携帯のある日常 1
素早いご報告ありがとです。
携帯のある日常 1
先程、誤字脱字修正しました。
「おーい、雪。携帯はどうなったんや?」
「スマフォゲット出来たよ♪ おかげでまだ眠いかな」
「おお、そうかそうか」
週明けの月曜日、登校して間もなく太一が僕の席まで話し掛けにきた。
こうなったからには使い倒してやるという意地もあり、日曜深夜過ぎまで弄くり回した結果、睡眠時間が減ってしまったのだ。
じゃなければ母さんの条件に割が合わないよ!
でも、努力の甲斐はあり、使い方や設定もある程度カスタムされたと思う。
僕に説明書を読ませるとは、やるな! スマフォという奴だね。
「ほいで、どんなん買ったんや?」
「じゃーん、これだよ♪」真新しいスマフォを太一に見せびらかす。
「おお、白い奴やん、白い奴は化け物らしいからなぁ」
「朝なのに頭おかしくなった? あ、ごめん。太一は元からだったよね、失敬失敬」
「ちゃうがな! 赤い色してれば3倍性能、白いのは化け物言うのが、ガ○ダムの常識やろうが!」
「ふ~ん、それとスマフォがどう関係あるの?」
「全く関係ないがな!」
「そんな胸を張って言うこと?」
「はぁ……」太一が海よりも深く溜息を吐いた。
「判ってへんなぁ。ガ○ダムは漢のバイブルやろが!」
「意味判らないし、太一は厚い本読んだら寝ちゃうからバイブルとか読めないじゃん」
「ええねん、心で読むねん。感じ取ればええんや!」
「あっそ、頑張って」
「ツレナイ反応やの――って良く見るとそれって○○製やん! 雪は何時から○○信者になったんや!」
「別に信者じゃないし、てかそれがどしたの? 問題ないと思うけど」
「ホンマにボケボケやなぁ。○○信者は壊れることすら愛してるからええねん。でも一般人には危険な代物やがな。○○製には時限爆弾が入ってるんやで!」
「え? でも性能良いし、見た目も僕好みだから悪くないと思うよ?」
「そや、確かに性能もええ、そして小型で見た目もええやろ。だがすぐ壊れるんや、他のメーカーのにしとけばええものを」
「僕が気に入ったからこれでいいの。折角喜んでる処に水を刺さないでよ。太一は1個も○○製品持ってないのかよ」
「はぁ? うちにあるのは殆ど○○製やで?」
なんじゃそりゃ! ああ、もうこれはあれだ、からかってるだけだな。
「で、何? わざわざ嫌味を言う為に来たの?」
「ああ、ちゃうちゃう。折角やから雪の携帯とオレのを登録しとこう思ってな」
「ふ~ん。太一とはしてあげない」
「なんでや! オレが何したいうねん」
今散々したじゃないか!
「自分の胸に手を当てて考えれば自ずと答えは出てくると思うよ」
太一は素直に自分の胸に手を当てている。
「わからへんのぉ。ほな、雪の胸に手を当てて考えてみるわ」
「殺すよ?」
手を伸ばそうとした太一が、僕のジト目で急停止する。
妙に手の動きがイヤラシイ感じがするのは気のせい?
「じょ、冗談やがな……すぐ怒るから、身長が伸びないんや」
僕のジト目が、険悪なモノにレベルアップした。
「いやぁ。今日は暖かいなぁ、小春日和やなぁ」
今更誤魔化しても遅いよ!
「……………」
「ごめんなさい」太一が素直に頭を下げた。
余計な事言わなければこっちも怒らないのにね。本当に太一はアホだよね。
「それだけ?」
「ええと、そのー。なんや、雪は今日も可愛いなぁ」
「…………」気にしないようにはしてるけど、その言葉は嬉しくないんだけど。
「ああ、あれや、そう、シュークリーム買ってやるさかい、機嫌治せや」
う、負けちゃだめだ。負けちゃだめだ。負けちゃだめだ。
「シュークリームねぇ? 最近思うんだけど、僕にはシュークリームさえ与えておけば大丈夫とか思ってない?」
「なんでそれを!」
あれーなんだろ、むちゃくちゃ殴りたい気持ちが一杯なんだけど、我慢しないといけないのかな?
