後悔する記録少女
何が起きた?
爆発した。
何が爆発した?
この建物が。
建物はどうなった?
壊れたガレキが埋めている。
わたしは?
無事に息をしている。
何故?わたしのまわりには悲惨なことが溢れる。
友達と遠くに出かけたら、通り魔に会って友達は死んだ。
みんなとサイクリング、車が突っ込んできて誰か轢かれた。
それら悲惨なことすべてを記憶していく。
死にたいとも思った。
しかしどれだけ悲惨なことが起きても死なない。
誰かが、「惨劇を見続けろ」とでも言うように。
惨劇はもう見飽きた。わたしは壊れているのかも。
でも……何故?
何故壊れたわたしから、涙が出るの?
隣でガレキに埋もれた彼を抱き抱えて泣いてる。
冷たくなっていく彼に死なないでって泣いてる。
死んじゃ嫌って。生きて欲しいって。
惨劇は見慣れた。涙も枯れた。
そんなわたしが……何故涙を流すの?
そうだ、わたしは彼が……
いや、今さら言ったところでどうにもならない。
彼はわたしを大事にしてくれた。
わたしも彼に何かしてあげたかった。
それなのに……
ありがとうも言えないの?
さようならも出来ないの?
おはようも聞けないの?
ずっと……永遠に?
崩れた天井から空が見える。
大事な友達が、屋上だったそこで埋もれてた。
ふたり手を繋いで、冷たく。
嗚呼、やっぱり伝えておけば良かった。
ありがとう、大好きだよ。
伝えたい気持ち、伝えられるうちに伝えたいものです。