21.新天地を視察しよう!
『大剣者』がアナライズ機能で周辺調査をした結果、住居を構えるのに適した場所があった。
今から、その場所を調査に行く。
クラウディアさんと、ラッシュも楽しみなのか、体全体からワクワクした雰囲気を出している。
目的の場所は……街の北門から出て、北に向かう道を進み、途中で道がなくなっても、そのまま北に進み続けて、森を抜けたところにある。
そこに至る周辺エリアは、既に探索済みなので、確認しながら行く必要もない。
俺たちは、北門を出て少し行った場所で、『大剣者』の『亜空間収納』から、オートホースを取り出した。
これは『加護ガチャ』で手に入れた『究極級』の『魔法の道具』だ。
そして、荷馬車を同様に『亜空間収納』から取り出し、オートホースに接続した。
普通の馬のようにオートホースに牽引してもらうのである。
ちなみにこの荷馬車は、街の住民たちの調査に回っていたときに見つけて、頼み込んで売ってもらったものだ。
そのまま森で使うと壊れる可能性が高かったので、足回りを少し強化してある。
ラッシュが器用で、パーツ交換や、補強をしてくれたのだ。
荷馬車に三人で乗りこんで、高速で森を駆け抜ける。
オートホースは結構大きいので、無理すれば三人騎乗することもできるが、狭いし、女性二人と長く密着するのはまずいと思ったのである。
そんなこともあり、移動用の馬車が欲しくて、頼み込んで売ってもらったわけなのだ。
幌も付いていない、むき出しの平馬車で、かなり汚れていたが、あれば何かと便利なので、相場の五倍を出してでも手に入れて良かった。
もちろん座席などは無いので、藁を敷いて座っている。
本来なら、藁でチクチクするところだが、クラウディアさんが持ってきた物資の中に、敷物用の厚手の布があったので、それを敷いている。
馬車を飛ばし、『大剣者』が眠っていた巨石を通り越し、鬱蒼とした森を抜けると、開けた場所に出た。
ここまでの道中、道として開けていたのは途中までだったのだが、それ以降のところも事前に草を刈ったり、邪魔な木を切り倒していたので、そのまま馬車で一気に来られてしまった。
改めて確認すると、三連山は、かなりデカい。
そしてそれに抱かれるようにせり立っている台地……ここからでは、ただの断崖に見えるが、それも壮大だ。
二十メートルくらいの高さはあるだろう。
広大な台地に、家を建てて住むのだ。
今見ている正面の部分は、断崖になっているから、下から魔物が這い上がってくる事はまずないだろう。
台地にいるであろう魔物を倒してしまえば、新たに下から這い上がってくる魔物はいない。
もちろん飛行型の魔物は別だが。
『大剣者』曰く、防衛戦略的にはかなり優れた場所で、拠点を築くには最適と判断するとの事だった。
早速、台地に上がろうと思うが……断崖なので……まともに登る手段がない。
だが俺たちには、一気に登れてしまう、秘密兵器があるのだ。
それは、オートホースだ。
実は、オートホースには隠された機能があったのだ。
その隠された機能を見つけたのは、『大剣者』だ。
『神器級』のアイテムである『大剣者』の超魔法AIが、『究極級』のアイテムであるオートホースの魔法AIとリンクしたのである。
そんなことができるなんて、さすが『神器級』のアイテム だと、改めて感心させられた。
リンクしたことによって、オートホースの内蔵機能を把握できたとのことだ。
そして、オートホースには、飛行する機能があることがわかったのである。
空を飛べるのだ!
他にも、魔法銃が内蔵されていたり、魔砲という強力な武器も内蔵されていることがわかった。
俺は、オートホースを荷馬車の牽引具から外し、騎乗した。
クラウディアさんとラッシュも共に乗った。
「飛べ、オートホース」
俺が指示を出すと、オートホースが浮かび上がる。
原理はよくわからないが、ふわっと浮かび上がり、念を送って指示を出すと、上下左右、自由に動ける。
首のところから……内蔵されている手綱代わりの持ち手のようなものが出てきて、それを掴んで安定した状態で座ることができるのだ。
それにしてもすごい。空を飛べるなんて……
本当は空の散歩と洒落込みたいところだが、今はそんな場合ではない。
浮かび上がりながら前に進み、台地の上に降り立った。
下から見上げているときは実感できなかったが、本当に広大だ。
王都くらいの面積があるんじゃないだろうか。
王都の人口は、確か三十万人と言っていたから……その規模の人間が暮らせるほど広大だということだ。
奥つまり北側には大きな山があり、それと斜めに連なるように東側と西側に山がある。
それに囲まれるような形で、この台地がある。
ここから見る三連山も、荘厳だ。
この台地は、所々に森というか木の生えているところが見えるが、基本的には草原になっているようだ。
実際のところは……あまりにも広大すぎて、全体の様子はよくわからない。
『大剣者』のアドバイスで、再度オートホースに騎乗して、上空から全体を見て回ることにした。
その過程で、『大剣者』のアナライズ機能を使って、大体の地図を作り上げるつもりだ。
少しして、俺たちは、上空からの調査を終えた。
三方の山とは、それぞれの裾野と繋がるような形になっている。
それ故、山からの水が台地の部分にも流れ込み、それが合わさって大きな湖ができている。
この台地の奥、北側にある湖から左右に一本ずつ川が流れていて、東側の山と西側の山それぞれの裾野に流れ出ている。
したがって、台地の奥側の北側は、水源が豊富で、農作物を作ったりするのにとても良さそうだ。
ただ山に囲まれているから、日当たりだけを考えれば、台地の手前側つまり南側のほうがいいが。
現状では、南側部分、正面から見たときの手前側は、水を潤沢に引いてこられるとは言えない感じだ。
防衛戦略的に考えると、三つの山の裾野と地続きになっているところは、断崖構造になっていないので、本当は何かの対策を講じた方が良い。
だが、山自体が敵の侵入を阻む強力な壁となっているので、そのままでもいいかもしれない。
ちなみに北側の山は、かなり高さがある大きな山だ。
この山を越えたさらに北側も、魔物の領域が広がっているようなので、反対側から人間が攻めてくるような事はまずないだろ。
台地は、上から確認しても草原になっているスペースが圧倒的に多かった。
それ故に、所々にある森は、開墾したりせずそのまま残せそうだ。
俺は、この場所が気に入った。
今のところたった三人だが、三人だけの国を作るのも楽しそうだ。
最初に住む場所は、水が取り込める川のそばがいいと思うが、そんなこともみんなと相談しよう。
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この物語は、私の書いているもう一つの連載「異世界を魅了するファンタジスタ 〜『限界突破ステータス』『チートスキル』『大勢の生物(仲間)達』で無双ですが、のんびり生きたいと思います〜」と、同一世界線の違う時代の違う場所の物語です。
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