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AT『アベルとテツの』冒険譚 if 異世界転生したおっさんが普通に生きる  作者: カジキカジキ


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隣国へ2

 おしり痛い……。


 ゴトゴトと使節団の馬車が進みます。王都から船が出る港町までは馬車で三日の距離なんだけど、やっぱり長く乗っているとおしりが痛くなるよね?


 テツにぃと交代で馬車の後方に立って警戒とかするんだけど、護衛の騎士の人が睨んでくるのが怖いんだよね。僕らだってデオニスさんの護衛なんだけどな……。


 御者をしているチュータも、交代の騎士の人とすれ違う度に睨まれてるし。


 ちなみに、僕らの後方には他の商人の馬車が何台もついてきている。使節団の列には騎士の護衛もたくさんいるので襲ってくるような賊が出るハズもなく、ついでに守って貰うつもりなんだろうね。夜の食事時には少し近づいて食料を売ったりしてちゃっかり商売していた。


 前方からは、街道を外れた空き地に止まっている馬車をよく見たけれど、自分たちは危険ではないと表すために離れて止まっているんだってさ。

 

「ねぇ、デオニスさん。馬車で旅している間っていつもこんな感じなの?」


 僕は気になって聞いてみたんだけど。ここまで過敏なのはあまり無いけれど、歩きの冒険者とすれ違う時は用心するし、馬車同士がすれ違う時も注意はしているそうだ。

 

 そんな馬車での移動も今日まで! このまま移動すれば夕刻前には船が出る港町に着く予定だって。船は見たこと無かったな〜、楽しみ。


 ・

 ・

 ・


「「おー」」


 港町に着きました。皆が大きな船だと言っているけれど、そうでもないと思ってしまうのは何故だろう。


 リーダーのモルドール卿や使節団の方達はすぐに重要な会議があるからと言って宿屋に入って行きました、要はお食事なんだってさ。


 遅れや不足品の確認、荷物の積み替えや馬車を船に乗せたり、まだまだやる事はたくさんあって、そう言う事はコリンドさんや連絡係さん同士で確認し合っているんだって。


 僕らはデオニスさんの馬車の近くで待機中、船に乗せる順番待ちです。


「こちらは、この船の船長でゴーンさん」


「「こんにちは!」」


 連絡係のサブさんが、僕とテツにぃが乗る船の船長さんを紹介してくれた。これからお世話になるのだから、しっかり挨拶しておかないとね。


 ゴーンさんは、立派な口髭を蓄えた体格の良い人魚族のマーマンで少し皮膚に鱗が見える。女性のマーメイドは下半身が魚だけど、マーマンは手足があって陸上でも問題なく活動出来るんだって。それに魚の尾もあって海での活動も得意だから、この辺の船の船員は殆どがマーマンだと言っていた。


「ゴーンさんの船に乗せるのは、この商人の馬車と馬、それからあちらの荷物になります」


 サブさんが船長さんと打ち合わせをしている間に、船員さん達がやってきてテキパキと荷物の積み込みを始める。凄いねえ、あんなにたくさんあったのにキレイに船倉に収まったよ。


 今夜は船で寝ても宿屋で寝ても良いんだって! 僕らはもちろん船! お客さん用の船室も用意されていたけれど、船員さんが甲板にハンモックを準備していて面白そうだからそこで寝る事にしたよ。


 僕らとデオニスさん、チュータの四人で港のお店でお魚の料理を堪能してお腹一杯になった後は、船に戻って寝ます。デオニスさんとチュータは船室で、僕らは甲板のハンモックで寝ます。


「テツにぃ、気持ちいいねぇ」


「そうだな、この揺れと風が丁度良いな」


「ドラコーン王国ってどんな国だろうね?」


 僕たちはドラコーン王国に渡った後、使節団の人たちと一緒に王都へと向かいポタタと大豆を納め、栽培方法を書いた紙を渡したらお終いの予定。ゴドスさんが僕らに国を回れる許可証を出してくれると言うので、せっかくだからドラコーン王国のダンジョンを回ってみようと思っているんだ。


「……」


「あれ? テツにぃ?」


「クーー」


 わーっ、テツにぃ寝ちゃった! テツにぃがこんなに早く寝ちゃうなんて珍しい。ハンモックの揺れがよっぽど気持ち良かったんだろうね。しっぽも気持ち良さそうに揺れてます。


 翌朝、使節団の人たちも遅れる事なく船に乗り込んで出発になりました。船の旅は四日間の予定、三日目に島で一泊して翌日にはドラコーン王国に到着だ。


 この辺の海は荒れる事も少なくて、隣国との交流も盛んに行われているみたい。ドラコーン王国とは最近交流が始まって、今回はコチラが訪問する番なんだって。


 海流? と風の問題で、船は全て右回りで進む。ヴァルスガルド王国の港を出た船は、まっすぐドラコーン王国に向かうのではなく、右回りでぐるりと半円を描くような航路で進むんだって。帰りも右回りだから、前から船が来る事は基本的にはない。ハズなんだけど……。


 急に甲板上が慌ただしくなる。


 船員さん達が隣の船と大声で連絡を取っている。


「前方に船影! 数は二!」


 来ないはずの前方から船が来たようだね。


 ・

 ・

 ・


 何事も無かったように船は進んでいます。


 え? さっきのは何って?


 どうやらドラコーン王国の船が先導する為に先で待っていてくれたみたいで、話しを知らされていなかったゴーンさんの船は大騒ぎになっていた。ゴーンさんもさっきまで文句を言ってたけれど、お酒の差し入れを貰って今はウキウキしてる。


 後から聞いたけど、この辺りには海の盗賊ってのはいないんだって。まず船を持つ事が難しい。メンテする為には港が必要で、この辺りの海岸は港に適した場所は既に手が入っているからコッソリ港を作るなんて無理だって。

 

 ドラコーン王国の船の先導もあって、使節団の船団は順調に進んでいます。


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