87.『河童族』との楽しい宴、そして四人の酒癖判明
『河童族』の全員に『光魔法——光の洗礼』を使い、弱体化から回復させた。
その後、『河童族』の人々は、俺の配下に加わりたいと希望し、俺は家族として受け入れると了承した。
『ヤマダイ国』の国民が、一気に増えたのだ。
今後の事は、後で打ち合わせをすることにして、まずは祝いの宴を楽しもうということになった。
もう宴の準備は、万端に整っていたのだ。
『河童族』の人々は、宴が大好きらしく、この広場でよく行っているらしい。
テーブルと椅子が大量に設置され、様々な料理が並べられている。
俺たちは、大きなテーブルの一つに案内された。
色とりどりの生野菜が並べられているが、『キュウリ』の種類がめっちゃ多い。
各テーブルに、大皿山盛りの『キュウリ』が五種類ずつある。
この里で食べられている主な品種なのだろう。
族長に聞くまでもなく、米や麦を作っている感じは無いので、多分『キュウリ』が主食なんだと思う。
族長は俺たちに、いの一番に『キュウリ』の五種類について説明をしてくれた。
一般的に栽培されている小さなトゲがたくさんある『白イボキュウリ』、ゴツゴツとした凹凸が激しい『スーヨーキュウリ』、半分白い『半白キュウリ』。
この三種類は、それなりに見かけることがある『キュウリ』である。
残りの二種類は、多分『河童族』が改良したオリジナルの品種ではないだろうか。
一つは、『丸キュウリ』という拳大の大きさの丸い『キュウリ』だ。
もう一つが、さっき話にあった『かっぱキュウリ』という黄緑色の『キュウリ』である。
まずは、一番オススメという『かっぱキュウリ』を食べてみた。
……おお、確かに美味い!
『キュウリ』は、ほとんどが水分で味が薄いというのが俺の常識だったが、濃厚で旨みが凄い。
何もつけなくてもいい。
一瞬、味付けされているのかと思ったほどだ。
他の四種類の『キュウリ』もそれぞれに美味かったが、やはり『かっぱキュウリ』のインパクトが凄すぎて、物足りなさを感じてしまった。
ただ、塩や味噌などをつけて、美味しくは食べれたけど。
『丸キュウリ』は、炒め物にすると美味しいと言って、勧められたので食べてみたが、確かに美味しかった。
ご飯があれば、何杯でもいける感じだった。
他には養殖されたマスの刺身やイクラも盛られていて、美味しかった。
『河童族』の人たちは、短冊状に切った『キュウリ』に巻いて食べているらしい。
俺も食べてみたが、確かに美味しかった。
肉は魔物の肉が使われていて、味噌などを塗って焼かれていて、癖になる味だった。
改めて思ったが、味噌を塗るというのはいいなぁ。
それからデザートとして、メロンとスイカ、緑色のトマトが盛られていた。
緑トマトは、苦いのではないかと思ったが、食べてみたら、めちゃめちゃ甘くて、フルーツのようなトマトだった。
はっきり言って、超気に入ったのだ。
メロンとスイカも、甘くて最高だった。
ふと思ったが、『キュウリ』にしろメロン、スイカにしろ、収穫時期としてはまだ早い。
しかも、ここは標高が高いから、温度も低いと思うのだが。
そんな素朴な疑問を、族長に投げかけてみた。
族長が言うには、この場所は、山の中腹でありながら、地温が高いのだと言う。
地温が高ければ、気温が多少低くても、工夫すればうまく育つらしい。
また、魔素も多いことから、その影響もあり、馴染んだ作物はよく育つのだそうだ。
ある意味、変質しているのだろう。
ここで育てている作物は、どれも種採りをしながらずっと育て続けているので、この環境に馴染んでいるのだそうだ。
後は、『カッパル』の糞が良い肥料となって、作物がよく育つとも言っていた。
実に、羨ましい話だ。
『河童族』は、かなり農業が得意なようだ。
魚の養殖も得意みたいだし、『魔境台地』の畑の指導もお願いしたい感じだ。
養殖池も作りたいし。
飲み物は、山葡萄のジュースと、山葡萄を使ったワイン。
それから、芋の濁り酒とそれを蒸留した芋焼酎があった。
『河童族』の人たちは、ワインよりも芋焼酎の方が好きらしい。
芋焼酎に、『キュウリ』のスライスを入れて飲む『かっぱ割り』という飲み方が、みんな好きなのだそうだ。
勧められるままに俺も飲んでみたが、正直な感想としては……まぁまぁという感じだった。
俺としては、柑橘系の果汁を入れて飲んだ方が好きなのだ。
俺の仲間たちはと言うと……みんなかなり飲んでしまっている。
四人とも、『かっぱ割り』が気に入ったようで、かなり飲んでいるのだ。
イリーナが、彼女の杖の頭頂部に氷をまとわせて、それを砕いて焼酎に入れ冷たくしたので、尚更飲みやすくなってしまったのである。
この氷を入れる飲み方は、『河童族』の人たちにも好評で、イリーナは、何度も氷を出す羽目になっていた。
「ちょっとヤマトくん、私のことどう思ってるの? ほんとに、父に挨拶に行ってくれるの?」
クラウディアさんが顔を真っ赤にして、俺の首に手を回してくる。
目がトロンとしてしまって、完全に酔っ払っているようだ。
絡まれている感じなんだけど……。
意外と酒癖は良くないみたいだ。
「先輩、……私はいつでも先輩と……一緒です……たとえ寝てしまっても……私の心は……一緒にいますから……」
ラッシュはそう言うと、ばったりと倒れてしまった。
どうやら眠ったらしい。
お酒は、あまり強くないのだろう。
「ねぇねぇ、ヤマト君、私ともちゃんと飲んでほしいですね。だいたい、飲みが足りないですよ」
イリーナも、俺に絡んできた。
無理矢理飲ませようとするから、結構面倒くさい。
「ヤマトく〜ん、わ・た・し、暑いわ……」
フランソワに至っては、俺をじっと見つめて、服を脱ごうとしていた。
もちろん、必死で止めた。
そりゃ止めるでしょうよ!
それにしても……女子たちには、酒は飲ませない方がいいみたいだ。
酒を飲むと……色っぽく迫ってくる人、寝ちゃう人、無理やり飲ませようとする人、服を脱ごうとする人……きつすぎるだろ!
今後気をつけなきゃだよ!
俺はラッシュ以外の三人に、完全に包囲されそうになって焦ったのだが……途中から『河童族』の子供たちが、俺のところに遊びに来てくれて、助け舟となってくれた。
俺のことを気に入ってくれたらしく、代わる代わる膝に乗ってきたのだ。
みんな、可愛いくてしょうがない。
小さな子供を膝に乗せるっていうのは、何とも言えない幸福感がある。
ついつい頭を撫でてしまったが、みんな嫌がらずに微笑んでくれた。
何だろ、この幸せ感!
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