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すのーでいず   作者: まる太
第三章
41/84

体育祭です! 1

 聖桜学園では、6月に体育祭が開催される。

 梅雨時にやって大丈夫なのかと疑問が沸くけど、タイムスケジュール的に仕方ないらしい。

 そして、その内容についての会議が1-Aの教室で行われていた。

 毎度のことながら、太一と阿部君の2人が進行している。

「さて、本年度の体育祭は縦割りによる対戦らしい。うちのクラスは2-A、3-Aと一緒になるそうや。チームカラーは勝利の赤や! まぁ別に青でも緑でもなんでもええんやが、やるからには勝つ! これ勝負の鉄則や!」

「それで、今度は何が貰えるんだ?」

「さっさと、ネタをばらせ」

「お前の前置きは長すぎる」

「矢神君がやる気になるのってそんな時だけだもんね」

 皆も太一を理解してきたみたいだね。

 それにしても、普段から今の力を発揮出来れば、氷兄を越せるかもしれないのに勿体ないなぁ。

「おいおい! 俺がそんな男に見えるんか? だが、今回の景品は凄いぞー、とだけ言っておく」

「「「「早く言 (え)いいなさい」」」」    

 一斉に出た怒声を、太一は心底嬉しそうに聞いている。

 そして、静かになるまでニマニマしていた。

 どうせ話したいんだから、早く言えばいいのに…… 

「では、今回の景品を説明するぞ。優勝したチームには、ジャジャン。並木駅前商店街の2000円商品券だ!」

「「「「おおおお」」」」

 結構奮発してるなぁ。この学校イベントにお金掛けるよね。

 此処で太一が、手を上げて歓声を収めた。

「それだけだと思うな! 大会MVPの男女には、学校公認で好きな女子、男子とデートが出来る特典付きや!」

 うわぁ、聞かなければ良かった。氷兄とか絶対やる気になりそう。

 というか、同じ組だから応援しないといけない、でも頑張って欲しくない。

 すごい矛盾なんだけど。

「それって誰でもいいってことだよな?」

「当然や!」

「相手が拒否したらどうすんだよ?」

「学校行事だから拒否出来る訳が無いやろ?」

「なら氷室様とデート出来るの?」

「当たり前やな。うちの学校の生徒なら誰でもオッケーや!」

「「「「――ってことは……」」」」男子生徒が一斉に僕を見た。

 うわ、こ、わ、い、よ? なんで僕なの? 

「さて、そこでだ。今回の体育祭では、各クラス1名、マスコットを出さなければいけないんだが……」太一の視線が僕を見ている。

 まさか、それをやれと言うの?

「はーい! 楓ちゃんがいいと思います!」先手必勝。我がクラスが誇るロリなら文句無いよね! 頑張れ楓ちゃん!

「え、え? なんでわたしなの雪ちゃん?」楓ちゃんが驚愕している。

「だって、楓ちゃんなら、皆に大事にされるに決まってるもん!」

「確かにそれはあるな。楓をマスコットにしとけば誘拐されないだろうし、何故幼稚園児が出場してるんだ? という要らぬ誤解を受けずに済みそうだもんな」遥が賛同してくれた。

 ナイスだよ遥! これで僕は開放されたね。

 太一の表情が、予定外な流れに焦っている。

 ふふふ、僕に嫌なことばかり押し付けようとしても駄目なんだよ!

「遥ちゃんそれどういう意味! わたしはれっきとした高校生なんだからね! それに、遥ちゃんがマスコットになればいいと思う。バベ○の塔だからどこからでも目立ってぴったりだよ!」

「誰がバベ○の塔だ! ああでもあれか? 高いモノに憧れる子供特有の奴か? さすが幼児だな。悪い大人に騙されるんじゃないかとお姉さんは心配だよ」遥はヨヨヨと泣き真似をしている。

「そうやってすぐ馬鹿にして!」

「ええと、江藤さん、井川さんもちょっと落ち着いてーな。ミジンコやドルアー○の塔よりも、重要なことがあるんやって」 

「「もっと酷いわ(よ)」」 

 太一は自分の失言に不味いという顔をしていた。

 くくく、そのまま押し切られるがいいよ。

「ごめん、今のは悪かったわ。ええと、雪が余計なこというから説明が出来なかったんやが、このマスコットな、点数の対象になってるんや。いかにしてチームを盛り上げたかが採点されるらしい。つまり、一番効率よく点数を取れる者が好ましいんや」

 この流れは不味いね。ここらで反論しとかないと。

「太一判ってないなぁ。楓ちゃんの愛らしさは学校内でも際立ってるよ。きっと赤ちゃんにしたいナンバー1だからね!」

「雪ちゃーん。わたしに何か恨みでもあるのぉ? うううう」楓ちゃんが目をウルウルさせている。

「赤ちゃんかぁ、嫌いな人は滅多に居ないな。そう言われるとベストチョイスかもしれない」遥がウンウン首を振って頷いている。

 この完璧な理論。太一には崩せまい。

 ニヤリと太一に目を向けてみた。

 だが太一は悔しがるどころか、冷静にしている。

 大人しく負けを認めたのかな? 

