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始まり
「もう、そんなに長くないみたい」
ベットに横になっている彼はそう言って儚げに笑う。
いつそうなってしまうか覚悟を決めていた彼女も思わず涙を流す。
涙を流す彼女の頬を彼は手でそっと拭う。
「こうなる事は避けられないから…でもね、思ったよりも長く人生楽しめたよ!」
「そうかい?」
「ただ、後悔するのはあの日の事だけ…」
彼の言葉に2人の空気がかなり重くなる。
そんな重苦しい空気の中で彼は急に明るく喋りだした。
「どうせ避けられないでしょ。だから、その前に試してみたい事があるんだ。君ものらない?」
「貴方にしては悪巧み…いや悪足掻きがあるようだ」
わざわざ自分を呼び出した理由がわかりにんまりと笑う彼女を見て彼は頷く。
彼女が彼の何かしらの策に乗ったのが解ったからだろう。
そして2人は色々と話をし、部屋から消えたのだった。