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AT『アベルとテツの』冒険譚 if 異世界転生したおっさんが普通に生きる  作者: カジキカジキ


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ラージダンジョンへの挑戦2

 アスラさんとギルドマスターとのやり取りは、細かな所は僕たちには分からなかったけれど、どうも王都の冒険者達はラージダンジョンの深くまでは入っていないようだ。


 書類が必要になった事で、面倒に感じた冒険者達は三十層までで満足してしまったのかな?


 ギルドの会議室から出て来た僕たちは、詰め掛けた冒険者達を避けながらギルドを出て、ダンジョン入り口へと向かった。


「では、皆も準備は良いか? 行くぞ」


 アスラさんがダンジョン入り口の移動ポータルに手を触れて、僕たち六人は王都のラージダンジョン三十層へと移動した。


◀▶︎ ◀︎▶︎ ◀︎▶︎ ◀︎▶


「あら? あの子たちダンジョンに入ってきたのね」


 新しく出来たダンジョンの暴走で力を使い過ぎた私は、暫くボーッと過ごしていたのだけれど。印を付けていた冒険者の坊やたちがダンジョンに入った感覚を受けて、ちょっと覗いてみる事にしたの。


「ここは、ヴァルスガルド王国のラージダンジョンね、たしか最深層は……」


 坊やたちの会話を聴くと、どうも六十層まで行ってアースドラゴンを倒す事が目的ね。一緒について来ている大人の一人は、以前アースドラゴンを倒したパーティメンバーの一人なのね。ドラコーンの王子君もいるから大丈夫だと思うけれど、アベルとテツの二人だけで倒したいみたいね。


「ふーん? まっ、頑張りなさい」


◀▶︎ ◀︎▶︎ ◀︎▶︎ ◀︎▶


 一瞬の浮遊感の後。ダンジョン三十層、ボス部屋の横にある移動ポータルへ移動が完了した俺たち。


「!?」


 丁度三十層に居たのだろう、そこにいたパーティと目が合った。五人の集まりの中から、一人の男性が出て来て声を掛けて来る。


「あの、豪斬のアスラさんですよね? ここまで下りて来られたと言う事は、あの噂は本当だったのですか?」


「君達は?」


 アスラさんは、少し強めに男性に聞き返す。


「あっ、すみません。俺たちは『蒼の星』で、リーダーのガイラと言います。アスラさんは六十層まで行かれるのですか?」


 今度は名乗って来たので、アスラさんの態度も軟化し。


「どんな噂か知らないが、六十層を目指しているのは本当だ。それよりも、この層に居るのは君達だけなのか?」


 アスラさんは辺りを見回して、他のパーティが居ないことを気にしていた。


「そうですね、三十層まで下りて来るパーティはかなり少ないですね。最近では俺たちの他には二、三組かと思います」


「そんなに……」


 俺たちは、思っていたより少ない数にビックリした。


「君達は三十層より下には行かないのか?」


 ガイラと名乗った男性は、そう聞かれると少し返答に戸惑ってから。


「僕らも、殆どは二十七、八層を主に活動しているのですけれど、半年前には依頼を受けて三十二層までは進みましたよ」


「……そうか、聞かせてくれてありがとう」


 そう言って別れようとしたアスラさんに。


「あのっ! 握手して貰えますか?」


 アスラさんはフッと薄笑いを浮かべて、手を差し出していた。


 ガイラさんと別れ、体制を整えた俺たちは。それから下へと降りる階段へと向かった。

 

「?!」


「どうしたの二人とも?」


 俺とアベルが急に辺りを見回したので、驚いたアルが声を掛けてきた。


「いや、何か……誰かに励まされたような気がして?」


「僕も、背中をポンと叩かれた感じがした!」


 ダンジョンの噂もたくさん聞いたが、こんな励まされる感じがしたなんて、聞いた事なかったぞ?

 

 ・

 ・

 ・

 

 三十一層は思ったよりも魔物が多くなっていた。アスラさんもその多さに困惑し、俺たちの事よりも、先に魔物の数を減らす事を優先して戦いに参加していた。


「ハァッ!」


 ズバッ!


「応!」


 ザン!


「ウリョ!」「セイ!」「ハッ!」


 それぞれが魔物を相手に倒して回る。以前の異常ダンジョン程ではないけれど、確かに魔物の数が多い。三十層以降に下りる冒険者が減っている所為なのか。


 俺が先頭を進み、アルとアベルが真ん中。後ろをロウさんが守る。最後尾にはアスラさんとゴドスさんがいるので後ろから魔物に襲われる事は無いのだけれど、それとこれとは別で、ロウさんにはしっかりと後方の魔物にも用心して貰っていた。


「魔物だ、ハイオーガとホフゴブリンが三体だな」


 今は三十二層、ハイオーガも普通に現れる。辺境伯領の異常ダンジョンでも戦っていたので恐れはないが、油断して良い魔物では無い。ロウさんが前に出て盾を構え抑え、アルとアベルで倒す。


「やはり、手慣れたものだな」


 ホフゴブリンをアッサリと倒したアスラさんが近寄って来て、先ほどの戦闘を誉めてくれる。


「しかし、魔物の数が多いのが問題だな。これは四十層まで下りるのにも時間が掛かってしまうし、余計に体力を消耗してしまう。冒険者ギルドに戻ったらギルドマスターにも忠告しなければならないな」


 魔物が多くなると、スタンピートにも繋がるので魔物は倒さなければならないのが。この王都のラージダンジョンは三十層より下に降りるのには書類を出さなければならない、殆どは許可されるのだが、以前あった無謀な挑戦を減らすための方策が、冒険者達に面倒とだと思われてしまっているようだ。


「一旦戻りましょう、そして人を増やして貰うように冒険者ギルドにお願いして。三十層より下の魔物を多く倒すようにしましょう。可能であれば、騎士団にも協力をお願いします」


 俺は、このまま進むよりも一度帰って計画を練り直す事をアスラさんに提案した。

 

「それが良いだろうな」


 アスラさんは俺たちの方を振り返り。


「皆も見た通り、このダンジョンは少々問題を抱えてしまっておる。本来の目的と離れてしまうが、国を守るためにも手伝いをお願いしたい」


 そう言って、俺たちに頭を下げた。


「そんな! 頭を上げて下さい! 俺たちにできる事だったら、当然お手伝いしますので!」


 六十層ボス討伐のつもりが、王都を守るための魔物退治になってしまった。


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