90.凄い『種族固有スキル』と凄い騎乗生物
『河童族』の人たちは、なかなか強いみたいだし、特に『河童武士』を名乗ることを許されている人たちは、かなり強いみたいだ。
実際の手合わせは、また今度と思っているが、やはりどのぐらい強いのかは気になってしまう。
少しだけ尋ねてみた。
それによると……族長のレベルは58だった。
超一流冒険者レベルだ。
そして勇者パーティーレベルでもある。
勇者候補パーティーだったときの目標レベルが50で、正式な勇者パーティーになったら、レベル60を目指すと言われていたのだ。
サクラさんは、レベル50だそうだ。
俺たちの誰よりも高い。
確実に即戦力だ。
俺たちの戦力アップになる事は間違いない。
つい気になって、年齢を尋ねてしまったが、「す、すみません。秘密です」と言われてしまった。
尋ねたのは、ちょっと失礼だったかもしれない。
クラウディアさんが、「だいぶお姉さんなのかしら?」と尋ねていたが、「気にしないで普通に友として接して下さい」とサクラさんは答えていた。
博識なクラウディアさんが教えてくれたのだが、『河童族』を含む『魔人族』は、『妖精族』と同じような歳の取り方をするのだそうだ。
十五歳までは人間と同様に歳をとり、そこからは十年で一歳分くらい外見が歳を取るらしい。
仮に見た目が二十五歳くらいだとすれば、実際の年齢は百十五歳ということになるわけだ。
そんな性質があるためか、『妖精族』や『魔人族』は、ステータスを確認したときの『年齢』表示が空白になっている場合が多いらしい。
本人が年齢を公開しようと強く思っている場合などは、人族と同じように『年齢』欄に表示されるらしいが、通常は非表示状態のようだ。
女性には嬉しい機能なのかもしれない。
まぁそんなことを考慮して、そういう状態になっているのかは、わからないけど。
ということなので、サクラさんは、実はかなり年齢を重ねている可能性がある。
普通に見たら、若いがかなり色っぽい。
二十五歳ぐらいに見える。
まぁその色っぽさが『河童族』の特徴だとして差し引いたとしても、二十歳くらいには見える。
そうだとすれば、実際は六十五歳とかなのかもしれない。
まさか十五歳はないと思う……。
ただ十五歳でも稀に色っぽい人がいるわけだから……可能性は残るが。
本人が秘密と言うのだから、正解はわからない。
そしてこれ以上追求するのは、たとえ俺の心の中でだとしても失礼だろう。自重しよう。
サクラさんは、『通常スキル』を色々持っている。
『格闘』『槍術』『弓術』『弓馬術』『絶対体幹』『騎馬術』『調理』『水泳』など多くのスキルを持っている。
『種族固有スキル』は、昨日族長から聞いたように、『天合羽』というスキルを元々持っていて、新たに『河童魔鬼』が発現したわけだ。
せっかくなので、『河童魔鬼』を発動してもらうことにした。
と言うよりも、実際は、彼女が使ってみたかったようだ。
彼女だけでなくみんな、新たに手に入れた『種族固有スキル』を使ってみたくてしょうがないみたいだ。
早速、サクラさんが発動する。
「心身統一、河童魔鬼!」
発動真言を唱え、掌を胸の前で合わせた。
すると、体全身を赤黒いオーラが包む——
全身から魔力を、放出しているようだ。
赤黒いエネルギーが体にまとわりついて、鎧のような形状に変化していく。
肩や腰周りに、円盤型の……小さな皿のような形状のパーツがいくつも形成されていく。
全体に赤黒い鎧武者の装束が出来上がっていく。
兜の額の所には、黄金の皿がついている。
なんか、めっちゃかっこいい!
これが『河童魔鬼』という状態なのだろう。
河童が魔力を纏った鬼になるという状態かと思ったが、どちらかというと、魔力を纏った武者という感じだ。
魔法攻撃を吸収するという性能と、自分が魔法スキルを持っていた場合、威力を激増させるという能力ということだった。
サクラさんを含め『河童族』の人たちは、魔法スキルを持っていないので、それを試すことはできない。
魔法攻撃を受けて吸収できるかを試すことはできるので、サクラさんに頼まれて、イリーナが『火魔法——火弾』を打ち出した。
すると、打ち出された火弾は鎧のところで、はじけて消えてしまった。
吸収されたようだ。
この『河童魔鬼』状態になっている限り、よほど強大な魔法でもない限り、無効化ができてしまうのは間違いない感じだ。
サクラさんは、『河童魔鬼』状態のまま近くにあった剣を手に取った。
すると剣を赤黒いエネルギーが包み込み、剣刃に放電現象のようなものが起きた。
どうやら、剣に魔力の刃を纏わせたようだ。
そして近くにあったもう一本の剣に対して、軽く斬り付けた。
すると、あっさりその剣を切断してしまった。
すごい切れ味だ。
武器の強化もできてしまうみたいだ。
そんな確認をしたところで、サクラさんは発動状態を解除した。
かなり疲労して、ぐったりしている。
スキルレベルが1ということもあり、長時間は発動していられないようだ。
サクラさんは、疲労はしつつも、かなり満足感があるようで、いい笑顔をしている。
そして、毎日訓練して、長時間発動できるようにしたいと張り切っていた。
もう一つの『種族固有スキル』である『天合羽』も見せてもらった。
軽く浮遊した状態で、走ることができるので、悪路を走破するときにかなり便利なようだ。
そして水の上も、歩いたり走ったりできる。
魚の養殖池で魚を捕まえる時も、水面の上を走り回りながら網を入れて魚を獲るらしい。
めっちゃ漁業に使えるスキルだ。羨ましい!
ただこれは『種族固有スキル』だから、俺がいくら訓練しても身につくことはないだろうが。
ただ『通常スキル』の中にも、『水上歩行』とか『悪路歩行』といったスキルはあるみたいだから、それを身につけることはできるかもしれない。
まぁ普通は、身に付けようと思って、身に付けられるものではないが。
それから『カッパル』の能力も見せてくれた。
騎乗生物として見かけによらず、かなりのスピードで走れるようだ。
そして、泳ぎが得意で、甲羅の上に乗って、水上移動もできるらしい。
水陸両用というわけだ。優秀すぎる!
また、ある程度の戦闘能力も持っているそうだ。
尻尾での攻撃や手足の爪での攻撃、それから頭の皿での頭突き攻撃も強力らしい。
それから、放水による遠距離攻撃もできるそうだ。
『カッパル』の口は、鳥の嘴のようになっているのだが、そこから放水できるらしい。
背中に甲羅の下に大きな水袋があって、そこに貯めた水を高圧縮で発射し、敵を攻撃したりできるのだ。
甲羅の下の水袋的な臓器に水を貯める方法は、口から飲んだり、頭のお皿から吸収したりするのだそうだ。
この放水能力は、普段は、畑に水を撒くのに使っているらしい。
なんと『カッパル』は、農業にもめっちゃ役立つ生き物だった!
俺たちにも、何体か譲ってくれないかな……。
ちなみに、水中に潜って魚を捕まえてくることも得意らしい。
川魚を獲ってきてくれて、食料確保でも活躍してくれるのだそうだ。
『カッパル』……優秀すぎるだろ!
戦いでも使えるし、農業でも、漁業でも使えるって、どんな生き物だよ!
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