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AT『アベルとテツの』冒険譚 if 異世界転生したおっさんが普通に生きる  作者: カジキカジキ


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ミドルダンジョン

「さあミドルダンジョンだ!」


 昨日、ギルド職員さんから聞いてたけれど、ミドルダンジョンを囲う壁はとても大きかった。壁の上にも人がチラホラ見える、あそこって登れないのかな?


 ボーッと壁の上に見える人を眺めていたら、テツにぃに手を引かれた。

 

「ほらアベル行くぞ」


 ミドルダンジョン前ギルドに入って手続きを済ませる。ここでも十層までの地図を貰って、今日中に十層を目指す予定。このダンジョンの最下層は三十層、何日掛かるか分からないけど最下層まで行きたいな。


 ミドルダンジョンの上層は昨日のスモールダンジョンと違って人が少なかった。ミドルダンジョンに入ってわざわざ上層の魔物を狩る人なんていないって事? けど、スモールダンジョンのあの人の多さだったら、ここで魔物を狩った方が稼げそうな気がするけど……。


 ちょっと面倒に思いながら単体で出てくるマウスやラビット、アントを倒して進む。いまさら粒魔石を拾ってもなあ……けどちゃんと拾って行きますよ。


 五層、六層と進むけど、ずっとこんな感じだ。えっ?! もしかして十層までこうなの?


 と思ったけど、七層からは人が増えてきた。やっぱり稼げる層とかあるんだろうな。今度は増えてきた人を避けながら十層を目指す。時々、小部屋で戦っている他の冒険者の戦闘を見学する。あまり見過ぎると嫌がられるけれど、これもすごく勉強になる。


 ・

 ・

 ・


「ハッ!」


 ザシュ!


「うりょ」


 ドスッ!


 いつもの連携で小部屋のゴブリンを倒し、ドロップした魔石を拾いながら歩いてくるテツにぃ。


「ふーっ、ほい」


 魔石を受取る。


「ありがとう、ちょっと休憩する?」


 上で拾った粒魔石の青を指でつまんで振る。


「そうだな、ちょっと休憩にするか」


 そう言って座り込むテツにぃ、僕もテツにぃの横に座って粒魔石を渡す。


 小部屋の中は、魔物を倒した後も中に人がいると次の魔物は湧かないと言われている。なので休憩するなら小部屋で魔物を倒した後、と最初に貰った説明の資料にも書いてあった。


「ボチボチ十層まで行ってみるか」


 だいぶ時間も経ち、魔石も程よく集まっていたので、僕たちは十層に進んで帰る事にした。


「あれ? ボス部屋が閉まってる?」


 十層に降りると、そこには他の冒険者の姿がなく、さらにボス部屋の扉が閉じていた。ボス部屋の扉は、ボスが討伐され中が空の場合は扉が開いており、扉が閉まっているという事は。ボスが居るか、誰かが戦っていると言う事だ。


 僕たちはボス部屋の前へと移動する。


 特に戦っている音は聞こえない……。


「コレって……」


「もしかしたら、ついてるぞ!」


 僕たちは慌てて準備をすると、ボス部屋の扉を開けた。


「「いた」」


 ボス部屋の中には、ボスのホフゴブリンと取り巻きのゴブリンが三匹。

 

「取り巻きの三匹が邪魔だな」


 幸いなのは、ボスのホフゴブリンは取り巻きが倒されないと基本的には動かないと言うこと。あまりボスに近寄り過ぎたり、先にボスに攻撃すると戦いに参加されて面倒な事になる。


「いつものように左右から」


 僕らは顔を見合わせて頷くと、部屋の中央へと踏み出した。


「やっ、ハッ!」


 僕は一撃目の攻撃に失敗して、ゴブリンを倒し損ねていた、テツにぃは既に一匹目を倒して二匹目を牽制している。


 やっとゴブリンが黒いモヤに変わり始めた頃。やっぱりテツにぃは上手いなあ、そんな事を考えていたのが悪かったのか、何か固いものにぶつかった。


「!!」


 ホフゴブリン! しまった近寄り過ぎた!


 ホフゴブリンは獲物を見定めた目で僕を見ると、その丸太のような腕を振り回した。


 ドガッ!


 殴られた僕は跳ね飛ばされ、ダンジョンの床に転がった。


 ◀▶︎ ◀︎▶︎ ◀︎▶︎ ◀︎▶


「アベル!」

 

 クソっ! アベルがやられた! 殴られたように見えたから失神したか、脳震盪で倒れているだけだといいが……。


 とにかくこのゴブリンを直ぐに倒してアベルを助けないと!


「うりょ!」


 ザッ!


 クッ! 焦っているのか、手元が狂ってうまく槍が刺せない! ホフゴブリンはアベルよりもコッチに興味があるようで、少しずつ近づいて来ている。


「ヴォーー!」


 ドガッ


 ホフゴブリンの拳がダンジョンの床を殴る。


 俺はホフゴブリンをギリギリまで引き寄せながら攻撃をかわし、アベルから離れるように移動。


「うりゃああ!」


 ドゲッ!

 

 オタオタしていたゴブリンを蹴飛ばしてホフゴブリンの前に転がす。


「ゥオ!」


 うまいことゴブリンに躓き、二匹とも転がってくれた!


「くたばれ!」


 ズッ! グサッ! ズシュ!


 二匹が黒いモヤになって消えてゆく。


「はぁっ、はぁっ、はぁっ」


 魔石がドロップし宝箱が現れるのをボーッと眺める。


「!!……アベルは?!」


 アベルは倒れた場所から動いていない……。


「アベル!」


 倒れたアベルに声を掛ける。


「う、うぅ……」


 よし、意識はあるな。青魔石から冷たい水を出してタオルを濡らすとアベルの頭に乗せる。


「アベル! 分かるか!」


「うう……。テツにぃ……」


「動くな、そのまま寝てろ。ホフゴブリンに殴られて気を失ったんだ、頭を打ったかもしれないからジッとしてろ」


「テツにぃ、ごめんね」


「謝らないでいいぞアベル、俺たちちょっと急ぎすぎたかもな」

 

 それから暫く待ち、アベルの様子に問題ない事を確認してボス部屋を出た。


 移動ポータルから一層へ戻り、ダンジョン前ギルドで戻った連絡をする。朝に受付してくれた職員さんがアベルの顔色に気がついて心配してくれたのが、少し嬉しかった。



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