覚醒3
ダンジョン入り口に戻ると、少し離れた場所にリザリスさんとアル? が待っているのが見えた。最初、アルはフードを深く被って顔が見えない感じになっていたので、すぐには分からなかったんだ。
「二人とも無事か?」
リザリスさんが心配してくれていたのか、僕らを見つけるとホッとした顔で迎えてくれた。
「僕らは大丈夫です。二人は?」
「私たちも大丈夫だ。それより、今はちょっと目立ちたくない。馬車を呼んであるから早く屋敷まで戻ろう」
僕らは、来た時と同じように二人と一緒に馬車へ乗り。リザリスさんのお屋敷へと戻った。お屋敷に戻った後は、最初と同じく服を着替えされられて、メイドさんに案内されて応接室へと移動した。
応接室にはドルドラさん、ウリスラさん、リザリスさんにアルも揃っていたけど。アルだけ戻った時の格好のままだ。
「二人とも戻ったばかりで済まないが、こちらへ来て座ってくれ。簡単にはリザリスから聞いたのだが、ダンジョンの中で変な格好の男に会って、ダンジョンの深層まで連れて行かれたそうだな?」
僕たちも馬車で戻る途中に、リザリスさん達に別れた後で何があったのか説明しておいた。それをドルドラさんに話したのだろうけど。僕たちの口から、もう一度聴きたいという事なんだろうな。
僕たちは、ダンジョンの中でジョーカーと言う男? から五十層に飛ばされ。以前、別の街の鉱山ダンジョンで遭遇した徘徊者と呼ばれる存在の魔物。デュラハンと戦った話をした。
ジョーカーに貸し一つの部分は誤魔化したけれど、デュラハンを倒して出た魔石を見せるとかなり驚かれた。だって特大魔石だもんね。
ドルドラさんが、特大魔石は買い取らせて欲しいと言うので相場で買い取って貰う事で了解した。
次に、アルとリザリスさんの話になると。僕たちも驚いた、だって六十層だよ! ラージダンジョンの最下層。そしてアルは六十層のボス。アースドラゴンを倒したんだって!
「それから」
パサッ
アルがフードを取り、マントを脱いだ。
「「おおっ!」」
「かっこいい……」
ごめん、だってかっこよかったんだもん。アルの顔には赤い入れ墨が入っていた。顔だけでなく首から下にも、よく見ると手の甲や尻尾まで、服や防具で見えないけど全身にあるみたい。
ドルドラさんが、震えるようにアルへと近寄り。入れ墨をジッと見る。
「ドラコーン王国の伝記にあった、初代ドラコーンの入れ墨か」
「そうだと思われます」
リザリスさんもアルの入れ墨の事知っているんだね。
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「さて、今後どうしますか? ガルバルド第一王子。王都に戻ってその入れ墨を見せれば、あなたはあっという間に王にもなれるでしょう。それこそ誰からの反対も出ないでしょうね」
最初に口を開いたのはおばあちゃんだった。
アルは、黙ったままリザリスさんの方を向いている。
「僕は、この入れ墨の力だけで王になるつもりはない。せっかく力を正しく使えるようになったのだから、もっと国を回って。この国の現状を知ってから、この国に関わりたい」
頷きながら、優しい目でアルを見るおばあちゃん。
「ならば、私たちはその入れ墨の事は知らなかった事にしましょう。王への報告も、世間話しでもしておけば良いでしょう。リザリスも、分かりましたね」
一瞬、厳しい目になるおばあちゃん。余計な事は言わないように、ですね。
難しい話しはおわったのかな? 何だか色々あって忘れちゃってたけれど、このシュットガルド領の問題も終わらせないとね。
「あの、こんな時に言うのもアレなんですが……実は、俺たちがここに来たのには別の用件もあったのですけれど」
テツにぃが話を切り出すと、アルやリザリスさんも思い出したのか、慌てておじいちゃん達に説明してくれた。
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「その様な問題が起こっていたのか……」
おじいちゃんが、後ろに立っている執事のおじさんを見る。
「申し訳ございません、旦那様。税収については数字で把握しておりましたが。農作物の収穫量についてはそこまで問題になっているとは思っておらず」
きっと農民さん達は、貴族に納める分は何としても減らさないように頑張ってたんだろうね。それが無理して連作障害に繋がって、あの畑の状態に。
「分かっておる、地主達も収穫量が減っているとは言い出し難かったのだろうな」
「税務官にも厳しい追及はしないように申し付けておきます」
頑張った農民さん達は悪くないからね。
「それで、このポタタという作物なんですけど。上手く畑を回せば年に二回収穫ができて、お腹にも溜まるし。栄養もあるのでとても良いんです。あっ、食べ方に気を付けないとお腹を壊す毒があるのですが、それも気を付ければ大丈夫ですし。とにかく、今のまま麦を育てて畑が完全に使えなくなる前に、休ませる畑とかポタタを作る畑とか地主の人を仕切れる人を紹介して下さい。お願いします!」
「利権に絡まず。地主にも顔が効き、畑にも詳しくて話のわかる人物か……」
「ふふふふふっ」
何故だかおばあちゃんが、おじいちゃんの顔を見て笑っている。
「ドルドラさん。あなたしかいないじゃないですか、行ってらっしゃいな」
おばあちゃんが指で涙を拭きながら笑顔でそう言ったんだ。
話がひと段落して。実際にポタタを食べて貰おうとメイドさんにポタタをいくつか渡して茹でてきて貰った。おじいちゃんもおばあちゃんもとても美味しいと言って食べてくれたよ。アルとリザリスさんもホフホフしながら何個も食べていた。
翌日、僕らの目の前には。麦わら帽子を被り、着慣れた感じの農作業の服を着て、鍬を手に持ったおじいちゃんが立っていた。
「この格好も久しぶりだの」
「ふふふっ、似合っていますよドルドラさん」
おじいちゃんとおばあちゃんがラブラブだ! リザリスさんも顔を赤らめながら見ている。
と言う事でやってきたのは、おじいちゃんの古くからの知人という地主さんの家。
ここで、途中で見た畑の話しを聞いてもらい。ポタタの説明をして、やってもらえるか相談だ!




