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【season】



ある夕暮れ 長く続く堤防の道。

君はいつも僕の少し後ろを歩いていた。

照れる僕を気遣って、君は後ろを歩いていた。

そんないつもの帰り道、微かな風に君の声が運ばれた。

後ろを振り向いた僕に君は言った。

「夜は寒いから、季節に例えたら冬ね。気分が晴れやかな朝は春。ふふ、そんな気がしない?」

「昼間は暑いから夏だというのかい?」

僕はつまらなさそうに答えた。

「そうよ。」

楽しげに言った君は続けて話す。

「夕暮れは秋、だってほら!」

君は僕の視線から体を横に避けた。

君の後ろには朱に染まり、一日の終わりを告げている町並みがあった。

「もみじ色の街よ」

真直ぐに並んで伸びる影がふたつ。

影の幹の先にもみじの街が葉を揺らすようにキラキラと輝いていた。

「幹がふたつじゃおかしいよね」

僕は君を背中からそっと抱き締めた。





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