「…………」
「軽いジョークや。でも欲しがっていたスマフォが買えて良かったやないか」
初めからそれを言え!
「雪はよー。おおお、新型のスマフォじゃないか!」
「はよはよー。雪ちゃんの白いのかぁ、本当に白いのが好きだよねぇ」
「おはよ、遥と楓ちゃん」
別に髪とか白いのは、好みじゃないよ! 楓ちゃん。
登校してきたばかりの遥と楓ちゃんが、僕の持っているスマフォに興味を示した。
「ああ、矢神君もついでにはよー」
「遥ちゃん言い方が悪いって。ごめんねぇ矢神くん、遥ちゃんガサツなの」
「ええよ、ええよ。実際ついでやろし、どこかの誰かさんと違ってオレは心が大宇宙のように広いさかい気にせんから」太一は僕の方を見てフフンと鼻を鳴らした。
むぅ。太一が変なこというからなのに、なんで僕の心が狭いみたいに言われないといけないんだよ。太一は放置決定!
「そいじゃー雪、アタシのスマフォとフレ登録しようぜ」そう言って、遥は鞄の中をガサゴソと探り、青色のスマフォを取り出した。
「うん、いいよー」
「あ、雪ちゃんわたしも登録したーい」楓ちゃんも急いで取り出した。
ピンク色の本体は、女の子っぽくて楓ちゃんに良く似合っている。
「うんうん、楓ちゃんも喜んで」
「ほな、オレも登録しようや」太一も黒いスマフォを取り出した、Sa02Dって僕と同じ会社じゃないか! まったくもー。
これはあれだよね?
「太一は駄目♪」
「そんな、アホな! なんでオレだけ駄目なんや。差別か、差別なんか? 男女差別はんたーい!」
太一を再び放置することに決めた。煩いから。
「それじゃ遥、赤外線だすよー」
「ほいさ」
完了音とメッセージが流れ、無事登録終了。
「次、楓ちゃんねー」
「うんうん」
こっちも同様に、楓ちゃんともフレ登録おしまい。
これで、家族以外のフレ登録出来たなぁ。
友達100人出来るかな、じゃないけど増えるのはなんか楽しくなるね!
「オマエハカンゼンニホウイサレテイル スミヤカニセキガイセンヲ コチラニカイホウセヨ」太一が変な演技してるけど、気にしない気にしない。
遥、楓ちゃんが遠巻きに太一に同情の目を向けている。
二人は優しいなぁ。
「タダチニカイホウスレバ タイチクンガヨロコビマスヨ?」
ぶ、思わず噴出してしまった。どういう理屈だよ。
「もぉ。太一笑わせないで――約束のシュークリーム2個忘れないでよ?」赤外線を解放してあげる
「なんで、増えてるんや! 極悪商人かい!」文句を言いつつも太一はちゃっかり登録を完了させる。
「ふふふ、時は金也なんだよ。馬鹿なことを言った報いを受けるべきなのさ」
「何も言ってへんがなぁ!」
「はいはい、さっきまでの行いを胸に手を当てて考えれば答えは簡単だよ」
「それじゃ……」
ジロリと睨みつける。
「し、しないがな。そんな目をするなや……」
顔から怪しい汗を大量にかいてるのを見ると、絶対僕の胸に触ろうとしてたよね!
本当に懲りないよ。
此処でチャイムが鳴り、ムッチーが教室に現れたことで太一は救われた。
遥と楓ちゃんからは、本当に仲良いよなぁみたいな台詞を言われてしまう。
昔からの付き合いだし、こればっかりはね。
勿論、買ったばかりのスマフォを没収されるなんて、嫌なのですぐに隠しましたよ?
HR後、クラス中の生徒からシュークリームと引き換えにフレ登録してくれとせがまれることになった。
一瞬欲に目が眩みそうになったけど、さすがにモノを貰うのも悪いから、普通に登録することにしたよ。
クラスメイトだし、おかしくないよね?
ちなみに、この原因を作った太一からは容赦なく貰います♪
少し長くなり過素ぎたので、2部に分けました。
※ 誤字、脱字、修正点などがあれば指摘ください。
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