王都のダンジョン2
「うはぉう!」
煩い。
今日からミドさんも本格的に参加となったんだけど、ミドさんは何と言うか、動きが派手と言うか雑と言うか……。
「ミドさんのそれ、何て言うんですか?」
「これかい? これはモーニング・スターさ」
それは、持ち手の棒の先に鎖がついて、その先には鋭いトゲのついた金属の玉がついていて、棒を振り回して金属の玉で魔物を倒す打撃武器でした。リーンちゃんの戦鎚とは違うけど、僕たち変なパーティに見られてないかな?
十層の移動ポータルから出て、階段を下りた先の十一層の草原エリア。これも以前見たミドルダンジョンと同じ光景だった。
動きの速い魔物に打撃武器を当てるのは難しそうだと思ったけれど。ミドさんは器用にモーニング・スターを使ってアードウルフを倒していた。
「うひょう!」
ドカッ!
「えい!」
ドン!
ミドさんの武器使いは、リーンちゃんにも良い刺激になっているのかな?
僕たちはドンドン階層を進んだ。と言うか、さすがに王都のダンジョン。人も多くて魔物の取り合いになっているからドンドン進むしかないんだよね。
「フォレストウルフの群だ、気をつけて」
十八層に下りて、目の前には六匹のフォレストウルフ。僕とテツにぃが左右から挟んでリーンちゃんとミドさんに倒してもらう。
「ハッ!」
ザクッ
「うりょ!」
ズッ!
「えい!」
ドンッ! ドンッ!
「ウヒャゥ!」
ガン! ドカッ!
「「いえーい!」」
リーンちゃんとミドさんがハイタッチで喜んでます。
フォレストウルフを倒して先に進んだんだけど。流石に人が多くて、十九層から下に降りる階段前は二十層ボスの復活待ちになっていました。
僕たちはその人達の邪魔にならないように、ボス目的ではない事をアピールしながら二十層へ下りて、移動ポータルで帰って来たよ。
「お帰りなさい」
ギルドに入ると受付のネネさんが笑顔で迎えてくれて。
「すみません皆さん、少しよろしいですか?」
と、呼び止められた。何だろう? 赤と青魔石はガングルさんが鍛冶場の必需品という事で買い取ってくれているし、黄魔石くらいしかギルドで売る魔石は無いのだけれど。白や緑はほぼ出ないしね。
「あ、魔石の買取りの話ではないのです、魔石はガングルさんの所でも必要とされているのは理解しておりますので。間も無く王家主催の剣闘大会が開かれますが、皆さまが参加されるのかお尋ねしたくて」
「剣闘大会?」
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「と、いう事で参加する事になりました」
ワシは。晩めし前に水代わりのエールを飲みながら帰ってきたミドからの報告を聞いていたが、ミドの言葉をすぐに理解する事が出来なかった。
「何をしに来たんだアイツらは?」
「何をするんでしょうね?」
王都で剣闘大会と言えば、王家が主催で三年に一度行われる大会の事で、国中から腕自慢が集まる大きな大会だ。王国騎士団のトップや貴族お抱えの剣士も参加する大掛かりなもので、期間は二週間にも渡る、その間は出店が出たり街中もお祭り騒ぎになるものだ。
「そう言えばそろそろだったな?」
「あと一月ほどでしたね」
「で? アイツらはどうした?」
三人はミドと一緒に帰って来なかったのだ。
「準備する事があるからと、またギルドに向かいました」
「ダンジョンには入るんだろ?」
「それが……毎日は辞めようという事になって、準備する必要もあるから、三日に一度ダンジョンに入ることになりました。それと、リーンちゃんがウチの仕事を手伝わせて欲しいと言っていますが、どうしますか?」
休むのは良いとして。リーンか……アイツは冒険者でなく鍛冶師だ、コッチの仕事の方が興味ありそうだったからな。
「リーンは、お前に付ける。好きに手伝わせろ」
「おっしゃ、やった! 後輩ができた」
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ミドさんと別れた後、僕らは街を歩いていた。
「デオニスさんに聞いていたのに、すっかり忘れちゃってたね」
「そうだな」
王都で剣闘大会が開かれるという話しは、護衛依頼を受けた時にデオニスさんから聞いていたんだ。王都に着くまで色んな事があったからすっかり忘れていた僕たちはギルドへ行って参加の申し込みを済ませ、街で必要な買い物をしていた。
「あとは、アレが届くのを待つだけだね」
「王都の人たちにも受けるといいな」
「絶対大丈夫だよ!」
そうして僕たちは、三日に一度ダンジョンに入りながら、剣闘大会の準備を進めた。




