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日常のち冒険~俺は世界を超えて幼馴染を救う~  作者: ヌマサン
第2章 ギルド統一編
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第22話 ギルドに集いし者たち

どうも、ヌマサンです。

皆様、休日はゆっくりと出来ましたでしょうか?

自分はだいぶゆっくりと休めたので明日から一週間頑張って行けそうです!

そして、今回は新キャラ4人出てきます。

それでは本日の更新分の第22話「ギルドに集いし者たち」の方をお楽しみくださいませ。

「着いたわ、ここよ」


 ラウラさんに何とか追いついた俺と寛之は何とかミロシュさんの言っていた宿屋に到着した。そして、ラウラさんのすぐ後に続いて中に入った。


「へい、らっしゃい。何名様でやんすか……ってラウラさん!一体どのようなご用件で?」


「今日はここに空き部屋があるって聞いてきたのだけど」


 入ってすぐ宿屋の主人が出てきたが、何やらラウラさんに気を使っているような気がする。


「部屋なら今朝一つ空きやしたぜ。でも、次に泊まってくれる客がいなくて困っているんでやす」


「それだったら、この子たちに使わせてあげたいのだけれど。大丈夫かしら?」


 ラウラさんがそう言うと、宿屋の主人は俺たちを一人一人じっくりと見ていた。


「別に大丈夫でやすが、一人部屋になりやす」


 ……という事はまたじゃんけんか。


「じゃあ、そこには僕が泊まるよ」


 寛之が勝手に名乗り出てしまった。全く何を考えているんだろうか?


「何でお前が行くんだよ、寛之」


 俺が名乗り出た理由を寛之に問いかける。


「茉由ちゃんを一人で泊まらせるのも危ないだろうし、お前は紗希ちゃんと引き離すわけにはいかないだろう?だから僕が泊まると言ったんだ」


 ……なるほど。もっともな理由だ。寛之が泊まるのが正しいのかもしれない。


「それじゃあ、客人。部屋にお通ししやす。こっちへ来て下せえ」


「ああ、分かった」


 そうして、宿屋には寛之が泊まることになり、宿屋の主人と寛之は部屋の方へと消えていった。


「それじゃあ、一度ミロシュのところに戻りましょう」


 ラウラさんに促されて、俺たちは再びミロシュさんの店へと戻って来た。


「ミロシュ。どう?何か見つかった?」


「ああ、今さっき見つかったところだよ」


 そう言って、ミロシュさんは地図まで広げて丁寧に教えてくれた。


「ミロシュ。地図を借りて行ってもいいかしら?」


「ああ。姉さんならそう言うと思って店長にも持ち出しの許可は貰っておいたから……ってもういないし!」


 ミロシュさんが話し終えた時にはすでに店を出て行ってしまっていた。案の定、ミロシュさんは再びラウラさんのブツブツと愚痴を言い続けていた。


 ラウラさんと俺たち三人は石造りの建物が密集している場所で三階建ての一軒家にやって来た。どうやら、ミロシュさんが見つけたのはこの家のようだ。


 中に入ると木の床に石壁、窓は割れ、扉も所々穴が開いて風が漏れてくる。そして、俺たちは調理場から寝室からあちこちを調べた。井戸も奥に共用のものがあった。


「……どう?ここに住む?」


 ラウラさんはこの家にするのかどうかを尋ねてきた。何やら、言葉の中には「やめておいた方が良いんじゃない?」といったニュアンスが含まれているような気がする。


 でも、修理すれば全然住めないわけではない。俺自身、家の修理などはしたことはない。でも、その辺りはちゃんとしたところに依頼すればいいような気がする。


「ラウラさん、こういった家の修理をやってくれる人はいるんですか?」


「この街に大体4軒くらいはあるわよ」


 俺は紗希と茉由ちゃんにアイコンタクトを送った。二人は顔を見合わせてから俺の方を向いて頷いた。


「それじゃあ、ここに住みます」


 俺がそう言うとラウラさんは一瞬驚いたような顔をしていたが、一気に息を吐きだした。


「……分かったわ。実際に住むのはあなたたちだものね、あなたたちが住むというのならそれで決まりね」


 それから俺たちはミロシュさんの所に戻って、そのぼろっちい一軒家に住む旨を伝えた。


 ……こうして、俺たち六人の住む場所が決まった。


 洋介と武淵先輩は冒険者ギルドの二階。寛之は冒険者ギルドから少し南にある宿屋の一室。そして、俺と紗希、茉由ちゃんの三人は冒険者ギルドの北東にある一軒家にそれぞれ住むことが決まった。


「もうじき、日も暮れるからギルドに戻ってマスターに報告しましょう」


 俺たちはミロシュさんの所へ行った後、ギルドに戻って来た。


 ギルドに入るとミレーヌさんがロングスカートの裾をひらひらさせながら、やってきて「お帰りなさい。三人とも家は無事に決まったの?」と訊ねてきた。


「はい。ここから北東にある一軒家に決まりました」


 俺がそう答えると、ミレーヌさんはニコッと微笑んで、奥へと去って行った。


 視線をきれいに並んでいる長机の方を見ると、寛之を見つけた。でも、その周りには少年少女が一人ずつ居た。


「守能先輩の周りに人がいるなんて……!」


 茉由ちゃんは驚きのあまり、寛之に対して、少しだけひどいことを言っていた。だが、確かに寛之の周りに俺たち以外のやつがいるのは珍しい。


「兄さん、あの二人誰なんだろう?」


「さあな」


 ……こればかりは本人に直接聞いてみない事には何とも言えないな。


 俺たちは寛之の方へと近づいて行った。


「おう、寛之。こっちに戻ってきてたのか」


 俺が声をかけると、寛之と周りの二人組はこっちへと振り向いた。どうやら、俺たちに気が付いてくれたらしい。


「ああ、この二人と一緒にな」


 寛之が二人を順に指さすと、二人とも何故だかとてもニコニコとしていた。


「えっと、この二人は?」


「ああ、僕が泊まることになった宿屋の部屋の……」


 寛之が話しているのを遮って、茶髪の少年が自己紹介を始めた。


「うっす、俺は寛之さんの隣の部屋に住んでるディーンッス!で、こっちが幼馴染のエレナっス!」


 少年……ディーンは自分の名前を名乗ってから隣にいる幼馴染の少女の名前も教えてくれた。少女……エレナは栗色の長い髪をサイドテールにしている。そして、その髪を揺らしながら俺たちに頭を下げた……のだが。


