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38.魔法カバンと空間拡張バッグ

⚫️御礼⚫️


ハイファンタジー部門の日刊ランキングで、第4位になっていました。

ありがとうございます。

ご愛読に感謝です。

 クラウディアさんの里帰りの報告は、まだ続いている。


 新たに『魔法カバン』を渡され、すごい量の食料や資材をもらってきたとのことだ。

 当面の食料や、暮らすのに必要な家具や様々な道具がもらえたらしい。

 念願のトイレに使う便座も、確保できたとのことだ。

 これは嬉しい!


 そして、渡された物資が多くて、『魔法カバン』に入りきらなったのだそうだ。

 急遽、『空間拡張バッグ』という物をもらって、何とか収納したらしい。


 実は、二人が帰って来たときに気になっていたのだが、ラッシュが背中にドデカいリュックを背負っていたのだ。

 それが『空間拡張バッグ』だった。


 『空間拡張バッグ』は、空間を拡張する特別な術式が組み込んである『魔法道具(マジックアイテム)』で、バッグの中の空間は、見た目の五倍ほどの空間に拡張されているのだそうだ。


 『魔法カバン』とどう違うのか、わからなかったのだが……クラウディアさんが解説してくれた。


 それによれば、『魔法カバン』は、専用の亜空間に『魔法カバン』が紐付けされていて、その亜空間に物が収納されるのだそうだ。


 そしてその亜空間の中では、時間の経過は非常に緩やかに進むのだそうだ。

 それ故、腐りやすい食料を保存しても、よほど長期間でない限り腐らずに収納しておくことができるのである。


 ちなみに『大剣者』が持っている『亜空間収納』も、専用の亜空間に収納するものであり、時間の経過も同様に緩やかなので、今ストックしてある大量の魔物の肉が腐るという心配は、ほぼないだろう。


