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とある食卓

作者: 南師

子供は守られながら育っていく。


もぐもぐもぐもぐ


カチャカチャカチャカチャ


「ねえおとうさん」


「なんだい娘よ」


「おかあさんはどこにいったの?」


「今キッチンで次の料理をつくっているよ」


「ふーん、そうなんだ」


「お母さんがいなくて寂しい?」


「うん、さんにんでごはんたべたい!」


「もうすぐお母さんはくるからね」


もぐもぐもぐもぐ


カチャカチャカチャカチャ


「ねえおとうさん」


「なんだい娘よ」


「おとなりのわんちゃんはどこにいったの?」


「うるさいからどこかにつれていかれたのさ」


「ふーん、そうなんだ」


「わんちゃんがいなくて寂しい?」


「うーん、わんちゃんはこわかったから、さみしくない!」


「そうか、ならいいんだ」


もぐもぐもぐもぐ


カチャカチャカチャカチャ


「ねえおとうさん」


「なんだい娘よ」


「おなじじクラスのいじめっこのゆうきくんはどこにいったの?」


「うるさいからどこかに連れていかれたのさ」


「ふーん、そうなんだ」


「ゆうきくんがいなくて寂しい?」


「ううん、ゆうきくんはいじわるだからいなくなってうれしいってみんないってた!」


「そうか、それは良かった」


もぐもぐもぐもぐ


カチャカチャカチャカチャ


「さぁ、唐揚げもできたわよ」


「わぁい!からあげー!!」


「いつも悪いね」


「かわいい娘と愛する旦那のためだもの、これくらい問題ないわ」


「そうか、ありがとう」


「からあげおいしい!」


「まだまだあるから、いっぱいお食べ」


「うん!いっぱいたべておかあさんみたいにきれいになる!!」


「まぁ」


「ふふふ、きっとなれるよ」


「うん!おかあさんみたいにあかいエプロンして、おとうさんみたいにかっこいいひととけっこんする!!」


「……お父さんと結婚するとは言わないのか」


「私がいますわ、あなた」


「あ、おかあさん」


「ん?なぁに?」


「またなにかはいってた……くろいいと……」


「まぁ、ごめんなさい。混ざってたのね」


「全く、お母さんはうっかりさんだね」


「うっかりさんだね!」


「ごめんなさい、きをつけてたのに」


「このまえもすきやきにきいろいいとがはいってたんだよ!」


「そう怒るな。うっかりさんも女の子の魅力だよ?」


「みりょく?」


「かわいいところさ」


「じゃあさとーせんせいもかわいい?」


「どうしてだい?佐藤先生は男の人だろう?」


「うん。でもこのまえプールのひに、わたしたちがきがえてるところでうっかりはいってきたの。それもよんかいも」


「へえ……それはうっかりさんだ」


「うん!うっかりさん!あと、うっかりわたしやまなちゃんのおしりをさわっておどろかしてきたりもした!!」


「へえ……」


「あなた、あしたもお肉がいいかしら?」


「そうだね、明日は少しかたいお肉をシチューにしてやわらかく食べようか」


「シチュー!?わたしごはんいれる!!」


「うちではいいけど、外ではだめだぞ」


「はぁい!」


もぐもぐもぐもぐ


カチャカチャカチャカチャ


もぐもぐもぐもぐ


カチャカチャカチャカチャ


「ねえおとうさん」


「なんだい娘よ」


「ごはんはたべたらどこにいったの?」


「とっても暗い、穴の中さ」


「ふーん、そうなんだ」


「ごはんが減って寂しい?」


「ううん、ごはんはおいしいもん!」


「そうか、それはよかった」


「さぁ、おかわりはあるから、いっぱいたべなさい」


「うん!!」


もぐもぐもぐもぐ


カチャカチャカチャカチャ



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― 新着の感想 ―
[一言] リアルモンスターペアレント。 いや、リアルモンスターハンターペアレント。 楽しませていただきました。 こんがりやけました~(だっけ?) 私はモンハン持ってない。
[一言] あれ?もしかして黒い糸って人間の髪の毛?
[一言] ジャンルはホラーでしょうか・・・? 取り合えず、佐藤先生のご冥福を
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