性障害…確かに知ってるね。ちなみになんで変わったかって知ってる?」
晴子「えっと確か実際に性転換しちゃった人って元々少なからずいたみたいよ。ただあまりなる人がいなかったから放置されてたみたい。で、それが最近になって性転換しちゃう人が増えて来たから性転換症を実際に性転換しちゃう病気ということになったってニュースでは言ってたわね。」
咲耶「そうだったんだ。」
大体聞きたいことを聞き終えて話が終わったところで後ろから声がかかった。
徹「2人ともおはよう。こんなところでなんの話をしてたんだ?」
咲耶「あ、おはよ父さん。」
晴子「あらおはよう。2人とも起きたのなら来た意味なかったわね。まぁいいわ。とりあえずその話はご飯食べながらにしましょ?」
徹「ん?すぐ終わる話じゃないのか?まぁ教えてもらえるならいつでもいいが…。」
咲耶「ていうか僕もすぐ終わる話だと思うんだけど…。」
晴子「まぁまぁいいからいいから。」
咲耶「じゃあご飯の時に話すよ。」
徹「わかったよ。」
ご飯を食べながらということになったので僕達は食卓に向かう。食卓につくとすでに準備が出来ていたのでそのまま食べることになった。ちなみに量は夢で見た量ではなく今まで通りだった。
咲耶「それでさっきの話だけど性転換症のことを話してたんだ。」
徹「あぁ性転換症か…最近ニュースで話題になったな。それでなんでそんな話をしてたんだ?」
咲耶「えっとそれが昨日妙にリアルな夢を見たんだけどその夢が僕が女の子になっちゃう夢でさ。」
徹「あぁそういうことか…。」
咲耶「うん。」
徹「で、どんな夢だったんだ?」
まさか聞かれると思ってなかったので僕は少し驚いた。
咲耶「え?んっと…女の子になった後役所に行って色々書類を書いて出したって感じだね。」
徹「そうか…。書類を書いて出したってことは夢の中でお前は女になる決心をしたのか?」
咲耶「うん。というかなんで内容まで聞いたの?」
徹「ん?特に理由はないさ。まぁただの興味本位だと思ってくれ。」
咲耶「そうなんだ。」
徹「それで咲耶。その夢の話だけど他の人には話すなよ?」
咲耶「ん?なんで?」
徹「なんでってそりゃ面白かったとかならネタになるだろうけどあまり話す内容でもないだろ。」
咲耶「ん〜まぁそれもそっか。わかったよ。」
徹「それよりそろそろ時間大丈夫なのか?」
父さんに言われて時計を見ると後少しで会社に行く時間だった。
咲耶「あ、後少しで時間だね。父さん達は大丈夫なの?」
徹「あぁ、俺は今日は行かなくても大丈夫だからな。」
晴子「私もそうね。」
咲耶「そうなんだ…。っと食べ終わったし準備して出るよ。」
僕はご飯を食べ終えたので食器を流しに持っていき部屋に戻って準備して会社に行った。ちなみに僕は普通のサラリーマンだ。今の会社は色々融通を聞いてくれるため入ったがあまりそういったこともなく真面目にやっている。それから先輩後輩はいるが個人的に付き合いのある人はいないので会社の中だけの付き合いだ。僕は会社に着くととりあえず夢のことはいったん忘れることにしていつも通り業務を行ったのだった。
一方。咲耶が会社に行った後の家で徹と晴子は話をしていた。ここからは徹視点。
徹「まさか咲耶があの歳で性転換症になるかもしれないとはな。」
晴子「えぇそうね。」
どうやら咲耶は性転換症のことを詳しく調べなかったみたいだな。妙にリアルな夢…か。
徹「咲耶はその夢が性転換症の前兆の1つであることを知らない様子だったな。」
といってもこの情報はニュースで聞いただけなので実際はどうか知らないがハルもこのことを知ってるはずだ。
晴子「そのようでしたね。」
徹「とりあえずだがこのことは咲耶に知らせないようにしよう。俺達もニュースで聞いた程度だから実際になると決まったわけじゃない。だがもしものこともあるから覚悟だけはしておこう。」
晴子「そうね。」
以前聞いたニュースでは確か性転換症とは若い男性が女性になる病気だということだ。つまり女性には起こらない。咲耶は今年34歳になる男性だが稀に妙齢の男性にも起こるという話だ。しかも若返るというおまけ付きで。つまりはそうなる可能性があるということだ。そして性転換症になる前にはリアルな感触の夢を見ることがあると報じられていた。
