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2回目奮闘記  作者: 蘇芳
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新学期


新学期初日のクラス発表。

円は恵理香やあの人とは違うクラスで彼女と同じクラスだった。


「生徒会と仲が悪かったのは先代だから関係ないよ」


どうやら円が怪訝な顔をしていたのが生徒会長の(はる)()と同じだからと思い恵理香がフォローをしてくれた。

正直、円は生徒会長の事など気になっていなかったので曖昧に笑顔を作った。

もう一度クラス発表を見ると恵理香とあの子が一緒のクラスだと気付く。

どうやら、あの子以外にも今年は外部生が数名いるようだ。

恵理香と同じなら知っていたのと少し違う過去に安堵した。


「恵理香のクラスに外部生いるから気をかけてあげて」

「そうなの?わかったー」


恵理香は軽い調子で返答された。

普段は自由人の恵理香だが面倒見は悪くないので大丈夫だろうと思う。



教室に入るとざわめきと不思議な視線を円は感じた。

ざわめきはクラス別けをした学院が何を考えてるのか遥都と円を一緒のクラスにしたからだろう。

壇上の時に感じた1つの視線の方を向くと去年見覚えがないから1年だろうか金色っぽい茶髪の軽そうな男子がぽかーんと口を開けていた。

遥都が隣で話しかけていたので内部生かつ1年で生徒会になったののどちらかだろうと伺える。

座っているので身長はいまいちわからないが高そうだ。


円も少し男子を見つめ、ある事に気付き近寄った。


「貴方…その髪色は?」

「キレーに染まりました!」


男子が凄くご満悦な笑みで応対され溜め息が出る。

この学院の校風は生徒の自由を尊重しているが金色は些か羽目を外し過ぎだろう。

円がじとーっと髪見ていると遥都が彼女を見た。


「悪いな、風紀委員長。()()、やっぱアウトだろ」

「え~。オレ、昨日頑張ったんスよ?」

「その頑張りは違うトコに使え」


遥都に頭をわしゃわしゃにされているのは麗央と言うらしい。

彼が麗央をたしなめた事により円が特に言う必要はなくなった。


「次回、染める時は控えに」

「は~い」


それだけ言い円は自分の席へ行く。

麗央の返事はわかっているのかいないのか適当なものだった。

席に着いてから気付いたが、麗央のマフラーも教室では外すべきだろうと言えば良かったと。

ただ、そこまで言うのは高校生だし自分で気付けと麗央を睨むだけにした。



初日なので先生の説明もそこそこで寮へ帰る。

部屋に戻れば先に帰れたらしい恵理香が異様に浮かれてた。


「おかえり~」

「…ただいま」

「たつりんってば凄い可愛いよー。あ、たつりんは外部生の子でちっちゃくて髪もふわふわしてるんだ!」


興奮して外部生のあの子を語る恵理香に円は夕飯まで解放されなかった。




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