4話
推奨BGM 某艦隊決戦ゲーム”通常戦闘”
扶桑CIC
「敵艦隊から接近する高速物体の解析完了、対艦誘導弾、鷹撃82です!」
電測員の2等兵曹が報告すると砲術士官が防空システムに諸言を入力する。
「目標の未来予想位置を推測、入力完了次第発射!」
砲雷長がそう言うとミサイル発射可能との報告が入る。
「用意・・・・・・撃てっ!!」
次の瞬間、扶桑の船体前後に装備されたMk-57PVLSから合計4発のSM-6ミサイルが放たれる。
因みにMk-57VLSとは米海軍がズムウォルト級巡洋艦の為に開発した舷側装備型VLSで、セルの四方を装甲で覆った事で誘爆の危険性などを低下させ、防御力を向上させた先進性の優れたVLSである。
現状の所、米国からライセンス生産が許可されたのは日本のみで、搭載している船もズムウォルト級3隻と準同型艦武蔵級2隻の5隻と限られる。
私はさっきまで鞘から抜いて空へ向けていた軍刀を杖に仁王立ちしていた。
「今度こそ私が護って見せる・・・・・・」
私がそう呟くと暁がこう言う。
「扶桑さん、そんな事言うのはやめて、みんなで国に凱旋しましょう」
「暁、お前の言う通りだ、私はそれを忘れていた・・・・・・」
私はそう言うと刀を鞘に納め、髪を翻した。
「日向、お前の視力も優れている、だから頼むぜ!」
私がそう言うと日向がそれに返す。
「おう!、衣笠と金剛に照月もいるが、お前も敵を落とし損ねるなよ!」
「勿論、お前はお前の子達の話もそうだよ!」
「そうだったな・・・・・・ははは」
上空・第254航空隊
「フェニックス1よりスノークラウド、目標情報の転送を願う」
『スノークラウドよりシーガル1、敵艦隊対艦ミサイル群の速度と高度はそのままだ、だがいつ変わるかわからないから油断するな!」
「シーガル1より各機状況はどうだ?」
『こちら2、了解した!!』
『シーガル2了解!』『シーガル3了解!』
『シーガル4了解!』『シーガル5了解!』
「各機準備完了か・・・・・・よし各機、戦闘開始!」
シーガル小隊は日向に搭載された6機のF-35の事だ。
中国軍の早期警戒機は日本艦隊がミサイルを発射した事を探知し、そのミサイルを迎撃するように遼寧機動部隊へと命じたのであったが・・・・・・
「デーモン1よりデーモン、ファルコン両隊、準備は良いか?」
シーガル隊が戦闘態勢に入ったのと同じ頃、先日の戦闘に参加した原田中佐が率いるF-15部隊が中国軍のJ-15と死闘を交えていた。
『ファルコン1よりデーモン1、敵さんも歓迎してるようですぜ!』
事実上の迎撃部隊副隊長である杉野直司大尉がそう言うと原田は微笑む。
『スノークラウドよりデーモン及びファルコン隊、敵戦闘機隊は依然として我が艦隊へ迫っている、シーガル隊も応援に来ますのでそれまで頼む!』
「デーモン1了解!」『ファルコン1了解!』
二人はそう言うと戦闘準備を終えてFCSを捜索から
我が迎撃部隊はスノークラウドの指揮の元迎撃作戦を開始した。
一方、中国軍の戦闘機隊は早期警戒機KJ-2000の指揮の元でミサイルを発射しようとしていた。
『雲空門より各戦闘機隊、小日本の戦闘機隊を見つけた、情報を転送する、相手はF-15とF-2、強敵だがお前らの実力で叩きのめせ!』
「了解した、楽しい話を頼みますよ、雲空門さんよ!」
『無論、小日本なんて皆殺しさ、はははは』
そう雲空門のオペレーターが言った直後だった、雲空門からの通信が途絶えたのである。
「こちら遼寧1号、雲空門!!何があった!くそっ!」
遼寧航空部隊を率いる梁中佐がそう言った次の瞬間だった、彼の愛機の操縦室にもミサイル警報が鳴り響いたのである。
「何っ!各機、ミサイルに警戒しろ!」
彼がそう言うと彼の小隊僚機の鄭大尉のJ-15が砕け散ったのである。
そして砕け散った鄭のJ-15を横を単発の中型戦闘機が通ったのである。
(日本海空軍共通新鋭戦闘機、F-35だと!?)
