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「ブヒーー!」
僕とペプチドは四つん這いの姿勢で精一杯叫んだ。やはりベリィ様は声が小さいと言って、ペプチドのお尻を鞭で叩いた。
「ぴぎゃあ!」
悲鳴を上げるペプチドを、ベリィ様はきつく睨みつける。
「ブヒー以外喋るんじゃないよこの子豚が! 豚の癖に生意気なんだよ!」
ベリィ様の鞭がさらにペプチドのお尻を叩く。
「ぴぎゃあ!」
「ブヒーだろこの子豚が!」
「ぷぴぃー!」
「惜しい!」
「ぶふぃー!」
「まあいいわ」
そう言ってベリィ様は鞭を下ろした。やはりペプチドは涙を流し、屈辱的な表情を浮かべていた。いい加減慣れろや、と僕は思う。そもそもご褒美を頂いているのだから、そんな恨めしい顔をする必要性はまるでないのだ。
引き続き僕達はブヒーと叫んだ。僕達は豚なのだからブヒーと鳴く。それは当然のことだった。
そろそろだと思い、僕は敢えて声を弱めた。お仕置きが欲しくなったのだ。
「子豚があ! 声が小さいぞ!」
お尻に鞭が炸裂する。堪らない快感。これを僕は待っていたのだ。
「はむぅ〜ん!」
快楽が爆発し、僕は思わず叫んだ。
「だからブヒーだと言ってるだろこの豚!」
「むはぁ〜〜ん!」
「この!」
「はむはむぅ〜〜ん!」
「いい加減に!」
「はんむらびほうてん!」
ベリィ様は心底呆れ果ててしまったのか、鞭を打つのをやめた。と思ったら僕の脇腹を普通に蹴ってきた。
「ゴメス!」
僕はこてんと横に倒れた。仰向けになった僕の胸を、ベリィ様は右足で踏み付ける。
「言うことがきけないのか、この糞豚があ」
すぐ真上から突き刺さるような視線を浴びた。ベリィ様に見下ろされて、僕は興奮する。下からの眺めはなんとも絶景だったのだ。
「ブ、ブヒ〜」
弱々しく僕がそう言うと、ベリィ様は満足したようにほくそ笑んだ。
「ほら、もっと鳴くんだよ、この哀れな子豚が」
ベリィ様の足が僕の胸をぐりぐりとにじった。尖ったヒールの踵の感触が堪らない。
「ブ、ブヒヒ〜〜ン」
「本当に情け無い子豚だよ」
「全くもって、私めは情けの無い糞豚でございます」
「喋ってんじゃねえよ糞野郎!」
強く踏ん付けられて、僕は新たな境地に到達しそうになった。
「ねはぁ〜ん!」
「だからブヒーだと言ってるだろ!」
当然のことだが僕はさらに踏みつけられる。ヒールの踵が僕の胸をいい感じに刺激する。
「ねはははぁ〜〜ん!」
「この野郎!」
「にるゔぁーなっ!」
もうどうにでもなれと思った。