表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
AT『アベルとテツの』冒険譚 if 異世界転生したおっさんが普通に生きる  作者: カジキカジキ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

60/105

アルの修行2

 その後は盗賊が出てくる事もなく旅を続け、ミドルダンジョンの街までたどり着いた。その日はとりあえず宿に泊まり、翌日からダンジョンに入る事になったんだ。


 そして翌日。皆でダンジョン前ギルドに入る。

 

「ダンジョン前ギルドにようこそ」


 ダンジョンに入るために冒険者証を見せる。受付の職員さんがアルとリザリスさんの冒険者証を見た時に固まっていたけど。リザリスさんが口の前に指を立て、冒険者証をその手から抜き取っていた。


「あれは何だったの?」

 

 ダンジョンの入り口に向かって歩きながら、さっきのが何だったのか気になったのでリザリスさんに聞いてみた。


「冒険者証は偽造が出来ないからな。アルも私も本名が書かれているから、私達の名前を知っている職員だと嗚呼(ああ)なるか、騒ぎ出す者もいるので注意が必要なのだ」


 そうか、僕たちは貴族ではないから名前だけ。アルやリザリスさんは名前と家名まで全て書かれているんだ。そう思って冒険者証を見るとレベルが四十四になっていた!?


「テ、テツにぃ」


 コッソリと冒険者証のレベルの欄をテツにぃに見せる。テツにぃも自分の冒険者証のレベルの欄を押さえて頷いている。きっとデュラハンを倒したのが経験値になってレベルが上がったんだ。それでもレベルが六も上がってるだなんて!


「そろそろ良いか?」

 

 コソコソしている僕たちに、黙って見ていたリザリスさんが声を掛けてきた。


「あっ、ごめんなさい」


 慌ててダンジョン入り口まで近寄り、ミドルダンジョンの階段を下りる。


「ここも平原ダンジョンなの?」


「いや、ここはヴァルスガルド王国と同じタイプのダンジョンらしい」


 テツにぃがダンジョン前ギルドの受付で貰った地図を見ながら教えてくれた。


「さあ、一層に出るぞ」


 リザリスさんが先頭になって階段の先の黒い壁を抜ける。目の前に現れたのは久しぶりの洞窟ダンジョンで少しホッとしちゃった。


「さて。問題はないと思うが、取り敢えず十層を目指そうか」


 今日の本当の目的は十一層だから、十層まではサクサク進むよ。


 ・

 ・

 ・


 十層のボスはアルとリザリスに任せて倒して貰った。アルのレベルも三十二になっていたので全く問題なかったよ。


 で、今は十一層。平原の端のほうのポツポツと木が生えている辺り。ここで何をするのかと言うと……。


「アル、準備はいいか?」


 テツにぃは木の幹のそばに立ち、僕は枝の先で構えて立つ。アルとリザリスは少し離れて見ている。


 僕が頷いたのを見たテツにぃが。


「それっ!」


 ドンッ! バサバサッ!


「ハッ」


 ヒュッ ヒュッ  ヒュッ


 

 パチ……ン


 テツにぃが木の幹を蹴り、落ちてきた葉っぱを切るんだ。王国で知り合ったアスラさんに教わった修行の一つ、アスラさんはパフォーマンスだと言っていたけど。やってみたら分かる、これめちゃくちゃ難しいんだよ。

普通に振ったら剣の風圧で葉っぱがヒラリと舞ってしまうんだ。僕も一枚が切れるようになるまでかなり練習したよ。


 アルとリザリスさんの方を見ると、アルもだけどリザリスさんの目が凄い。もう興味津々で今にも飛び付いてきそうだ。


 テツにぃも予想していた事だけど、やっぱりこうなるよね。


「アルはこっちに来て。リザリスさんはテツにぃから教えて貰って下さい」


 それから僕たちは、それぞれ二人に指導を行って。何度も何度も木の幹の蹴り飛ばし、たまに寄ってくる魔物を倒していた。時々通り過ぎて行く冒険者の人たちの、不思議なモノを見る目付きにも慣れました。


 ヒュッ


「出来た!」


 先に出来たのはリザリスさんでした。流石にグレイブでは無理があるのでリザリスさんも剣を使っていたけれど。やっぱりレベルがそれなりに高い事と、免許皆伝なだけあるよね。


 アルはもう少し……やっぱり力が強すぎるのが影響しているかな。この落ち葉切りは強さより、より鋭く、葉っぱの動きを読んで剣筋を葉っぱに対して真っ直ぐに保つ事。あとは切れ味が良ければ何とかなったりするけれど、これは内緒。アルの剣は凄く切れ味良さそうだから、もう少しだと思うけどな。


 暫くして、集中力が切れてきたあたりで一度だけ成功したアルだったけれど、それ以降はボロボロになっていたので今日はダンジョンを出て午後からは休みにする事にした。


 アルとリザリスさんは午後からもやりたそうだったけど、やり過ぎも良くないよ? 落ち葉切りはあくまで練習で、本当の意味は別にあるんだからね。


 実は昨日、宿の主人からある話を聞いたんだ。なんでも面白い防具屋がこの街に来ていて店を開いているんだけど。この職人が、相手を気に入らないと全然仕事を受けてくれないんだって。なんだかそんな人を何人か知っている気がするんだけど、面白そうだと思ったし。僕たちの防具もそろそろ職人さんに見て欲しいと思ってたから、午後からはその防具屋さんを探そうと思ったんだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