ミドルダンジョン3
僕たちはギルドへ依頼を出す事にした。
「極北の星へ依頼……ですか?」
依頼内容は。一人金貨百枚、期間は一ヶ月、依頼期間中の魔石や素材は全て渡す、二十層を超えて三十層の目処がつくまで。ダメだと感じたら辞めていい、その際も返金は求めない。
ギルド職員さんは最初、依頼金額を見て驚いていたけれど、内容を読むと納得したような表情をしていた。
「これでしたら。極北の星の皆さんも受けて頂けるとは思いますけれど、とにかく声を掛けてみますので二人とも顔合わせしてから相談して下さい」
それから数日後、顔合わせの都合がついたと連絡を受け、指定された日に領都内の冒険者ギルドを訪れた。
ギルド職員さんに案内され、会議室に通される。
「「失礼します」」
中に入り席に案内されると、既に到着していた極北の星の皆さんとギルドマスター、案内してくれた職員さんが席について面談が始まった。
「やっぱりお前らだったか」
予想していたのか、ドルガさんはそう言って僕たちの顔を見る。
極北の星のメンバー。ドルガさん、ウルススさん、タイタさん、ヤオフーさん。この領都でもトップクラスの冒険者に個人指導の依頼を出すのだ、簡単には引き受けて貰えないだろうとの気持ちでいたんだけど……。
「お前らの依頼……受けてやる。」
「「!!」」
「ただし! 依頼金はまけてやれねえが、同行中に手に入れた魔石や素材は頭割りだ。それからパーティは組まねえ、それで良ければ受けてやる」
「魔石や素材も僕らは要りません」
「バカヤロウ! 冒険者にとって分け前をキチンと分けるのは絶対だ! アイツらは貰わなかったと言われて他の若い奴らが貧乏クジ引かされるようになるんだぞ」
「いいか、その業界のトップが若い者を指導するのは当然だ。お前たちみたいな有望な新人が悩んでいるのに手伝わない理由はない」
「正当な報酬も示されているんだ、俺たちはお前たちの依頼を受ける」
漢だ……僕らの目の前に漢がいた。
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そして今。僕たちは極北の星のメンバーに自分たちの力をみせるため、十層のボス部屋の前にいる。
「俺たちは手を出さねえから、お前らだけでいつもの力を見せてみろ」
僕らはしっかりと準備をして、ボス部屋の扉に手を掛ける。
「「行きます!!」」
ボス部屋には、ホフゴブリンと取り巻きのゴブリンが三匹! 丁度良い、前回のリベンジだ。
「アベル! いつもの通りだ」
テツにぃが声をかけて気合いを入れてくれる。
今度は失敗しないように、先ずは左右のゴブリンに対して先制出来るように速攻!
「ハアッ!」
「うりょ!」
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「ほう」
「へぇ〜」
ギルドから、極北の星に指導の依頼が入っていると聞いて会ってみれば、こないだ十一層で会った坊主たちだった。指導依頼は俺個人にはたまにあるが、パーティでの依頼となれば別だ、報酬も別格になるし全員の総意も必要だが、今回だけは俺の独断で受ける事にしていた。
「アンタが受けるのは何時もの事だけど、まあ報酬もまともだし私は別に構わないけど?」
「俺たちも、今は特別な目的もないし良いんじゃないか?」
全員に話し了解も得ていたが、どうしようもない相手なら断るという事で会ったわけだ。
取り巻きのゴブリンに対する勢いは良い、十層に辿り着ける力はあるのだ、此処でゴブリンに手間取っていたらホフゴブリンの相手なんて無理な話だ。
二人はサクッと二匹のゴブリンを倒したあと、ホフゴブリンを警戒しながら残り一匹を倒す。
「上手いな」
「警戒も忘れていない」
体制を整えて、ホフゴブリンに対峙する二人。
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「ガッハッハッハッハ!」
ここは領都の中にある食事場で、さらに個室になっている部屋。さっきからドルガさんの笑い声が個室の中に響いている。お店の人は慣れているのか涼しい顔で立っているけど……。
「お前たち中々やるなあ! 連携も取れている、思い切りもいい。あとは体力とパワーだな、な!」
バンバン!
そう言って隣のウルススさんの肩を叩く。
さっきまで僕とテツにぃはドルガさんの両隣に座っていたんだけど。ドルガさんが肩をバンバン叩くので僕たちが壊れてしまうとタイタさんとウルススさんが席を代わってくれた。タイタさんはドルガさんの奥さんでドルガさんと同じトラのお姉さん。ウルススさんはクマさん、ヤオフーさんは狐人族さん。
ドルガさんとウルススさんは最近領都に出だしたウイスキーってお酒を飲んでいる、あれってまだ高いんだよね?
「あとは、アレだな……まあ分かっているなら良しとしとくか」
チラッと僕たちの武器に目がいったと思う。
さっき、ヤオフーさんも僕たちの武器について聞いてきたけどさすがに誤魔化した。ヤオフーさんも深くは聞かないでくれたけど、何か気が付いてるって事だよね。
「明日からはビシビシ行くからな、覚悟しとけよ!」
そう言ってドルガさんはタイタさんに連れられて帰って行ったけど……明日、大丈夫かな?




