新しい武器
僕たちは、息を呑んでその輝きを見つめていた。
そのまま、ずっと眺めていたい程に輝くそれは。ガングルさんが打ってくれた僕たちの新しい武器。
僕の武器は、片刃の剣になり。
テツにぃの槍は、穂先の長さが七十セルチもある長いものでガングルさんは長巻と言っていた。
「暫くは、使い方に慣れるためにワシも一緒にダンジョンへ行くぞ」
「私も一緒に行く」
そう言うのはアスラさん。アスラさんの武器も先日の剣闘大会でダメになったので、新しいのをガングルさんに依頼中なんだ。この頃は毎日ガングルさんの所にやってきている。
「やっとラージダンジョンに入れるんだね」
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ここは、ラージダンジョン……前のギルドの訓練場。
「獲物のどこを切るのかイメージしろ、切る場所に力が最大に入るように、刃筋は真っ直ぐ!」
「肘から先に刃が生えていると思え、体全体の動きに合わせて手首を使って円を描くように、腰より下まで振り抜かず溜めを作るのだ」
「右手と左手は同じ軌道を通ってはいない! 最後は腰に寄せるて止めるのだ」
僕の剣を指導してくれるのはアスラさん。アスラさんは剣についてはとても詳しくて、この片刃の剣。刀と言っていたけれど、ずっと訓練場で刀の振り方を練習しています。
テツにぃとミドさんは、ガングルさんと一緒にラージダンジョンへ、三十層の先に行く時は絶対一緒だと約束させて二手に別れたんだ。
それにしても……ギルドの訓練場だからか人がたくさんいるんだよね。皆んな僕たちのこと見てるよ?
「何だあのガキは?」「アスラさんの直接指導だと!?」「羨ましい……」
色んな声が飛び交ってる。
デオニスさんがゴウタウンに行って、ポタタを持って戻ってくるまでの約一月半、訓練の日々が続く予定です。
「疲れたー」
テツにぃもダンジョンの中でかなり鍛えられたのか、部屋に戻るとベットに倒れ込んだ。
「テツにぃ、新しい武器の具合はどう?」
「槍とは少し違うから慣れるまではアレだったけど、いい感じだな。何より力が込められるのと槍よりブッた斬る感じがいい。ガングルさんは三十層より下の魔物になるともっと力が必要になると言って、そんな感じの鍛え方がされてる気がする」
「へー」
そう言いながら僕は鞄からある物を取り出す。
「テツにぃ疲れただろうから、今日は僕がしてあげるね」
ムフー! 久しぶりにテツにぃのしっぽ堪能〜。
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「ハッ!」
ピュッ!
スパッ!
凄いね、二十層ボスのオーガがスパッと両断されちゃった。て、感心してるけどやったの僕なんだよね?
この刀? ってやつ、使い方は難しいけれど上手く振れれば凄く切れる。その分手入れも必要だけど、何だか僕にピッタリな気がするよ。
僕はアスラさんと二人でラージダンジョンに入り、今二十層のボスを倒した所。このまま僕の力だけで三十層まで下りて行くのが最終テストみたい。
三十層までに出てくる魔物はハイウルフ、ホフゴブリンx複数、オーガ、二十九層ではハイオーガも、そして三十層ボスのトロル。
えーっ、やっぱり一人だと厳しそうだなぁ。
ホフゴブリンを複数相手していて気がついた。無駄な力が抜けているのか、考える余裕が無くなっているのかな。少し分かってきた気がする。スパッと切れた時は正しく振れた時。皮が残ったり途中で止まった時は振るイメージが足りない?
時々、アスラさんにもお願いして刀を振って貰うんだけど、まだ全然違うんだよね。
また訓練場に戻ったらアスラさんに刀を振って貰おう、アスラさんの動きや振りを覚えて、それをイメージしながら練習するんだ。
残念ながら三十層のボスは不在だった。他の冒険者の人も多いから仕方ないけど、残念だったのかホッとしたのか。と言う事で、僕とアスラさんは訓練場で向かい合っている。振りを見せて貰おうと思ったら木剣を渡されて構えろと言われた。
「しっかり見ていろ」
アスラさんが木剣を正眼に構える。
その瞬間、訓練場の空気が凍った……。
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「ハアッ! ハアッ! ハアッ! ハアッ!」
「少々キツイ訓練になったか?」
「いえ……とても勉強になりました。ありがとうございます!」
僕は立つことも出来ずに、訓練場の地面にへたり込んだまま答えるのに精一杯だった。
今日のアスラさんの動き、絶対自分のモノにしてやる!
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ガングルさんの武器はハルバードだった。
体長に合わせて柄は短めだが、斧部は大きく分厚い。あれを振り回せるのだから力はかなりあるのだろう、リーンが力が弱いと言っていたのも今なら分かる気がする。
王都のラージダンジョン二十層に移動ポータルで下りてすぐに二十一層へ、久しぶりだと言うガングルさんのウォーミングアップは凄かった。
まるで竜巻でも起こっているのかと思う程に振り回されるハルバードに、魔物は近寄ることもできず黒いモヤに変わってゆくのを見せられて。
「……」「……」
オレも、ミドさんも声が出ない。
「さて、お前たちもやってみろ!」
「「いやいやいやいや、そんなこと無理ですよ!」」
思わずミドさんとハモってしまった。
「誰がワシの真似しろと言った、自分たちのやり方で魔物を片付けろと言ってるんだ!」
いや、オレのは初めての武器なんですけど?