 そして普通の『魔法カバン』は、収納できる容量に当然限界があるのだが、『大剣者』の『亜空間収納』は無限に近い収納容量なので、かなり高機能と言えるだろう。


 『魔法カバン』にも通常のアイテムと同様、『階級』があって、『階級』が高いほど収納容量が多い。


 普通に販売されて出回っているのは、『下級(イージー)』か『中級(ミドル)』の魔法カバンである。


 『下級(イージー)』の『魔法カバン』でも、大型倉庫くらいの収納容量があるので、かなりのものが入る。

 取引価格も、何千万ゴルという単位のようだ。


 大貴族でも、それほど多く所有できるような代物では無いのだ。


 この専用の亜空間に収納するという『魔法カバン』に対し、『空間拡張バッグ』は、亜空間ではなく、現空間つまりカバンの中の空間の大きさを、拡張するというものらしい。


 バッグの中が、見た目よりも広いというだけに過ぎないとも言える。


 したがって、時間の経過も全く変わらないし、中で収納物同士が擦れたりぶつかったりということも、当然起きるそうだ。


 『魔法カバン』とは質的に違うし、収納容量や時間の経過など、『魔法カバン』の方が段違いに優秀と言えるわけである。


 ただ、この現空間を拡張するという術式の魔法道具は、今の時代では、非常に貴重なものらしい。


 『魔法カバン』よりも珍しいもので、希少価値はあるのだそうだ。


 当然『魔法カバン』の方が性能が良いわけなので、『空間拡張バッグ』を求める人はほとんどいないわけだが、いわばコレクターアイテムのようになっているらしい。


 そういう意味で購入する貴族などは、いるのだそうだ。


 デワサザーン伯爵家に以前からある『空間拡張バッグ』だが、現在の伯爵は愛着がないので、気軽にくれたらしい。


 『魔法カバン』も、まだ伯爵家にはあったようで、それも持っていけと言われたらしいのだが、クラウディアさんが固辞したのだそうだ。


 すでにクラウディアさんは魔法カバンを一つ持っていたし、今回の里帰りで追加で一つもらえたので、それ以上は申し訳ないからと遠慮したとのことだ。


 王都にある伯爵邸でも、仲間になる予定の魔法使いイリーナさんとヒーラーフランソワさんが、魔法カバンを譲り受ける予定でいる。

 確かに、これ以上もらうのは心苦しいだろう。


 クラウディアさんは、残りの資材の量から考えても、『空間拡張バッグ』で充分と考え、そっちをもらえないかと提案したらしい。


 そんなわけで、逆に珍しいバッグが手に入ったという事のようだ。


 小柄なラッシュが、自分の上半身と同じ位の大きさのバッグを背負っている姿は、とても可愛い感じだったのだが、よくよく考えると五倍の物量が入った重いリュックを背負っていたことになる。


 『空間拡張バッグ』は、中の空間が拡張されているだけで、入れた物の重さが軽くなるわけではないので、何を入れるかにもよるが、かなり重くなるのである。


 改めてラッシュの力持ちさ加減に驚いてしまった。


 勇者候補パーティーのサポート部隊だった時から、重い物を持って頑張っていたが、ここでレベルが上がってからは、尚更力もついているのだ。



 それから、目的の伝書鳩の魔法道具の巣箱型装置を一つ貸し出されたとのことだ。


 これにより今後は、クラウディアさんの実家と手紙や小さな荷物のやりとりができるようになる。


 まぁ伯爵としても、大事な娘と確実に連絡が取れる手段だから、頼まれるまでもなく巣箱型装置を渡したんだろう。


 二人は、短いとは言え丸一日ぐらいは滞在できたので、今後のことを含め、いろんな話を伯爵一家とすることができたとのことだ。


「途中から、伯爵を始め家族の皆さんがヤマト先輩のことばっかり聞くんですよ。みんな興味津々って感じでした」


 ラッシュが、嬉しそうに俺の顔を見る。


「そうね。魔境で暮らすことが安全だと納得してもらうために、ある程度はヤマト君の凄さを話しちゃったのよね。だから、より興味を持たれちゃって」


 クラウディアさんも、なぜか嬉しそうに俺を見る。


「勇者ジャスティスの聖剣を折っちゃった話とか、肩を撃ち抜いた話とか、みんな凄い食い付きでした!」


 ラッシュが身振りをしながら、声を弾ませる。

 ……そんなことを話してきたのか……。


「魔物の群れを瞬殺した話も、驚いていたわ。その話が本当なら、確かに暮らせるかもしれないと言ってくれたから、話した意味はあったわ」


 クラウディアさんも、茶目っ気たっぷりにそんなことを言う。


 何か……話が盛られているような気がしてしょうがないが……。


「本当は、一緒に来てヤマト君に会いたいって言われたんだけど、さすがにオートホースに三人乗るのはきついし、我慢してもらったの」


 まぁ確かに親としては、どんな環境なのか確認したいだろう。


 そう考えると、本当は俺から挨拶に行くべきだったんだよな。

 大事な娘さんを、こんな魔境に住まわせちゃうんだから。


 まぁ状況的に、俺がここを離れるわけにはいかなかったから、しょうがないんだけど。

 いずれ機会があれば、ちゃんと挨拶をしないといけないな。




読んでいただき、誠にありがとうございます。


ブックマークしていただいた方、ありがとうございます。

評価していただいた方、ありがとうございます。


次話の投稿は、本日中の予定です。


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ブックマークも、よろしくお願いします。



この物語は、私の書いているもう一つの連載「異世界を魅了するファンタジスタ 〜『限界突破ステータス』『チートスキル』『大勢の生物(仲間)達』で無双ですが、のんびり生きたいと思います〜」と、同一世界線の違う時代の違う場所の物語です。

https://ncode.syosetu.com/n8768ff/


もしよろしければ、そちらも読んでみてください。

よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 下級の英語はレッサーあるいはロウ、ジュニア、が適切かと 逆にイージーに漢字を当てるなら、簡易、ですかね
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