11.『大剣者』の機能
「じゃぁ、もう一度やるよ」
俺は、豪奢な剣……『大剣者』に請われるまま、もう一度『献身』スキルを発動した。
先ほど、『大剣者』と契約するときに、魔力をごっそり持っていかれたが、かろうじて『献身』スキルを一回発動するぐらいは残っていた。
「ぐうっ……」
俺は、またへたりこんでしまった。
一瞬でHPが1になった。
体の力が抜ける……
それにしても……ついさっきも、ダメージの半分を俺が引き受けたのに、まだこんなにダメージがあるなんて……いったいダメージの総量は、どれだけあったんだ……?
生き物以外の物品のダメージも、『身体力(HP)』に換算して俺が半分引き受けることができるようだが……もしかしたら……その換算が誤作動してるのでは……?
いくら『神器級』のアイテムとは言え、こんなに膨大な量のダメージを受けていたというのか……?
ダメ元で『大剣者』に尋ねてみたが、そもそもが俺の『固有スキル』の情報なので、『大剣者』でも正確に推し量ることはできないみたいだ。
ただ、考えられる要因としては、物品のダメージを生物のHPに換算する際に、数値が大きくなる補正が入っている可能性はあるのではないか、とのことだ。
もしかしたら……本来、生物にしか使えないものを物品に使うため、換算数値が大きくなるというデメリットがあるのかもしれない。
やはり本来の機能は、生物のダメージを半分引き受けるということであって、それを物品に拡張する引き換えのデメリットなのかもしれない。
そんな思考で一応自分を納得させたところで、まずは回復をしないと。
万が一、この状態で何かに襲撃されたらやばい。
ただもう魔力は残っていない。
『光魔法——光の癒し手』が発動できない……。
ん、だがHPが、どんどん増えていっている。
回復しているのだ!
なるほど!
これはおそらく……先ほど取得したスキル『極大自然回復(HP)』が、発動しているのだ。
……よかった。
これなら大丈夫だ。
そのうち魔力も、光魔法が使える位まで自然回復するだろう。
でも下手したら……それまでの間に、HPを全て回復してしまうかもしれない。
なんてありがたいスキルなんだ!
そうこうしているうちに、岩にめり込んでいた『大剣者』が、岩から飛び出した。
そして、宙に浮いている。
「すごいね……自分で動けるわけ?」
「浮遊することができるので、ある程度の移動はできます。また、ある程度の攻撃や防御もできます。ただ、私はあくまで道具で、マスターが使ってこそ、本来の機能が発揮されます」
「なるほど……ところで君は、どんな機能があるの?」
「はい……まず基本機能として……『アナライズ』があります」
「アナライズ……?」
「はい。いわゆる『鑑定』スキルと、同じようなことができます。対象のステータスを確認することができます。
ただ『アナライズ』は、より優秀で、取得した情報をもとに、ある程度の弱点解析なども行うことができます。
また、ある程度の範囲の周辺情報を取得、解析することもできます」
「それは、すごい! どうやって使えばいいの?」
「私に触れて、『アナライズ』という発動真言を唱えれば、マスターのスキルと同じように使うことができます。取得情報は、マスターの脳内にも投影されます。当然、私にも取得されているので、それをもとに弱点分析等をして、アドバイスをすることができます」
「なるほど剣を所持した状態なら、自分のスキルを使うのと同じ感覚で使えちゃうわけだ」
「それから鞘パーツには、亜空間収納機能を内蔵しています。魔法カバンのように、様々なものを亜空間に収納できます。
『亜空間収納』という発動真言を唱えると、脳内に『亜空間収納』の管理画面が現れ、収納物の一覧が表示されます。
取り出す場合は、念じて指定して取り出します。
回収する場合には、その物体に触れて、回収と念じることで収納することができます」
「すごい! 魔法カバンと同じ機能があるのは、助かる!」
「私は……自分で言うのもなんですが……『神器級』階級のアイテムですので、魔法カバンとは比べ物にならない性能です。
『亜空間収納』の収納容量は、無限と言っていいほどの大容量です。
また収納しているものを仕分け整理したり、様々なストックホルダーを作り、系統別に分けて保存することなどもできます。
ただし魔法カバンと同じで、魂があるものを収納することはできません」
「なるほど……。まぁとにかく、凄いってことだな……」
「私には、他にも機能はありますが、一気に説明しても、消化しきれないでしょう。今後必要に応じて、説明しましょう。当面は、武器として……剣として使うだけでも、優秀な武器です。何せ私は、切れ味抜群ですから。普通の魔物なら、今のマスターのレベルでも、一刀両断できます」
「それは頼もしい……。確かに言われてみれば、剣として考えただけでも、破格の武器だよね」
俺は、実際に剣を振ってみたくなって、鞘から抜いた。
なんと赤く煌めいている……輝く……メタリックな赤だ。
左右に伸びる鍔と柄は黄金色であり、全体にド派手な剣だ。
軽く素振りをしてみる。
——ビュュンッ、ビュンビュンッ
おお、見かけに反して軽い。
……すごく使いやすい感じだ。
まるで自分の体の一部のように、自由に動かせる。
……この感覚も、剣の性能なのかもしれない。
もしくは、俺が契約者だからかもしれないが。
いずれにしろ、この剣を使うのが楽しみだ。
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この物語は、私の書いているもう一つの連載「異世界を魅了するファンタジスタ 〜『限界突破ステータス』『チートスキル』『大勢の生物(仲間)達』で無双ですが、のんびり生きたいと思います〜」と、同一世界線の違う時代の違う場所の物語です。
https://ncode.syosetu.com/n8768ff/
もしよろしければ、そちらも読んでみてください。
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