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暁の瞳  作者: キキララ
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間違いなく君は天使だ

初めて小説を書かせていただきます。

乱文ですが、どうかお楽しみいただけると幸いです。

ドラマのような人生に憧れていた。ハッピーエンドに縋りたかった。

窓から差し込む朝の光と、そよ風がやさしく告げる。

「朝だ」と。

だけど、布団の中は冷えていた。

———誰にも会いたくない。

いつからかそう思うようになった。

太陽を睨みつけ、窓に映る自分の瞳に怯えた。

この世界には、人間だけじゃない生き物がいる。

天使、悪魔、妖精—――。

その中の一人、僕は「悪魔」だった。

悪魔は嫌われている。

悪い生き物であるのは当然だ。

そう教えられてきた。

だから、人と関わるのが怖かった。

でも、心の奥底では、寂しかった。

ある日、勇気を出してフリーイベントに参加した。

参加者は僕と、男の人。たぶん年上だった。

「俺はふんわり。よろしく。君は?」アニメキャラみたいな声だった。

引きこもってテレビばかり見ていた僕は、その声を聞いて思った。

「この人と知り合えば、毎日この声が聞けるんだ」

それが嬉しくて、少し心を開いた。

「へえ、匣郎くんって言うんだ。いいね。さっそくだけど、のんびり一狩り行こうか」

リードしてくれて、強くて、何より声が良かった。

僕は最高の友達を見つけたと思った。

ふんわりさんは、普段からYARというグループでモンスター狩りをしているらしい。

だからこんなにスムーズに倒せるのか。

「明日も遊ぼうな」

毎日会って、モンスターを倒して、ご飯を食べて、ゲームをして。

ドラマのような人生を、やっと見つけた。

「実は僕、悪魔なんだ」

信頼していたから、勇気を出して打ち明けた。

「え......」

彼の顔は、引き攣った。

それ以来、彼と会うことはなかった。

待ち合わせの場所に来ない。連絡もつかない。

捨てられた。

何度目だろう。


「普通の子だと思ってた。」

「地獄に帰ればいいのに。」


それでも、何かの間違いだと信じたかった。

YARを訪ねた。

「はっ!?嘘だろ!」

「ふんわりさん.......」

悪魔の瞳からこぼれ落ちる涙は、彼らにとってただの汚物だった。

「誰、この子?」

「この前言ってた悪魔じゃね?」「悪魔の三大魔力に、"執着ストーキング”ってあったよね」「それじゃん!こわっ!政府の人呼んで!」

ドラマは、バッドエンドだった。

逃げる間もなく、モンスター狩り達に捕まり、すぐに政府の男がやって来た。

「どこですか?異常行動を起こしている悪魔って」

「コイツです」

涙を流す僕を、実験動物を見るように見つめた。

「えーっと、"執着ストーキング”でしたっけ?ちょっと目、見せて」

モンスター狩りから解放された僕は、政府の男に顎を掴まれた。

「へえ」

不気味に笑う彼は、そう言うと僕を担ぎ上げて飛び立った。

「じゃ、この件はうちで預かるんで」

助かったと喜ぶモンスター狩り達。

よく見ると、政府の男の頭上には天使の輪が浮かんでいた。

ああ、真逆だ。

この人は、生きているだけで重宝されるんだ。

そして、僕は彼らに罪を問われるんだ。

「名前は?なんて呼んだらいい?」

「は、匣郎です」

「ふーん。で、匣郎はいつまで泣いてんの?男の子じゃないの?」

移送中、彼はそう言った。

「カッコ悪いですか。もう失うものなんてないのに.......」

「この辺でいっか」

僕の話を無視して、西町に降りた。

西町は廃都市で、ほとんど人が暮らしていない。

「え、現行犯処刑されるんですか?」

「何言ってんの?」

彼は逆立ちしたカエルを見るような顔をした。

「オレはただ誘いに来ただけなんだけど」

「え?何に....?」

すると彼は、待ってましたとばかりに空を指さした。

日が暮れかけた空には、赤い月が浮かんでいる。

「暁」

その言葉は、全身に響き渡った。

「クランの名前。今は3人くらいいて、まあ遊びみたいな感じでやってるだけ」

「なんで僕を.....?」

「え?だって、悪魔の瞳ってかっこいいじゃん」

背中に稲妻が走った。

その言葉の意味を知っているのなら、ただ者じゃない。

多種族が混ざり合うこの世界で、天使と悪魔はカーストの上位に入る。

そして、それぞれの中にもまたカーストがある。

天使は羽や輪があるほど位が高く、悪魔は尻尾や角、牙があればさらに上流階級だ。

体が大きければ魔力も多く、位はもっと高くなる。

しかし、例外もある。

悪魔だけが持つ特性—――「瞳」だ。

だが、その事実を知る者は、ほんの一部の天使と悪魔だけ。

彼がそれを知っているということは、それなりに位の高い天使なのかもしれない。

「かっこいい......くないです」

「はぁ…まあ、ここじゃ話になんない。」

男に連れられて、僕は西町の外れにある秘密基地へ向かった。

空には1匹のカラスが飛んでいる。

一見、ただの倉庫のようだが、そこから地下へと続くエレベーターに乗ると、まるで別世界が広がっていた。

読んでいただきありがとうございます。

よろしければ、感想を送ってくださると、今後の励みになります。

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