彼が胸の内でそう思った直後だった、操縦室内に再び警報音が鳴り響いた。
「いい腕してやがる、だがSu-27の機動力を甘く見るな!!」
彼はそう言いつつ操縦棒を傾け、回避機動に入ったのである。
だが、回避行動に入った瞬間、彼は後方から物凄い衝撃を感じた。
(まさか・・・・・・ミサイルが!?)
梁がそう思った次の瞬間、彼は愛機ごと砕け散ったのである。
「シーガル2、敵機撃墜!!」
梁を撃墜したF-35を操る新島亮大尉が僚機に対してそう報告すると中国軍戦闘機部隊はシーガル隊とのドッグファイトに突入した。
F-35は単発機ではあるが、その推力は双発戦闘機F-15に匹敵しており、F-15のライバルであるSu-27にも劣らない。
だが、あるF-35は中国軍戦闘機に対して優位に空戦を進めるも、中国海軍戦闘機部隊の中でも好成績を収めた朱中尉が操縦するJ-15によって撃墜されるも、その朱中尉は日本側の沖縄奪還作戦時に海空軍合同戦闘機部隊の副次指揮官として選出されるも、日本防空軍の杉野の操るF-2が放ったAAM-6によって沖縄本島北部で撃墜され、戦死した。
日本側が対艦ミサイルに対して放ったSM-6を迎撃しようと上がったJ-15はF-35と格闘戦となっている頃、第2次攻撃の為に対艦ミサイルを搭載したJF-17戦闘攻撃機とそれを護衛するJ-15に対して我が方は防空巡洋艦である扶桑や金剛の搭載しているSM-6やF-15やF-2が搭載している長射程空対空誘導弾による邀撃を行っていた。
「ファルコン1、敵機撃墜、さすが新型だ!!」
杉野大尉はAAM-6で早速J-15を撃墜し、ガッツポーズをした。
「さて、主導権は握らせて貰いますよ・・・・・・ファルコン1、フォックス1!」
杉野が再びそう叫ぶと彼のF-2からAAM-6が再び飛翔する。
因みに彼らが所属する築城基地所属の第2戦闘爆撃航空団のF-2はエンジンを新型エンジンに換装し、赤外線誘導式空対空誘導弾と99式空対空誘導弾もしくは17式空対空誘導弾を2発搭載した状態で超音速巡航を可能としている。
扶桑艦橋最上部
私は軍刀を再び鞘から出すと空へと掲げた。
「いよいよね・・・・・・覚悟はいいわね、みんな!」
私がそう言った次の瞬間だった、レーダーから敵機やミサイルとこちらのミサイルが重なり、その内いくつかが消えた。
扶桑CIC
「ミサイル及び敵戦闘機の撃墜を確認!」
電測員がそう報告すると次の瞬間だった、日向搭載のF-35が1機撃墜されたと報告が入ったものの中国軍戦闘機隊が遼寧へ引き揚げたと言う情報も入り、デーモン隊とファルコン隊も護衛戦闘機を全て排除し終えると、爆撃機をIRAAMによって3機ほど撃墜すると攻撃隊も撤収した。
『デーモン1より扶桑、我、これより基地へ帰投する!』
「扶桑了解、応援感謝する!」
『いえいえ、では御武運を期待します!』
「ははは、ではあんたらもな!」
私は彼らの通信を聞いてほっこりした笑みを浮かべた。
日向さんが搭載機の搭乗員が戦死させたと聞いて私はより空軍の皆さんや空母搭載の航空機乗員も戦死させてはならないと胸に誓ったのである。
その為に私が出来る事は空軍の戦闘機に情報を提供し、戦局を優位に導く事である、そうそれによって先制攻撃が出来る様にする。それだけだ。
そして敵の艦魂に対して私はこう吐き捨ててやるつもりだ”私に牙を剝いたと言う事は倍返しの反撃を食らいたいと言う事よね・・・・・・”と。