平凡と幼馴染……はヤクザの娘！？～あいつ俺のこと好きなんじゃね。いや、やっぱり関わりたくない。でも向こうは俺に迫ってくる。～

　俺、高見秋斗は、美人で清楚でおしとやかな春乃比奈と幼馴染である。
　幼い頃は仲がよく一緒に遊ぶことは当たり前。小学校に入って春乃は世間知らずの所があり、友達もロクに作れずにいた。だからか、その頃から俺に積極的にアピールしてくることが多く、思春期だった俺は、それをあしらっていた。

　そして六年生になって俺は春乃の家に遊びに行くことになった。そこで見たのは、春乃比奈がヤクザの娘だということ。

　これがきっかけで俺と比奈はだんだんと疎遠になっていく。そして中学は比奈が地元を一旦離れた為、別々になってしまった。だがしかし、高校二年の春に俺の通ってる高校に転校してきた春乃比奈。俺の元に一つの紙切れを突き出してこう言った。

「私と結婚、するんでしょ？」

　持ってきた紙は婚約届。
　そう言ってにこりと微笑む彼女の表情は当時のことを思い出させる。

「……お、おれ彼女いるから」

　そんな一つの嘘が、全ての物語の始まりだった。