3年P組 原発先生
熱源教師、原発先生のモットーは体当たりの教育。
今日は学校でぐれてしまった生徒に魂の言葉で語りかけます。
「ヤマモト! オマエハ腐ッタウランナンカジャナイ!」
「先生!」
先生が鋼の熱弁を振るうと、ぐれてしまった生徒の瞳から涙が零れ落ちました。
そして生徒を見つめる先生の無機質の瞳からは冷却液が流れ落ちていきます。
流れ落ちる冷却液の影響で、炉心内部の温度が急上昇し始めました。冷却液の減少により先生の冷却システムに異常が発生。先生の身体のあちこちから蒸気が立ち昇ります。
危機感を煽る警告音と共にガイガーカウンターは景気良く上昇、放射線が生物を否定し始めました。
「ヤマモト! 先生ト一緒ニ夕日ニ向カッテ走ロウ!」
夕日を指差した先生が後ろを振り返ると、さっきまで元気だった山本は、床に倒れたままぴくりとも動かなくなっていました。
「ヤマモトー!」
悲しみに号泣する先生の瞳からさらに冷却液が滝のように漏れ出します。
冷却液の循環が不可能となり、ついに先生はメルトダウン。放射される熱で教室は炎熱地獄に包まれていきます。
周囲にいた生徒たちは次々と倒れ炭になっていきました。
先生を中心に炎は荒れ狂い、核分裂反応による猛烈な熱気に火炎地獄と化していく学校。
もはや原形をとどめない先生がどろどろに溶けていく中、タイトルだけでオチがついている話を無理に展開するのはもうやめようと思いました。