剣闘大会3
「で、これはどう言う状況なの?」
今、僕たちの目の前ではアスラさんとゴドスさん、ガングルさんが揃って宴会が始まっていました。
「おう! 帰ってきたか!」
何故かテーブルにはフライドポタタにポタタチップス、茹でたポタタが皿に山盛りで置かれているけれど、誰が作ったのかな?
「て言うか! アスラさんもゴドスさんも、あんなに殴り合っててお酒飲んで大丈夫なんですか?!」
結構顔とか、腫れて青あざになってたと思ったけれど……あっ、白魔石使ったからもう平気なんですね。
アスラさんとガングルさんはポタタチップスをパリパリと、ゴドスさんは茹でたポタタをガフガフと食べていて、エールもとんでもない勢いで無くなっている。
ゴドスさん、手元のポタタをジッと見て。
「このポタタと言う作物は良いな、旨いのもそうだが何より腹に溜まる。我らの土地は寒さもあるが、土地が痩せており作物があまり育たぬ、子供たちにもひもじい思いをさせていてな。このポタタを腹いっぱい食べさせてやりたいものだな」
ゴドスさん、何だか最初のイメージと全然違うのだけど……?
「ポタタは痩せた土地でも育つと聞いていますから、ゴドスさんの国でも育てられると思いますよ?」
そうそう、ゴウさんもそんな事言ってたよね。
「誠か!?」
すごい勢いで迫ってきた、本当に困っているのかな?
「オレの父さんが詳しいので、育て方とか聞いてポタタも送って貰いましょうか?」
「デオニスさんに、手紙とポタタをまたお願いしよう」
デオニスさんには悪いけど、またゴウタウンまでお使いお願いしないとね。
「それでは私は……」
アスラさんは、王様に掛け合って王国内の移動の特別手形と、ポタタの資金を出して貰えるように頼んでくれる事になった。
アスラさんがポタタチップスを食べる手を止めて、真面目な顔をしてゴドスさんの目を見る。
「これは。我が国ヴァルスガルド王国と、隣国ドラコーン王国との親睦の印として贈るものであるからな、当たり前の事だ」
「アスラ殿、試合では本気を出して貰う為とはいえ、貴殿に酷い事を言ってしまった。この通りお詫び申し上げる」
ゴドスさんがアスラさんに深々と頭を下げる。
「なに、私も買い言葉といえ些か大人気ない対応でした、申し訳ない」
アスラさんも頭を下げる。
その後は、またポタタで盛り上がって皆んな楽しそうにお酒を飲んでいた。職人の皆も集まってきてアスラさんの武勇伝やゴドスさんから隣国の話を聞くのも新鮮でとても楽しかったよ。
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次の日、朝一でデオニスさんの宿に使いをやってガングルさんのお店に来て貰い、昨日の説明をすると。
「何と! 王家発行の免税手形に資金まで!? 信じられない!」
お店に来たデオニスさんは、話を聞いて驚いてばかりだった。
「そんなに驚く事なの?」
驚き過ぎて声が出ないデオニスさんの代わりにガングルさんが教えてくれた。
王家発行の免税手形は、領によって掛かる通行税を全て免除してくれる物。さらには王家御用達の免状にもなるので、この商人に手を出したら王家が出てくるぞ、と脅しにもなる。いい事でもあるけれど悪用なんてしたらあっという間に縛り首なんだって。
「本当に二人に出会えた事が私の人生で最高の幸運だ! それを思えばあの鼠人族にも感謝でしかない!」
「そうだ、デオニスさん。もしチュータに会ったら、商会で雇ってあげたら?」
デオニスさんは思ってもみなかった事なのか、一瞬何のことかと考えて。
「そうだ! そうですよ! チュータを雇いましょう! 二人に出会わせてくれた幸せの鼠人族、チュータ!」
それから、僕たちはゴウさん宛に手紙を書いた。ゴドスさんの国、ドラコーン王国の状況とポタタの他に寒い地域で育てられる作物の事を教えてほしい事。ポタタや育てられる作物の種を売ってほしい事。育て方を教えてほしい事を書いて。それから僕たちは元気で旅を続けている事を手紙に書いてデオニスさんに渡したんだ。
テツにぃは他にも数枚の手紙を渡していたよ。ユユさんやリリちゃん宛の分かな?
そして、デオニスさんはルルちゃんを連れてゴウタウンへと戻って行ったんだけど……何故かリーンちゃんもデオニスさんに付いて行っちゃった! いつの間にかリーンちゃんとルルちゃんが仲良くなっていたの?!
リーンちゃんが「ドルガさんを紹介して貰えると言うので行ってきます」と言った時はビックリしちゃった。ガングルさんの所はいいの? と聞いたら私の師匠はドルガさんです! と言われちゃったよ。
ガングルさんも「嬢ちゃんの好きにしな」と言って送り出していた。
僕たちは、また二人旅に戻るんだね。
ゴドスさんは先に国へ戻りこの事を国に伝えると。デオニスさんの商会にはドラコーン王国の通行と、商品の売買が出来る許可証を発行して貰える事などが伝えられた。
そして僕たちは、ガングルさんが作ってくれている武器の完成を待っていた。
今日で、公開始めてから一ヶ月になります。
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