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16

 ぼく達はスゴクの部屋を出て廊下を歩く。ぼくの手にはスゴクの体を刺した時のかんしょくがこびりついていた。


 スゴクを殺してる時、ぼくはいっぱいいっぱいだった。ただひたすらにナイフを振り下ろした。

 しかしながら、にっくき相手を何度も何度も刺すのは、とてもコーフンすることだった。その時ぼくは自然と笑っていたし、おちんちんは大きくなっていた。

 次はトテモの番だ。




 ぼく達はトテモの部屋の前にたどり着いた。スゴクで経験していたので、全てはスムーズに進んでいった。

 するすると部屋に入っていき、ぼく達はベッドの周りを取り囲む。やはりアミド兄が奴の口に服の切れはしをつめこみ、フタをする。両側からアミド兄とソイ兄が体をおさえる。ぼくはトテモに飛び乗って、ナイフを頭上に大きくかかげる。


 全ては同じことで、かんたんだった。ぼくはためらいもなくトテモの体を何度も何度も刺した。それはやはりとてもコーフンすることだった。

 ざまあみろトテモ。彼の顔からムゴォ〜、とかシュゴォ〜とか、たびたび音が鳴るのがおかしかった。けっきょくただの調子のったクソブタじゃないかこいつらは。死ね。死ね。やはりぼくはソイ兄に止められるまでナイフを刺し続けた。




 トテモを殺し終えると、もちろんぼく達はメッチャの部屋を目指した。ソイ兄が言うには、ここがしょうねんばなのだそうだ。


 メッチャは神経質な上に、彼の部屋にはこうそくされた女奴隷が何人もいるという。ぼく達は彼女達にも気をつけなければならなかった。


 もっとも女達はメッチャに物音を立てるなときつく言われている上に、夜間は口に猿ぐつわをつけられているので、さわぎたてるようなことはないだろうとソイ兄は言っていた。

 しかしゆだんはできなかった。これまで以上に、しんちょうに事を進めなければならない。


 ソイ兄がゆっくりと部屋のカギを開ける。カチャリという音はほとんど聞こえなかった。僕達はこれまたゆっくりと部屋の中に入り、扉を閉めてしばらくたいきする。


 部屋の全体がぼんやりと見えてくる。あちこちに人型のシルエットが何体も転がっていた。メッチャの眠るベッドは、やはり部屋の1番奥にあるのだった。


 ぼく達はそうっと、しんちょうに部屋の中を歩き始めた。眠っているのだろうか。床に転がるしばられた女達は、みな死んだように動かない。


 歩みを続けていると、部屋の中ほどで床に転がる人影の頭がぐらりと動いた。


「もが」


 女奴隷の間のぬけた声が聞こえた。まずい、とぼくはすぐに思う。


「もがもがもが」


 しゃべるなバカが。メッチャにしずかにするよう言われてるのだろ、と、ぼくは彼女をなじりたくなる。もっとも彼女は寝起きでなにがなんやら分からないのかもしれない。


 ここはれいせいに。ぼくはすーっと息をすってはいた。それから女に近づくと、小声で「しずかに」と言った。


「助けにきたんだ。そのまましずかに、だまっていて」


 暗闇の中で、女のぼんやりとした顔がうっすらと浮かんだ。彼女はりょうかいしたようで、それからピタリと大人しくなった。

 しかし部屋の奥の方で、なにやらガサゴソと動く音がする。


「うるさいぞ、雌豚が」


 吐きすてるように言った声は、まさしくメッチャのものだった。まずい。とてもまずい。


 ぼうっと、部屋の奥が明るくなった。メッチャがランプに火を灯したのだった。ぼくはすぐさま側にあったソファーに身をかくした。しせいを低くして周りを確認する。部屋にはしばられた裸の女が何人も転がっていた。ソイ兄もアミド兄もぼくと同じように行動したのだろう。彼らの姿は見当たらなかった。


 ランプ片手にメッチャがこちらに近づいてくる。彼はしゃべっていた女の前で立ち止まると、「お前だな」と冷たい声で言った。直後メッチャの右足が、女のわきばらを思いきりけりつけた。


「もがみもがっ!」


 猿ぐつわのスキマから、女の悲鳴が小さくとどろく。続けてメッチャはさらにもう一発のけりを加えた。


「もがみがわっ!」


 女には悪いが、そのままけられててくれと思う。メッチャの気がすみ、ベッドに戻るのをひたすらに待とう。しかしメッチャのこうげきはそこで止まった。


「お前、誰かと喋っていなかったか?」


 ビクリとぼくの体はふるえた。


「もがもがもが」


「うるさい、喋るな雌豚が」


 メッチャはそう言うと、周りをきょろきょろと見まわした。ぼくはすぐさま首をひっこめる。


「ん?」


 やばい。見られたか? コツコツとメッチャの足音がひびく。それは明らかにこちらに近づいてきていた。

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