「ほな、マスコットになる人の投票をする。雪がいいと思う人!」

 太一が今迄の話しなんて無かったかのように採決を取り出した。

 えええ、ナニソレ!

 クラス中の人が手を上げた。てか、楓ちゃんまだしも、遥が挙手してるってどういうこと? 裏切り者!

「次に江藤さんがいい人」

 僕は颯爽と右手を挙手した。

「ほい、雪1人な、ということで、雪に決定や!」ここで太一が僕を小馬鹿にするように鼻で笑った。

 むかーーー。めっちゃくやしい!

 これって数の暴力じゃないか。民主主義は少数の保護なんでしょ!

「それ、拒否したいんだけど!」

「ほぉ雪はクラスの総意を無視するんか?」

「でも恥かしいし、ボクもMVP狙いたいよ!」

「誰や! 誰とデートしたいんや!」太一がさっきまでの余裕な態度から一変して狼狽している。

「嘘だろ…」

「雪ちゃんに好きな男がいるなんて」

「ああ、俺ショックだわ」

「なんか、体育祭やる気なくなってきたなぁ」

 太一同様に、クラスの男子も沈んだ。

 あれれ? 誰ともデートしたくないから自分で勝ちたいだけなんだけど。

「勝てばデートしなくてもいいんだよね? それだけだよ?」

「ふっ、心配させるなや!」

「良かった」

「俺にもまだチャンスが」

「やはり狙うはMVPか」

「この機会に雪ちゃんとの仲を……」

 先程までと打って変り元気になった。なんだかねぇ。

「雪がMVPになりたいのは判った。ほな素直にマスコットになればええやん。雪が純粋に勝負で獲れる訳ないやろ」

「むむ、ボクはやれば出来るんだよ。太一とは違うからね」

「はいはい、そういうことにしたるわ。大体マスコットになれば、赤組が優勝しただけでMVPの候補やがな。一番手っ取り早い話やろ?」

「そうなの?」

「そうやそうや。雪が各種目を頑張るよりよっぽど可能性が高い思うんやけどなぁ」

「ふーん。それで実際どんなことするの?」

「それは応援やろ? なった3人で決めるのやから、雪達が決めたらええんや」

 ふむふむ、つまりは嫌なことしなければいいのかぁ。

 これってある意味ラッキーなのかな?

 でも、何か乗せられてる気がする。うーん。

「ほな、もう文句はないんやな?」

「う、うん。それにしても、妙にボクにやらせたがるのは何故?」 

 太一が一瞬ピクリと体を反応させた。怪しい。

「何いってるんや。雪の可愛さは校内一やろ? これは誰もが認めることやんか。つまり、そんな適役を起用しなかったら、赤組の損やんか!」   

「ふーん。それで本当は?」

「おま、幼馴染の話を真面目に聞けや。いつから雪はそんな冷たい人間になったんや! お父さん悲しいわ」太一が手で目を覆って泣いたフリなんてしている。

「別にお父さんじゃないし。あくまでも言わないつもりなのかな?」

 太一は知らん顔してそっぽ向いている。

 このままじゃ埒が明かないか。仕方ない方向転換だ!

「ねー阿部君」

 急に話題を振られた阿部君は驚いた表情を見せた。

「聞きたいことがあるんだよね。何で太一がそこまでボクをさせたがるのか教えて貰えないかなぁ?」お願いモードTYPEーBを使用する。目を潤ませて、両手を組んで甘えたポーズを取るだけ。

「雪ちゃんにお願いされたら、言うしかないかな♪」

 阿部君はすぐに話を聞いてくれる。

 さすが、阿部君、太一とは違うね!

「アホか! 何簡単に篭絡されてるねん!」パーンと太一が阿部君の頭にツッコミを入れた。

「痛いなぁ何すんだよ矢神」

「それを言ったら、雪が引き受けないかもしれないやろ!」

「いや、だって俺は関係ないしな。雪ちゃんがマスコットになって欲しいから何も言わなかっただけだしさ」

「阿部君教えてよー♪ それと太一、ちょっと大人しくしてようか」阿部君には優しく微笑んで、太一にはギロリと睨みつける。

 太一はそれで、動きが止まる。

「ああ、なんか矢神の奴ね、雪ちゃんをマスコットにするのに成功したら、2-A、3-Aの先輩からご褒美が貰えるみたいなんだわ」

「なーるほーどねぇ」太一を横目で見た。

 怯えてるね。後でとっちめるのは決定。

 でも、クラスの皆が文句言わないのはなんでだろ?

