続ドラコーン王国の旅3
翌日。この土地の主だった地主さんが集められてポタタと大豆のお披露目。育て方の説明と、もちろん食べて貰ってその美味しさも理解して貰った、それと毒になる部分も説明済みだ。
麦の連作障害を防ぐために、ポタタや大豆を合間で育てること。休ませる畑には、クローバーの種を蒔く事でクローバーが牛の餌になり。フンが畑の栄養になる事で畑が肥沃になってゆく。このサイクルを繰り返す事で収穫量の増加も見込める事。
地主さんと、農民の代表の数人が若干胡散臭そうに、それでいて真面目に話しを聞いてくれている。こんな若造の説明をちゃんと聞いてくれるのは、もちろんアリアンテ男爵がいるからだろうが。先に食べて貰ったポタタのメリットも理解出来ているからだと思う。
マジックバックに入っていたポタタと大豆、石灰に農具を渡す。農具は、この街にも工夫が得意な大工さんがいるらしいので頑張って作って貰いたい。
タイミング的に秋植えのポタタに間に合いそうだったので、カブ用に耕してあった畑を少し使わせて貰うことにした。畑に畝を作り三十セルチ程の間隔を開けて五セルチ程の深さで埋め、上から土を盛る。少し説明するだけでどんどん出来上がってゆくポタタ畑。土から芽が出てくるには三十〜四十日ほど掛かるので、後は畑の持ち主にお願いした。
後は、三ヶ月程して葉が枯れてしまった位で掘り起こすとポタタが出来ているはず。虫食いや黒くなっているのは外して、箱に入れて倉庫に保管して冬を越して貰う。凍ってしまわないように注意と、日が当たって緑色になったり芽が出たポタタは毒が増えているので食用にしないように注意もわすれずに。
育っている途中の作業は、長年作物を育ててきた農家の人たちの方が慣れているだろうからお任せだ。
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アリアンテ男爵の屋敷に戻り、僕たちはまた旅に出る準備をしていた。今日も色々あって遅くなったので、もう一泊して明日出発の予定になった。
お土産に、お茶の葉を貰ったリザリスさんがとても喜んでいた。テツにぃはソバの実を分けて貰っていた、ゴウさん喜びそうだよね。
お茶は、リザリスさんのシュットガルド領でも定期的に仕入れたい事。ヴァルスガルド王国でも好まれそうだったので、量が作れるようになったら。是非、ヴァルスガルド王国まで送って欲しいとお願いした。リザリスさんに商人のデオニスさんを紹介して、この街を訪問するように連絡を取って貰うことになる。
「辺境伯にはお会いなさるのですか?」
準備を終えた僕たちに、男爵が行先について聞いてきた。ここまで来たら挨拶くらいはしておくつもりだと、リザリスさん。
「でしたら、宜しければ辺境伯の話を聞いて貰えませんか」
アリアンテ男爵の話では、最近領都近くの森に発見されたダンジョンの事だった。辺境では、防衛の妨げになるとの理由で基本的にダンジョンは発見され次第攻略されてダンジョンクリスタルを破壊する。例外は、鉱山ダンジョンみたいに鉱石が取れたりする資源ダンジョンは残されるという事。
今回問題になっているダンジョンは、発見されたばかりで、調査されて攻略される予定だったのだけれど、その調査隊が帰ってこない。探しに向かった冒険者も大怪我をして帰ってきたという事で一旦調査も保留になっているそうだ。
辺境伯は、大規模な隊を編成してダンジョンを攻略する事も考えたそうだけど、そんな事をすると隣国を刺激すると言う事で中止になっているらしい。
男爵は、そんなダンジョンについて悩んでいるであろう辺境伯の相談に乗ってあげて欲しいと言う事だった。
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翌日、今日も天気は快晴で、空には白い雲がポツポツたくさん並んでいた。旅にはちょうど良い季節だよね。男爵さんの馬車で街の門前まで送って貰い挨拶を済ませる。
辺境伯の住む領都までは、ここから十日ほど掛かる。男爵さんは馬車をそのまま使って欲しいと言ってたけれど、アルとリザリスさんは歩いて行くと断っていた。うん、歩きで大丈夫!
男爵領の畑が続く街道を領都へと進む。この畑でもポタタや大豆が育ってくれると良いな。




