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すのーでいず   作者: まる太
第一章
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長い一日の始まり 5

5月15日 本文を一部修正しました。


第一章


長い一日の始まり 5


 お昼になる前には、冬耶は部屋から出ていった。

 ステージのボスをどうしても倒せなかったみたいで悔しそうな顔をしていたが、とりあえず諦めたようだ。

 さすがに数時間も続けて遊んでいたので疲れたに違いない。

 漫画はとっくに読み終わっていたし、まだお昼ご飯まで時間もあるので、何かするかなと思っていたのだが、小春日和の太陽がポカポカと体にあたり、それがとても心地良く遂ウトウトしてきた。精神的疲労もあったのだろう。

 結局、その誘惑に勝つことが出来ずそのまま布団に潜りこんだ。


 

 ――数十分後

 いきなり、何かヒヤッとした感触が背中からした。

 それはすぐに気にしないぐらいになったけど、体、特にお腹から胸にかけてがとても寒く感じる。

 掛け布団がずれたのかなぁ? 眠っている途中の働かない頭で考える。

 ずれた掛け布団を掛け直そうとするものの、手が動かない。

 更に力を込めてみると、手首に鈍い痛みを感じた。

 それは右手だけでなく、左手も同じだった。

 両足を動かそうとしても足自体は動くが、太ももの間に障害物でもあるみたいで股を閉じる事が出来なかった。

 まるで大の字の格好で寝ている格好だ。

 大の字で寝るのは健康に良いと聞くし格好自体は問題ないだろう。

 しかし、体がいう事を効かないのが判らない。

 なんなんだこれは?

 その時、急に胸の辺りが暖かくなったと思った矢先、変な刺激が体の芯にもたらされた。

「はぅうん」甘い声を無意識に出してしまう。

 そこで、パッと目が覚めた。

 目の前には目をトロ-ンとさせた母さんの顔があった。

 えっ? えっ? さっぱり訳が判らない状況に混乱する。

 素早く自分の体を確認すると、両手首は何かロープのようなもので縛られ、それはベットの端の方に消えているのが見えた。

 足が閉じれなかった理由は、母さんの体があるからなのだろう。

 何故か自分の寝間着の上着がはだけており、その剥き出しになった胸を母さんが両手で揉んでいる!

 この状況、はっきりいって理解不能としか言いようがない。

「ちょっと! 母さん何してんだよ!」

「え、え、雪ちゃんの胸やわらかいわぁ♪」

 この間も母さんは胸を揉むのを止めない。

 その都度、鋭い刺激を感じてしまい。

 変な声を出すのを必死に堪える。

「ちょ、だから、やめ、て、てば!」

「えええ。こんな気持ち良いものをママから取りあげるっていうの?」

「な、なんだよ、そ、その理屈、さっさと放せってば!」

「うー」母さんは渋々という感じだったがとりあえず手は放してくれた。

 僕が本気で嫌がっているのに気付いたのだろう。

 まだジーっと憑かれたように僕の胸を見ているのがやな感じだ。

 腕が自由ならとっくに隠しているのにそれも出来なくとても恥かしい。

 自然と頬が赤くなってきてしまう。

「母さんが変態なのは知ってたけど、寝ている間に強姦をするとは思わなかったよ!」

「何てこと言うの実の親に向かって。これの何処が強姦だというの? 親娘のコミュニケーションの一つでしょ」

「どこの親が寝てる娘、いや違う、息子の身動きを封じて胸を揉むっていうんだ! 立派な犯罪じゃないか!」

「むぅ、そんな事いっちゃうんだ。いいのかなぁ?」母さんの目がジトーっとなる。

「な、なんだよ」強がる僕の声は小さかった。

 今の体制、明らかに不利なのは僕の方なのだ。

 母さんは指をわなわなさせると、その手を見せ付けるように僕の胸に近づけてくる。

「僕が悪かったですお母さま。ユルシテクダサイ」

 その動きにあっさりと降参した。

 これ以上無抵抗の胸を弄られるのは辛過ぎる。

 親の前で嬌声を上げるなんて、黒歴史そのものじゃないか。

「あら、それだけ? 初めから大人しくしてれば今ので許してあげたのだけどねぇ。何か反抗的な態度をとった娘がいたからなぁ。どうしようかなぁ?」

 非情に悪い予感がしてくる。

 長年の経験で、こんな言い回しの母さんは絶対ロクデモない事を言うに決まっているのだ。

「よし、決めた!」

 ほらきたよ。予想通りの展開に顔を引き攣らせる。

「今日から私の事をママと絶対呼ぶのよ。お母さんとか呼んだらお小遣い抜きね」

 なんじゃそりゃー。

 朝言ってたのは本気だったのかよ。

「あとそうねぇ」

 おぃ! まだあるのかよぉ。

 情けない顔をしている僕を見た母さんがクスリと笑う。

「そんなにすごいことじゃないわ。ちょっと雪ちゃんのスリーサイズを測らせてくれるだけでいいのよ」

 思ったより対したことじゃなくてホッとする。

「うん。判った。だから之解いて」

 このままずっと手を縛られていたら、ずっと言いなりのままなのだから、早く解いてもらわないといけない。

「何か勿体ないきもするわねぇ。こんな素直にしてる雪ちゃん滅多に無いし。しばらくこのままの方が良いのかも」

「え、ちゃんと言われたことするって、約束守るからとってよ!」

「うーん。迷うわぁ」

 逡巡して中々解いてくれない母さんに僕はプライドを捨てた。

「ねぇ、ママ。解いて欲しいの。ママは雪のお願い聞いてくれないの?」目を潤ませるようにして上目遣いで言ってやった。

 もう穴があったらそこに入って、上から蓋をして釘で出てこれないように封鎖して欲しいぐらいだ。

 言った側から顔が真っ赤になる。

 胸を触れてた時よりも顔が赤いのは気のせいだろうか。

 この台詞、半裸の女の子がやっても正直どうかと思うが、母さんには効果大だったみたいだ。

「はぅわぁぁ。あう、雪ちゃんチートすぎるわそれ。判ったわ、ママすぐ解くから待ってるのよ!」

 言い終わるのと解くのが一緒だったんじゃないかと思うぐらいの高速な動きで手のロープを解いてくれた。

 両手の縛られていた部分が少し赤くなっていて、そこを軽く擦って元の色に戻していく。

 そして、母さんの隙を見計らって素早く上着で胸を隠した。

 その際に、背中からパサリと白い物が転げ落ちた。

「ああ、勿体無い」

 母さんの呟く声が聞こえたが、無視してボタンを付け直す。

 落ちたモノを拾うとメジャーだった。

 母さんが言うには、どうせ測らせろといっても素直にいう事は聞かないだろうから、寝てる間に測るつもりだったらしい。

 しかし、服を脱がしてメジャーを背中に当てたところで、つい誘惑に耐えれなくなって揉んでしまったそうだ。

 どこがついだよと文句を言ったが、雪ちゃんの胸が魅力的すぎるのよと言われてしまい、逆に赤面する羽目になったので、この話題に触れるのは止めることにした。

 その後、律儀というのか母さんにスリーサイズを測らせてあげた。

 僕の胸のサイズは70のBらしい。


  

 自分の胸の大きさを知っている男はそうは居ないに違いない……

 

ええと……もうちょっと激しいほうが……(ぼそっ)

嘘、嘘です。雪が目に涙を浮べて怒ってるのでこの辺で!


※ 誤字、脱字、修正点などがあれば指摘ください。

評価、コメントも是非にです。

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