 かなり動機が不純な気がするけどいいのかな。

「それじゃ、そんな内容でボクが成ったら悪いし、やっぱり断ることにしようかな」

「ちょっと待て! それは困る」太一の意見は無視ね。

「「「え~~~」」」クラス中から反対の声が聞こえる。

 何故……

「雪ちゃんやってよ!」

「応援されるなら雪ちゃんがいい!」

「そそ、もう決まったんだしそうしてよ」

「この際、矢神の悪事には目を瞑るからさ」

「雪ちゃんなら、元気になれるきがするし」

「うんうん」

「雪ちゃんの笑顔は、皆を幸せにするんだよ!」

 結局、このクラス中の熱意に負けて僕はマスコットという役を引き受けさせられるのだった。

 ちなみに太一を問い詰めた結果、先輩達から秘蔵のコレクションを貰えることを吐き出した。

 本当にどうしょうもない内容だったよ。僕に言いたく無い訳だね。

リクエストされていた、キャラ紹介をここで載せます。


阿南 雪 15歳

身長:155(152は目の錯覚だよ!)体重:40kg 

スリーサイズ、70のBらしい。残りのサイズは……嫌なことされたの思い出したから教えないよ! 

雪女の先祖返りらしい。肩まで伸びた白い髪と、青い目を持つ女の子になった。ううう、なんで僕が。

外国人の真似なら任せて!

特技! アイスストーム(拳大の氷を召還する)

趣味、最近料理が加わったよ。まだまだ練習中だけどね。


阿南 桜子 41歳

身長:158cm 体重:乙女には秘密がいっぱいなの 

スリーサイズ、貴方の理想のスリーサイズよ? え? あり得ない。そんなこと言うんだ♪

変態1号 女帝 ママです。

阿南家のことなら何でもござれ! 私が支配者なの。


阿南 隆彦 43歳

身長:173 体重:63kg

スリーサイズですか? 僕のなんて誰も知りたくないでしょうからいいです。

変態3号 パパです。 

いいとこのサラリーマンしています。

趣味は、雪くんの写真撮影。撮るときに少し眼鏡が邪魔ですね。

秘蔵のコレクションは誰にも判らないところに隠しています。雪君が隙を見せるとすぐ処分しますからね。



阿南 氷室 17歳 

身長:181cm 体重:71kg

スリーサイズ? 雪にだったら教えてもいいぞ。

変態2号 お兄ちゃん♪ 

サッカー部のレギュラーとして活躍中、ポジションはMF。

練習のせいで日に焼けて黒くなっている。

将来は雪と結婚する予定だ。雪は嫌がってる? アレは照れてるだけ。


阿南 冬耶 12歳 

身長:153cm 最近雪姉ちゃんを抜いたのは内緒だよ。体重:43kg 

スリーサイズ? 僕のを知りたがる人なんて居ないかも。

雪姉ちゃんが大好き。趣味はゲームだよ。


矢神 太一 15歳

身長:172cm 体重:60kg

スリーサイズ:胸揉ましてくれたら教えてもええで。

似非関西弁で話すのが得意や、雪とは幼馴染兼親友やな。

ひょっとしたら彼女って可能性も……それには、氷室兄ちゃんが問題や……

何故か副委員長もやってるねん。



江藤 楓 15歳

身長:14@cm 体重:3@kg 

スリーサイズ:絶壁とか言っちゃだめなのです! 

くるっとした巻き毛をリボンで縛ってるのがトレードマークだよ。

垂れ目もやさしく見えて良い感じ。

幼児とかロリとかみんな酷すぎる。後3年したら雪ちゃんを追い抜いてみせるよ!


井波 遙 15歳

身長:16@cm 体重:5@kg

スリーサイズ:出るところは出て、引っ込むところは引っ込んでるな。結構良い感じなプロポーションだ。

髪型はショートカット、運動は得意だぞ。

実はそれほど大きくないんだよ! 楓と雪がわめくから大きく見えてるだけ!

アタシはジャイア○トじゃなーーーい!


西条 多賀子 17歳

身長:161cm 体重:女の子に聞くなんて失礼よ。

スリーサイズ:脱いだら凄いのよ?

女の子は皆アタシのモノよ。男? 何それ、きもいわ。

特にあの黒いのムカつく。氷室様? Gの間違いじゃないかしら。


忘れないであげようの人。


村田 一 28歳

身長:170cm 体重:72kg

スリーサイズ:俺の筋肉が見たいのか? 

小太り? 筋肉質と言ってくれ。

サッカー部の顧問をしている。1-Aの担任だ。

誰がムッチーパンダじゃ!


阿部 義人 15歳

身長:171cm 体重:60kg

スリーサイズ:僕に興味があるのですか? 是非携帯番号を教えてください。

1-Aの委員長は僕ですよ。「カッコイイ……」のシャレ許して欲しかった。


咲ちゃん 12歳

身長:152cm 体重:教えないよーだ。

スリーサイズ:これから育つの!

ツインテールをリボンで結んでるよ。

みんな女の子っぽくて可愛いって誉めてくれるの。

冬耶君大好き!


留美ちゃん 12歳

身長:160cm 体重:なーいしょ

スリーサイズ:冬耶君にだったら教えるよ♪

髪型がセミロング、大人っぽいって良く言われるの。

あのお姉さん以外には負けないわよ!


以上です。こんなのでよかったのでしょうか?



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