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44.召喚される悪魔

「お前は一体何者だ!?」


 ユーリシアの勝ち誇った発言は、エドガー将軍にも聞こえたようで、将軍が声を荒らげ剣を向ける。


「ふふふ、私はこの『カントール王国』の滅亡を望む者。……悪魔と契約した者。

 ふふ、まさか出現が予言された魔王が、自分たちが集めた勇者候補の中から出るとは思わなかったでしょうね。

 この国の馬鹿な王、貴族たちは、どんな顔をするかしら?

 今から楽しみだわ。

 ふふふふ」


「皆の者、この女を捕えろ!」


 エドガー将軍が、そう言いながら自らも斬り込む——


「そうはいかないわ」


 ユーリシアは、大きなバックステップで距離をとると、カバンから何やら取り出した。


 それを放り投げると、その場に、地面に、赤く光る魔法陣が展開した。


 ……何かが出てくる!


 あれは……


「確認しました。下級悪魔です。レベルは38です」


 『大剣者』が告げる。


 悪魔を召喚したのか!?


 黒いマントを羽織った二メートルぐらいのほっそりとした不気味な立ち姿。


 大きな長鼻、下から突き出した大きな牙、魚の鰭のような耳、スキンヘッドに突き出す角、赤い肌。


 まさに異形だ。


 瞬く間に四体も出現した。


 下級悪魔四体は、死んだ兵士たちの周囲を取り囲むように動き、その周辺にいる兵士たちを薙ぎ倒す——


 そして、連携するように、ユーリシアが死んだジャスティスに近づく。


 手にした杖を光らせると、近くにいたジェイスーンが弾き飛ばされた。

 目に見えない壁にでも弾かれたような感じだ。


 今度は、ユーリシアの頭上に、赤い魔法陣が展開する——


 次は、いったいなんだ!?


「マスター、あれは、転移魔法陣かもしれません。離脱しようとしているようです」


 え、まずい!


「ソーラーレ——」


 消えた!

 攻撃する間もなく、一瞬で消えた。

 ユーリシア()()は、消えてしまったのだ。


 ()()というのは、傍にあった勇者ジャスティスの死体、パーティーメンバーだった者たちの死体、ジャスティスが殺した兵士たちの死体、のことだ。

 全てが一瞬にして消えたのだ。


 転移したのだろう。


 くそ……。

 だが今は悔やんでもしょうがない。

 それよりもユーリシアが残していった悪魔四体を何とかしなければ。


 下級とは言え悪魔が四体なんて……いくら王国軍の一個大隊でも、苦戦は必至だろう。


 過去の英雄譚に出てくる悪魔は、下級でも恐ろしく強い存在だった。


 当然俺も初めて対峙するが、伝えられている話では並の兵士が敵う相手ではない。


 ん!?

 さっき悪魔が出現した場所が再び輝きを発し、魔法陣が現れた。


 悪魔がもう一体!?