徹「何も起こらなければいいんだがとりあえず必要なものだけは準備しておくよ。」
晴子「それがいいわね。」
徹「仕事は休むしかないな。ハルはどうする?」
晴子「私もついていきます。なので私の方もお休みします。」
徹「そうか。とりあえず休みの連絡して役所に行くか。」
晴子「はい。」
その後休みの連絡を入れて役所に必要な書類を貰いにハルと一緒に家を出たのだった。
再び咲耶視点
締めが近い為かそれなりに忙しかったが僕はわりかし余裕を持って業務を行っている為定時であがることにした。
咲耶「課長。これ今日の分です。一応今日必要な分は終わりました。」
ちなみに課長の名前は坂田だったと思う。一応先輩にあたる人だ。
坂田「おう。お疲れ四宮。相変わらず早いな。ちょっと確認するな。」
咲耶「はい。」
課長が今日僕がやった仕事を確認していく。
坂田「ん、全部大丈夫だな。おまけに明日必要なところも少し進めたんだな。」
咲耶「定時まで時間がまだありましたからね。」
坂田「そうか。まぁ今日の分は終わってるからな。帰っていいぞ。」
咲耶「はい。ではお先に失礼します。」
坂田「あぁお疲れ。」
うちの会社は自由度は高いがあまり残業をしないように言われている。なので大体の人は今の僕みたいに定時になると課長に報告して帰るという感じだ。ただたまにミスがあるとその修正でもう少しやっていくことになる。僕の今日の分は無事ミスなくできていたようだ。なのですぐ家に帰ることにした。
特に寄り道することなく家に帰ると2人とも出かけているのが鍵がかかっていた。
咲耶「あれ?父さん達出かけてるのか。」
朝仕事にはいかないと聞いていたので少し不思議に思ったが外には出ないとは言ってなかったので特に気にすることなく自分の部屋に入り着替えた。
それからしばらくして2人は帰ってきた。その間結構な時間があったわけだけどぼ〜っと過ごすのもなんだなと思い夕飯作っていた。ちなみに僕は割と料理が好きな方なのでたまにこうやって作っていたりする。
咲耶「あ、おかえり。2人同時なんて珍しい。何かあったの?」
徹「ただいま。なんだ、もう帰ってたのか。」
咲耶「うん、それよりさっきも言ったけど何かあったの?」
徹「ん?あぁハルと一緒なのはたまたまそこであっただけだ。特に何もないよ。」
晴子「そうね。」
咲耶「そうなんだ。」
晴子「それより夕飯作ってくれてありがとね。」
咲耶「これくらいおやすいご用だよ。それに今日はなんかすごくお料理したくなっちゃったからね。」
晴子「あら、そうなの?…」
咲耶「うん。それより後半何か言わなかった?」
晴子「何も言ってないよ?」
咲耶「そう…。ま、いっか。それよりちょうど準備できたし食べよう?」
徹「そうだな。」
ご飯中。
徹「ん、咲耶が作ったにしては今日は味が薄いな。」
咲耶「そう?僕は特に薄く感じないんだけど…。母さんもそう思う?」
晴子「そうね。いつも作ってもらうのよりは薄く感じるわ。」
咲耶「そう…ってことは僕の味覚が変わったのかな。それでまずいってわけじゃないんだよね?」
徹「そうだな…薄く感じるが美味いぞ。」
晴子「私としては前より好きな味ね。」
咲耶「おいしいならよかった。」
ご飯を食べ終わり僕はすぐに眠気を感じたので寝落ちする前にお風呂に入って寝ることにした。
咲耶「母さん、お風呂ってどうなってる?」
晴子「まだ洗ってないからもし入るなら洗ってから入れて。」
咲耶「わかった。」
僕はすぐにお風呂を洗ってすぐに入れた。少ししてお風呂が入ったようなのですぐに入ってすぐに寝た。
晴子視点
帰ってから何回か言っちゃいそうで危なかった。よかった…聞かれなくて。でも変化がすでにいくつか見られた。
晴子「徹さん…。」
徹「あぁ…。すでに変化が始まってるみたいだな。人の味覚はそう簡単には変わらない。」
晴子「変化が始まってるってことは性別が変わるのは確定ってことね。それも近いうちに…。」
徹「あぁ。だが咲耶がどんなふうに変わっても俺達の子供だ。だから…。」
晴子「えぇ…そうね。」
咲耶…あなたがどんなふうになっても私達はあなたの味方だからね。
次回はまた夢の話になります。なるべく早く更新できるよう頑張りたいと思います。