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AT『アベルとテツの』冒険譚 if 異世界転生したおっさんが普通に生きる  作者: カジキカジキ


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街道の盗賊

「おうおうおうおう! 命が惜しければその荷物と金を置いていきなチュ」


「……」


「おうおうおう! 聞こえねぇのでチュか!」

 

 街道に突然現れたソレは、全身黒ずくめで口元を布で隠し、小さなサビたナイフを手に僕たちを脅していた?


「ねえねえ、小さい君。そんな盗賊みたいな真似してたら危ないよ?」


 僕は心配してそう声をかけたんだけど……。


「何だと! オイラは天下の大盗賊。チュータ様だチュ! 小さい君なんて名じゃないチュ!」


 テツにぃと顔を見合わせて、どうしようかと悩んでいたら。


「「!!」」


 街道脇の草むらがガサガサッと揺れた!


 テツにぃが大盗賊チュータを摘み上げて叫ぶ!


「アベル!」


 僕は呼ばれた勢いで草むらから飛び出したソレに剣を刺した!


「ピッ!」「チュ!!」


 草むらから飛び出したのはホーンラビット。で、僕の剣はホーンラビットの体を突き刺していたのだけれど……。


 ホーンラビットのツノが、チュータのお尻に刺さってしまっていた。


「チクショー、覚えてろチュ」


 チュータはそのままお尻を押さえて何処かに走り去っていったんだ。


「何だったんだろ?」


「さあな?」


 僕たちはそのまま街道を進んで、今日の目的地まで無事たどり着いた。ギルドに入り、旅の途中で手に入れた魔石や素材を売って水の魔石などを補充する。明日はこの町のスモールダンジョンに入る予定なので、宿に着いたらのんびり旅の疲れを落とす予定だ。


 あっ、またテツにぃにアレして欲しいなあ。


 夜になり、テツにぃにお願いしてしっぽのブラッシングをして貰い。大満足で寝たところまでは良かったんだけど……。

 

 ◀▶︎ ◀︎▶︎ ◀︎▶︎ ◀︎▶

 

「痛えよお……」


 昼間の鼠人族のチュータは、寝ぐらにしている小屋でヒリヒリするお尻をおさえながら布団に入っていたが、お尻が痛すぎてなかなか寝付けないでいた。


 その時、小屋の外が急に騒がしくなったかと思うと、突然入り口の扉が乱暴に開けられ。

 

「見つけたぜえ……」


 チュータの小屋に、一際大きな人影が入って来て……。


 ボグッ!


 ◀▶︎ ◀︎▶︎ ◀︎▶︎ ◀︎▶

 

「あの鼠がねえ……」


「!!⭐︎!だ! 白※▷だぞ!」

 

 翌朝、ギルドへ行く途中で人だかりが出来て騒然としていた。


 凄い剣幕で激怒しているおじさんと、止めようとしている警吏(けいり)さん達。


 何だろう? と、僕も気になって人だかりに入っていき、隣で見ていたおばさんに聞いてみたら。昨晩、商人さんの泊まった宿に泥棒が入り明日の商談に使う大事な魔石が盗まれたらしい。そして……それを盗んだのが黒ずくめの鼠……黒ずくめの鼠?


 それってもしかして昨日の?!


 チュータは商人が泊まっていた宿のすぐ裏で倒れていたのが見つかって、警吏さんに連れて行かれそうになっていた。

 

「オイラは盗んでないチュ! オイラも寝ている時に襲われて、気がついたらアソコで寝ていたんだチュ!」


「ソイツは嘘をついているんだ! お前たち徹底的に調べてくれ! あの魔石がないとワシは大損になるんだぞ!」


「オイラは知らないチュ! オイラを襲ったアイツらを探して欲しいチュ!」


 連れて行かれるチュータ、僕は何となくチュータの言葉が気になっていた。


 途中、ダンジョンで食べるお昼ご飯や保存食を買ってからギルドに入ると、さっきのおじさんがまた凄い剣幕で激怒していた。


「白魔石が無いだと! 明日の昼には必要なんだ、金なら出す! 何とかしてくれ!」


「そんな無茶です! 今から隣の町のギルドに取りに行っても二日は掛かります。それに、この町のダンジョンのボスはまだ復活していないと思われます」


 おじさんのやり取りを横目に、僕たちは空いている受付けに行きダンジョンに入る手続きをする。


 手続きをしていた僕たちに気付いたおじさんが。


「おい! お前たち、ダンジョンに入るのだったら最下層のボスを倒して白魔石を手に入れて来てくれて! 金なら出す! ギルドの買取り価格より多く出すぞ!」


「デオニスさん困ります! 勝手に取引きしないで下さい!」


 僕は足もとに視線を落とし一瞬ためらい……。


「チュータを、あの鼠人族を罪に問わないで貰えますか?」


 おじさんは鼠人族と聞いてさらに怒鳴る。

 

「何だと? お前たちはアイツの仲間か?!」


「仲間ではありませんが、僕にはチュータがやったとは思えないんです」


 おじさんも。外で寝かされていたチュータが、盗んだ白魔石を持っていない事は聞かされていたのだろう。


「もうワシには誰も信用できん! アイツが盗んでいないと言うのならワシを信用させてみろ!」


「だったら、その白魔石……僕が取ってきます!」


「おいアベル!」


「僕が隣町まで走って取りに行きます! 必ず明日の昼までには持って帰りますから!」


 何でこんな事を言っているのか、なんだか僕もよく分からなくなっていたんだ。

 

「本気で言っているのか? そう言って帰って来ないのではないか?」

 

「僕は約束を守ります!」


 僕はテツにぃの方を振り向き。

 

「テツにぃはここに居て、僕の帰りを待ってて!」


「仕方ないな」


 テツにぃは僕のことを少しも疑っていない。

 

「ここで待っているだけだと時間が勿体無い、オレはダンジョンに入ってボスを倒し白魔石を手に入れるよ」

 

「白魔石が出るとは限りませんし、まだボスが復活しているかは分かりませんよ?」


 ギルドの職員さんも不安顔だ。


「テツにぃ、一人で大丈夫?」


「相棒が無茶してるんだから、俺も無茶しないでどうするんだ」


 テツにぃかっこいい!


出典、太宰治「走れメロス」

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