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145.金銀財宝

 『チリメン行商団』は、行商団と言うだけあって、実は今も行商に出ている者が多数いるとのことだ。

 つまり、ここにいる者が全員ではないのだ。


 まぁその者たちは、今後も行商を継続するので、『ヤマダイ国』に移住すると言っても、ほぼ国外にいる形になるわけだ。


 今現在行商に出ていて、ここにいない者は、約三百名いるそうだ。


 五十人ぐらいのグループに分かれて、国中を動き回っているらしい。


 この人たちは、ミトノ公爵家が直接抱えている公爵家隠密とは違うのだが、時々情報提供などをしてくれているという協力組織でもあるらしい。


 ちなみに全国の情報を集めている公爵家隠密は、公爵家がなくなったので、本来なくなるはずだが、今後は総督府隠密として引き続き情報収集に当たってもらうことになっている。


 呼び方が少し面倒なので、『隠密衆』という呼び方で統一することにした。


 ちなみに俺の配下となっている『御庭番衆』になぞらえた結果でもある。


 『御庭番衆』は、引き続き王都内の情報収集を中心に動いてもらい、地方全域にわたる情報収集は『隠密衆』が行うのである。


 『隠密衆』のリーダーとなる者も、挨拶に来ていた。


「お初にお目にかかります。私は、ヤシチーンと申します。

 ヤマト様のお役にたつように、影となり、風となり、全身全霊でお尽くしいたします」


 彼も、四十代ぐらいの男性である。

 非常に寡黙な印象の人だ。


 彼は、テイマーでもあるらしく、特殊な鳥を使って、配下の者たちに随時手紙を届けることができるのだそうだ。


 『風車風見鶏(ふうしゃかざみどり)』という、風に乗って高速飛行ができるという特別な鳥を使うのだそうだ。


 この鳥を使った情報伝達方法がかなり優れていて、ヤシチーンさんは、風見のヤシチーンという二つ名で呼ばれているらしい。

 まぁ二つ名と言っても、あくまで隠密の、裏の世界での、仲間内での二つ名ということだろう。



 それにしても……ミトノ公爵関係の人材が凄すぎて、驚くばかりだ。


 ミトノ公爵が国王になっていたら、この国はこんな風にはなっていなかっただろう。


 彼女にこの国を任せるのが、やはりベストだったかもしれない。

 まぁ固辞されたから、できなかったわけだが。


 これほど優秀な人材を組織的に持っているなら、何でもできそうだ。


 疑り深い人なら、『ヤマダイ国』も乗っ取られるんじゃないかと、心配しそうなくらいだ。


 だが、俺は全く心配していない。


 彼女には、そんなメリットは全くないからだ。


 権力が欲しかったり、地位が欲しいのなら、俺たちの申し出を受け入れて、『カントール王国』のトップに立てば良かったのである。

 まぁそれ以前に、クーデターを起こして、今までの国王を倒すことも余裕でできたと思うけど。


 そんな力を持ちながら、あえて未開の土地を開拓しようと言うのだから、全く違う価値観で動いていると考えるほうが合理的だ。


 開拓を楽しみたいと言うのは、本心なのだろう。


 俺もどちらかと言うと、そういう方向での指向性が高いから、結構理解できたりする。


 いずれにしろ、国づくりの中核となる人材が大量に確保できたので、ミトノ公爵には感謝しかない。



 そんな感じで顔合わせが終わった後、俺はミトノ公爵の案内で、王家の宝物庫を訪れることになった。


 以前の話し合いの時に、王家が秘蔵している宝物は、全て俺に献上するということになっていたのだ。


 何か使える武具や魔法道具があるのではないかと、密かにワクワクしている。


 王家に伝わる宝物は、王宮本殿とは別にある王宮宝物殿と言う、専用の建物に保管されているのだそうだ。

 運良く、今回の襲撃では、大きな被害は受けなかったようだ。


 まぁわざわざ宝物を保管するために作ったのだから、強固なつくりでもあったのだろう。



 宝物殿の前にやってくると、確かに頑丈な作りの建物になっていた。


 王宮の建物には似つかわしくない無骨な感じの石造りの建物である。

 装飾など一切ない、まさに蔵という感じだ。


 中に入ってみると……最初の部屋には、いわゆる金銀財宝が置いてある。


 金貨や銀貨等の硬貨と、宝石などの装飾品が置いてあるのだ。


 これは、王家の一般的な資産ということだ。


 それなりに、貯め込んでいる。


 国庫ではなく、王家の個人資産と言うことなので、俺に献上される資産になるようだ。


 ミトノ公爵の話では、代々引き継いできた資産からは大分減っているが、それでも、二百億程度はあるだろうとのことだ。


 二百億ゴルなんて、現実味がない。


 しかもこの部屋には、普段使い用なのか、宝箱が一つ蓋が開いていて、そこの金貨が見えているだけなのだ。


 もう一つの箱が開いていて、そこにいくつかの装飾品があるが、特別にインパクトのある状態ではない。


 いわゆる“入ったらまぶしい”みたいなかたちには、なっていないのである。


 ほとんどの宝箱や箱は、蓋が閉じて置かれているだけなのだ。


 英雄譚などに出てくるように、部屋中所狭しと、金貨や宝石が広がっていたら別なんだろうが、この状態では財宝感がほとんどない。


 これらの金銀財宝は、一応、俺がもらうこととするが、このままここに残し、王都の復興資金に充てるように指示をした。


 ミトノ公爵とモーリス総督からは、国庫で何とかするから、王家の個人資産については、あくまで俺に献上すると言われたのだが、遠慮せずに使うように指示した。


 国庫で充分足りるなら、これを残してくれればいいし、そうじゃないなら遠慮なく使ってほしいと命令をした。


 ここはあえて、命令をしておいた。


 俺としては、もちろん金銀財宝に興味がないわけでもないが、国の早期の復興安定が一番重要だ。


 そして今は一番欲しいのは、強力な武器防具や魔法道具なのである。


 そっちを早く見たい。


 この一般的な財宝が置いてある部屋とは別に、奥に特別な部屋があるのだと言う。


 王家に伝わる伝家の宝刀と言えるものが、秘蔵してある部屋があるらしい。


 最初の部屋を出て、廊下を歩いて少し行くと、もう一つの部屋があり、大きな扉がある。


 そこを開けると、先程の部屋と同じ位の大きさの部屋になっていて、いくつか面白そうなものが置いてある。


 ただ思ったよりも数が少ないみたいだ。


 だが、ワクワクが止まらない!


 ここが本命だ!




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