63.楽しい作り込みの時間
昼を過ぎて、だいぶ経つ時間帯、俺たちは再び活動を始めた。
午前中、王国軍が攻めてきて、悪魔が出現して、大変な状況だったわけだが、休んでいる暇は無い。
というか、さっき『大剣者』の新機能の確認をした後、みんなで昼食をとって、その後昼寝をしたので、しっかり休んだとも言える。
今から、活動再開というわけである。
昼飯は、火を起こして魔物の肉を焼いて食べたわけだが、女性陣からは、しっかり料理ができる環境を整備したいという声が出ていた。
フランソワは、料理が得意らしく、持ってきた私物に中に料理道具がかなりあるらしい。
いろんな食材や調味料を持ってきたとも言っていて、今後の食事作りを買って出てくれた。
もちろんみんなで手伝うわけだが、中心となってやってくれるのは助かる。
ちなみに、呼び捨てにしてほしいと頼まれたが、なかなか慣れない。
現在努力中である。
ただ、クラウディアさんだけは、今までの付き合いもあるし、急に呼び捨てにするのは難しかったので、しばらくさん付けで呼ばせてもらうようにお願いして、了承してもらった。
みんなで話し合った結果、今後の優先事項は、しっかりとした居住空間を作る事と、同時並行で、この魔境の探索を兼ねた魔物狩りレベルアップをすることだ。
居住空間については、本来なら丸太小屋を作り込むべきなのだが、手に入れた戦車を作り込もうということになった。
移動する家として使うことができるからだ。
ただ、魔物討伐遠征の時の一時的な休憩所ではなく、家として作り込むとなると、五人が暮らすには少し狭い。
大型の馬車の外見で、内部の空間は五倍に拡張されているわけだが、それほど広いわけではない。
貴族の屋敷なら、一部屋分ぐらいじゃないだろうか。
そこで、話し合いの結果、予定を変更して、戦車二台を改造することにした。
当初の予定では、人員輸送用の椅子が置かれてないただの空間になっている二台のうち、一台を休憩用として作り込む予定だった。
ただそこに、生活ができるようにベッドを持ち込むスペースはないので、追加でもう一台を寝室メインの居住用として作り込むことにしたのだ。
当初予定していた一台には、休憩スペース兼作戦会議室のようなかたちで、テーブル、イス、ソファーを配置し、作戦用のボードなども設置する。
トイレとお風呂も予定通り設置する。
また調理スペースも設置して、食事もできるようにする。
名称を『ラウンジ戦車』とすることにした。
もう一台は、ほぼ寝室用で、ベッドとトイレと風呂を設置する。
『居住戦車』という名称にした。
今、その作り込みをしているのだ。
作り込みをしていると言っても、いろんな物を設置するだけだ。
実は、クラウディアさんが、デワサザーン領に帰った時に、ベッドなども調達してきてくれているのだ。
とりあえず五人分はあるので、魔法カバンから取り出して設置すればいいだけだ。
本当は、中の空間を小部屋に分けて、プライバシーを確保したいところだが、そんな手の込んだことをするのは時間もかかるし、技術を持っていないので今回は見送った。
ただ、俺が女性陣と一緒に寝るのはまずいので、俺は『ラウンジ戦車』のソファーで、しばらく寝ようと思っている。
この『魔境台地』にいる時は、丸太小屋で寝ればいいし。
クラウディアさんは、テーブルセットやソファーなども調達してきてくれているので、それも置くだけだ。
さすがにトイレと風呂は、パネルで仕切らないとまずいので、そこはラッシュが板を組んで作ってくれることになった。
ラッシュは、丸太小屋も組めたし、器用でいろんなことができるので助かる。
フランソワは、『ラウンジ戦車』のキッチンスペースの設置と作り込みをしている。
調理器具は、もともとフランソワが使っていたものを持ってきてくれたので、問題ない。
調理で使える魔法道具が、いくつかあるのだ。
彼女は、料理好きを公言するだけあって、今まで稼いだ給金をかなり料理用の魔法道具につぎ込んだようだ。
かなり値が張るので、裕福な貴族しか買えないようなものばかりである。
鍋などを加熱できる『マジックコンロ』や、食材を冷やす『マジッククーラー』、食材を乾燥させる『マジックドライヤー』などを持っている。
魔法の水袋の強化版のような『マジックウォーターサーバー』も持っているのだ。
これは、手を触れ魔力を流すと、蛇口から水が出るという優れものだ。
イリーナは、クラウディアさんと一緒に、ベッドの設置とベッドメイクをしている。
イリーナは、釣り好きらしく、今やっているセッティングが終わったら、晩飯用に川で釣りをしたいと言っていた。
釣竿の魔法道具まで持っているのだ。
魔力を流すことによって、釣り上げるときに糸を巻き戻すことができるのだそうだ。
俺は、風呂の湯船を作っている。
『聖剣 カントローム』を使って、軽くて強固な石壁を出現させ、それをくりぬいて湯船を作っているのである。
もうだいぶ使い込んだので、イメージで重量や強度なども、ある程度調整できるのだ。
身に付けた『石細工』スキルの補正もあってか、良い感じで作れている。
まぁこれは、切れ味鋭い『大剣者』のお陰でもあるのだが。
鋼鉄の馬車『戦車』は、『戦車』と言うだけあって、全体が『黒魔鋼』のパネルで覆われている。
所々に、特殊ガラスのようなものでできたのぞき窓があるだけなので、通気性は良くない。
普通なら暑くてしょうがないが、温度調整機能が内蔵されているらしく、中は快適な温度の空間なのである。
ムシムシすることもない。
はっきり言って、それだけでもかなり優秀な魔法道具と言える。
それから、外の光を大々的には取り込めないので、中には光を発する魔法道具も組み込まれている。
結構明るいのだ。
魔力を流して、つけたり切ったりできるので便利だ。
楽しい時間はあっという間に過ぎるもので、気がつくと、もう日が暮れ出していた。
みんな、疲れた様子もなく、満足げな顔だ。
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