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AT『アベルとテツの』冒険譚 if 異世界転生したおっさんが普通に生きる  作者: カジキカジキ


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ダンジョンの暴走4

 ダンジョン八層もまた森、一本一本の木が樹齢千年と言われても納得するくらい太い幹の木の森だが、木の間隔は上の七層の時より開いているので思ったより見通しは良い。


 だけどそれは、魔物からも同じ事が言えると言う訳で……。


「「ウガァー!」」


「オーガだ、それも三体もいる!」


 キリギスさんの声に全員が反応して武器を構える。


「真ん中をロウさんとリザリスさん! 右はアルとアベル! 左は俺が相手する」


 俺の指示で、それぞれが敵を見定めて引き寄せるように威圧する。


「皆んな慎重に、慌てないで相手すれば勝てる魔物だ」


「グォー!」


「はぁっ!」


 ザシュッ!


「うりょ!」


 スパッ

 

 それぞれが、目の前のオーガを相手にしっかりと戦っている。二人一組になる事で安心してオーガでも対応出来るようになった。


 オーガを倒し、魔石を拾うと九層を探しながら探索を進める。三十層までだとオーガは単体でしか出ないから、もうこの辺は三十層より下だという事なのか。


 キリギスさんの索敵は精度を増し、俺も魔物を感じ取る範囲が広がっている気がする。


「また魔物だ、この感じはオーガ?」


「オーガだな、今度は二体だ」


 ロウさんとリザリスさん、アルとアベルが前に出てオーガに対応する。


 ・

 ・

 ・


 あれから、かなりの時間探しているが九層へ下りる階段が見つからない。既に他の階層の倍近い時間を探し歩いているが見つからないんだ。


「キリギスさん、階段がこんなに見つからない事なんてありますか?」


 キリギスさんも首を捻りながら。


「いや、このダンジョンの今までの流れからしても、もっと簡単に見つかりそうなもんだが……どっか見落としているのか?」


 かなりの数の戦闘もこなして、全員の疲れも溜まっている。九層の階段が見つかれば休憩も出来るのだが、いったいどうなっているんだ?


 それから数刻探し歩き、やっと九層の階段を見つけた時には、全員が疲れ果ててボロボロの状態になっていた。


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」「今回はまいったな」

「ふーーっ」


 全員が、それぞれ疲れた顔をして階段に座り込んだ。


「ここで、少し長めに休憩しよう」


 階段では魔物は出ないが、眠るのには適していない。軽く休憩するのが席の山なのだが。中には階段で眠る猛者もいるらしい。大体は、下に降りる冒険者の邪魔になるので蹴飛ばされたりするらしいが。


 今は俺たちしか居ないから、少し長く休憩しても誰にも文句は言われないし。


「九層に下りたら、早めにセーフエリアがあって欲しいな」


「アベル、ジョーカーに言っといてくれよ」


 アルが冗談混じりにアベルに話すが、疲れ過ぎて冗談でも本気で思ってしまう。


『遅くなってごめんねー、ちょっと別の事が忙しくなっててあなた達のこと忘れちゃってたわ。セーフエリアは九層に入ったすぐに作るからちょっとまっててね』


 俺たちの話を何処かで聞いていたのか、ふざけたジョーカーの声が頭に響いた。


 取り敢えずジョーカーの話を聞いて少し元気が出た俺たちは、休憩を終わると九層に出る事にした。


◀▶︎ ◀︎▶︎ ◀︎▶︎ ◀︎▶


 九層は、上とそこまで変わらない景色だったけれど、感じる重圧はもっと深層……それこそ、初めてジョーカーに連れて行かれた六十層で感じた重圧にも思えた。


「テツさん、何だか危ない感じがします」


「そうだな……」


 テツさんも同じように何か感じ取っていたのだろう、表情が厳しくなっていた。


「ジョーカー! セーフエリアは何処だ!」


 テツさんが、姿の見えないジョーカーに対して呼びかける。


『ごめんねー、少し左手側に進んだ大木の陰にあるから。そこまで移動してくれるかしら』


 ジョーカーの言われた方向に進み、セーフエリアへと入った僕たちは、やっと安心して緊張を解いた。


『このセーフエリアが持つのは六刻ね、それまでは魔物は寄ってこないから安心して休んでちょうだい』


 六刻……完全に疲れを取るには少し短いと思ったけれど、ダンジョンの中で安心して休める場所なんて貴重だからしっかり休ませて貰おう。テツさんと、アベル。キリギスさんが手分けして食事を準備してくれる間に、僕たちは寝床を準備する。

 

「さあ、しっかり食べて休もう。明日? には十層に下りてボス戦になると思うから、ここでしっかり休んでおきましょう」


 テツさんの呼びかけに、ロイさんが疑問を投げかける。


「あれ? 十層は、ボス部屋に入る前のフロアは魔物も出ないんでは?」


「通常はそうなんですが。キリギスさんとも相談したのですが、ダンジョンが異常状態なので、十層も普通の状態ではない可能性を考えると、ここが最後の休める場所になるかも知れないんです」


 それを聞いてロイさんも納得したのか、黙って食事を食べるとすぐに横になっていた。


「アルとリザリスさんも、食べたら休んでおいて下さい。それに、寝るとレベアップもあるから、次の戦いが楽になる筈なんで」


 そうだ。今日もかなりの数の魔物を倒しているから、レベルアップがあるだろう。僕は冒険者証のダンジョンレベルを確認してから眠りについた。


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