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 僕とサディ様は長いこと抱き合っていた。この時間がサディ様を癒すというのなら、僕はいつまでもこうしていようと思う。


 不意にサディ様が僕から離れた。彼女は何事もなかったかのように、「さぁて、そろそろ晩餐の時間ね」と言った。


「そ、そうですね。行かれるのですか?」


「ええ。いつまでも部屋の中にいる訳にはいかないしね。さあ、青太郎、私を食堂に連れて行きなさい」


 サディ様が部屋から出るようなので、僕はすこぶる嬉しかった。すぐに地面に四つん這いになり、サディ様を背中に迎えた。懐かしい感触と重みを感じながら、久しく行くことのなかった食堂へと僕は歩み出した。




 サディ様が部屋から出たことで、伯爵夫妻は大いに喜んでいるようだった。食堂の扉を挟んでも、彼らがうきうきと賑わっている様子が伝わってきて、なんだか僕も嬉しくなった。


 サディ様を部屋にお送りすると、別れ際にサディ様は僕に言った。

「青太郎、明日からはビシバシと調教してやるから、覚悟しなさい」

 それは願ってもないことだった。僕は威勢よく、「はい!」と返事した。




 サディ様に命令され、僕は四つん這いの姿勢になる。それからぷりんとケツを前に突き出した。そうすると、嵐のような鞭の連撃が、怒涛の勢いで僕のお尻に押し寄せてきた。


「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ——」


 そのサディ様のウィップラッシュには鬼気迫るものがあった。随分休んでいたということや、兄達の惨事に対する怒りが乗っているのだろう。それは一撃一撃が強力であるし、マシンガンのように息つく暇もなく繰り出された。


「ムハハ、ムハムハ、ムハハ〜〜ン、ムハハハ〜〜、ハネムーン、ムハハムハハ——」


 僕は天にも昇る気持ちで、絶えず喘ぎ恍惚とするのだった。

 

 怒涛のお尻叩きが数十分程続いたところで、サディ様の鞭が止まった。僕は床にぐでんと平伏し、ハアハアと息を荒げた。こりゃたまらん、と思う。


 お尻はヒリヒリを通り越してビリビリ、いや、ブリブリしている。奴隷服を脱がしてみたら、僕のピーチはきっと真っ赤に染め上がっていることだろう。まだまだ続けて欲しいとも思うが、お尻のことを思うとこのくらいで充分かもしれない。


 僕がしばらくぐでたまになっていると、不意にサディ様が「さあ、青太郎、尻を上げなさい」と言った。

 やはりインターバルを挟んで続けるパターンか、と僕は思う。それはとても喜ばしいことであった。だけどお尻にとってはとても厳しい戦いになるだろう。頑張ってね、お尻ちゃん。僕は自分の可愛らしいピーチ姫にエールを送る。そうして体を持ち上げると、再びぷりっとケツを突き出した。


「ダブルマシンガン!」


 サディ様は技名を唱えた。僕のお尻には、先ほどよりも激しい連打が降り注いだ。


「ぐわってむ!! ぐわって〜〜む!!」


 思わず僕は絶叫していた。なんなのだこれは!? 僕は理解が追い付かない。さっきの連撃の時点でこれ以上ないくらい凄かったのに、今回はそれの倍くらいの鞭捌きとダメージがあった。


 僕は朦朧としながらも、ちらと首だけを動かし、サディ様の方を見た。彼女は両手に鞭を持ち、まるで意思があるかのように動き回る2本のそれを、自由自在に操っているのである。


 技名からして確かにそうあるべきだと僕は思う。つまりは"私の両鞭は機関銃"と書いて"ダブルマシンガン"と読む、ということなのだ。


 ダブルマシンガンが止み、再びインターバルに入った。やはり僕は屍のように床に転がるしかなかった。


 お尻の感覚がまるでない。ひょっとすると、僕のピーチちゃんは弾け飛んでしまったのではないか。恐る恐る尻に手を伸ばすと、それは確かに存在していた。

 ホッと一安心するが、そのぷりんとしたオケツは激しい熱を帯びていた。さらにそれは調教前より一回り大きくなっているようだった。このまま鞭の嵐を受け続けていれば、さらにお尻は膨れ上がり、ぱちんと弾けて本当に無くなってしまうのではないか。そんなことを思った。




 僕はその後もインターバルを挟んでは、お尻に素晴らしい攻撃を浴び続けていった。回を負う如に、サディ様の鞭はより強く、洗練されていった。やがて僕は血反吐を吐く程喘ぎまくった。


「ぐばばぁあっ! ごふぁふぁああっ! GAFA! GAFA!」


 もう駄目だ。このままでは僕はお尻と共に弾け飛んでしまうことだろう。


「ティロ・フィナーレ」


 そう言ってサディ様がラストに放った一撃はとんでもないものだった。僕は物凄いオナラをした人みたいにふっとんだ。そのまま前のめりに倒れ、お尻をひくひくと痙攣させた。

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