 最初に出てきた悪魔は角が一本だったが、今度のは二本ある。


「中級悪魔が召喚されました。状況的に、かなり危険になりました」


 『大剣者』が即座に警告を発した。


「中級悪魔……?」


「はい。レベルは58です。中級悪魔の討伐が最優先です」


「レベル58!?」


 俺よりも20以上も上じゃないか。


「はい。今のマスターのレベルでは、危険な相手だと言えます。

 ただ私のサポートで充分戦えます。

 そして悪魔や魔王に特効を持つ聖剣もあります」


「わかった。危険だろうとなんだろうと、やるしかないな」


「ヤマト君、私が魔法銃で牽制するから、距離を詰めて」

「私は、下級悪魔を倒します」


 台地の上から様子を見ていたクラウディアさんとラッシュが、オートホースに乗って降りて来た。


 二人のレベルでは、悪魔と対峙するのは危険だ。

 だが考えている暇はなさそうだ。


 俺は、すぐに二人を固有スキル『献身』の対象に指定する。


 これでダメージを受けても、半分は俺が肩代わりできる。


 クラウディアさんは、俺の返事を待たずに、中級悪魔に対し魔法銃をぶっ放している。


 その攻撃を無駄にしないために、俺も行動に移る。

 距離を詰めながら、『光魔法——太陽光線(ソーラーレイ)』を発射する。


 クラウディアさんの魔法銃と俺のソーラレイによって、中級悪魔は完全に俺たちをロックオンした。


 混乱している兵士たちを無視して、俺たちのほうに向かって移動し始めた。

 これで兵士が無駄に死ぬ事は無い。


 クラウディアさんの魔法銃も俺のソーラーレイも、中級悪魔に命中しているが、致命傷を与えられていない。

 奴は巨大な盾を出し、それで凌いでいるのだ。


 俺のソーラーレイの威力で、盾は破壊できているが、すぐにまた次の盾を出す。


「マスター、あの中級悪魔は、正式名『盾の悪魔(中級)』となっています。盾を操る悪魔のようです。

 通常の悪魔よりも、ガードが固いと思われます。

 やはり接近して聖剣もしくは私『大剣者』で攻撃し、盾ごと斬り倒すしかないと思われます」


 『大剣者』が的確なアドバイスをくれた。


 防御力が高いのか……。

 ただ厄介なのは、動きも早いことだ。

 盾で防ぐだけでなく、攻撃をいくつも躱している。


 お! 今度は奴の体が変形し、いくつもの盾に覆われてしまった。


 なんて奴だ。


 ——ぐっ……


 いきなりダメージが……。

 どうやら、ラッシュが攻撃を受けてしまったようだ。

 そのダメージが、半分俺に来たのだ。


 すぐに状況確認する。


 下級悪魔の盾による攻撃で、ラッシュが吹き飛ばされている。


 下級悪魔も盾の悪魔のようで、四体とも盾を出して殴りつけるように攻撃している。


 三体は、王国軍が手分けして対処し、奮戦している。


 倒れているラッシュの側に、王国軍から離れ森に身を潜めていた魔法使いのイリーナさんと、ヒーラーのフランソワさんが駆け寄る。


 フランソワさんが、回復魔法をかけてくれた。

 一安心だ。


 三人はそのまま構える。


 連携して戦ってくれるようだが……危険だ。


「クラウディアさん、ラッシュたちの応援に行ってください! ここは私と『大剣者』で大丈夫です!」


「でも……」


「大丈夫です! それにラッシュたちを気にしながらでは、戦いづらいのです。クラウディアさんが、フォローに行ってくれれば安心です」


「わかったわ」


 クラウディアさんは心配げに俺を見つめた後、すぐにラッシュたちの所に向かってくれた。


 俺はすぐに、イリーナさんとフランソワさんも『献身』の対象に追加指定する。


 彼女たち四人で連携したとしても、下級悪魔を倒すのは大変だと思う。

 だが、今は凌いでもらうしかない。


 早く中級悪魔を倒して、応援に行かないと!




読んでいただき、誠にありがとうございます。


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次話の投稿は、本日中の予定です。


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この物語は、私の書いているもう一つの連載「異世界を魅了するファンタジスタ 〜『限界突破ステータス』『チートスキル』『大勢の生物(仲間)達』で無双ですが、のんびり生きたいと思います〜」と、同一世界線の違う時代の違う場所の物語です。

https://ncode.syosetu.com/n8768ff/


もしよろしければ、そちらも読んでみてください。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] >黒いマントを羽織った二メートルぐらいのほっそりとした不気味な立ち姿。 >大きな長鼻、下から突き出した大きな牙、魚の鰭のような耳、スキンヘッドに突き出す角、赤い肌。 >まさに異形だ。 …
[気になる点] ヤマトの一人称が私なのか俺なのかどっちが正しいのか分からない。 セリフは私で内面では俺となってて最初どのキャラが話してるのか分からなくなった
[一言] 呑気に状況を観察した結果、敵を取り逃がすのはお約束。
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