「ど、どうも、エレナです!」


 頭を下げたのはいいが、そのまま机に頭をぶつけてしまったのだ。


「はぅぅぅ……!」


 エレナという少女は頭を押さえてうずくまっている。


「兄さん」


 俺がそのうずくまっている少女を眺めていると横から紗希に袖を引っ張られた。


「紗希?どうかしたのか?」


「あの子、小さくて可愛い。まるで小動物みたい」


 紗希の言う通り、確かに少女というより小さな動物を見ているような気分だ。だが、事実エレナという少女は背が小さいのだ。ぱっと見150㎝もないと思う。ディーンは寛之と同じくらいの背丈だ。


「二人はいつ出会ったの!?」


 茉由ちゃんが目を輝かせながら、二人を質問攻めにしている。あ、紗希も入って行った。


 俺は話す相手が寛之しかいなくなってしまった。なので、仕方なく寛之にこうなった経緯を聞いてみることにした。


「なあ、寛之。お前、どういう経緯で二人とここに来たんだ?」


「ああ、それはだな……」


 寛之の話をまとめると、俺たちと別れて宿屋の主人に部屋に案内されたらしい。それからいろいろと説明を受けて部屋でくつろいでいると二人が部屋にやって来たんだそうだ。


 で、それから話を聞いているとこれから冒険者ギルドに行くという話を聞いて、一緒にここまで来たらしい。


「……ってことは二人とも冒険者なのか?」


「ああ、ここに来る途中に自分から言ってたからな。間違いないんじゃないかな」


 ということは俺たちの先輩にあたるという事になるのか。見た感じではそう見えなかったが。まあ、人は見た目じゃないからな。


 そう言っていると、ウィルフレッドさんとラウラさんが階段を上がってこちらへとやって来た。


「おや、ディーンとエレナも来ていたのか」


「はい!お久しぶりです!マスター!」


 二人とも元気よくウィルフレッドさんに返事をした。


「だが、まだ洋介と夏海の二人は来ていないようだな」


「ええ。ちょうどミレーヌが二人を呼びに行っている所です」


「……そうか」


 そして、俺たちがそうこう言ってる間にミレーヌさんと洋介、武淵先輩が降りてきた。


「お父さん、二人を連れて来たよ!」


「よし、あと二人で全員が揃うな」


 ……あと二人?今ここにいるのが11人だから、このギルドは全員で13人ということになる。……この町には冒険者が13人しかいないのか!?そう言えばパンの個数も26だったから13で割り切れるな。


「皆、もう揃っておったのか。遅れてすまんのう」


「ほんとね。遅れてごめんなさいね」


 入り口の方から二つの声がしたので振り返って見ると、一人の老人と中年女性がいた。


「やっと来てくれたか。ロベルト、シャロン」


 ウィルフレッドさんがゆっくりと二人の所へと歩いて行き、仲良さげに何かを話していた。


「では、二人ともまずはこの新入り六人に自己紹介をしてくれ」


 二人はどちらから話すかを譲り合っていたが、老人の方が折れて俺たちの方へやって来た。


「どうも初めましてじゃな。わしはロベルト。このギルドの冒険者じゃ。このギルドが出来た頃からの古参のもんじゃ。お手柔らかに頼むよ」


 そう言ってロベルトさんは笑いながら、顎髭を右手でさすっていた。


「よろしくお願いします!」


 俺たちは規律正しく一礼をした。


「わしは鍛冶師(スミス)だから、武器とか防具が壊れたら直してやるからの」


 おお、それなら安心だ。……まだどんな武器を使うのか決まってすらないけどな。


「それじゃあ、次はワタシかしらね」


 そう言ってシャロンさんがこちらにやってきて自己紹介をしてくれた。


「ワタシはシャロン。魔道具を専門に作ってるわ。よろしくね」


「こちらこそよろしくお願いします!」


 俺たちはシャロンさんに頭を下げた。今度は俺たちが順番に自己紹介をしてその後は皆で一緒に夕食を共にした。


 その時にシャロンさんから聞いたのだが、何でもラウラさんの叔母にあたるのだそうだ。


 俺たちはその日は夕食を摂りながら大騒ぎをして終了した。


「それじゃあ、俺と姉さんは部屋に戻るからな」


「それじゃあ、皆また明日ね」


 まず始めに洋介と武淵先輩が二階の部屋へと戻って行った。


「今日は飲み過ぎたのう……」


 そう言ってロベルトさんは酒樽の前で寝転がっている。


「ロベルト。もう寝てきたらどうだ?」


「うーん、それじゃあマスターのお言葉に甘えて寝るとするかのう」


 ロベルトさんはムクリと起き上がって階段を降りて行った。


「ウィルフレッドさん、ロベルトさんってどこで寝るんですか?」


「ああ、やつは下の鍛冶場だ。やつにとってはあそこが家みたいなものだからな」


 そういえば、初めて一階に上がって来た時に通ったな。


「そして、シャロンがその向かいの調合場だ」


 ……なるほど、それで鍛冶場や調合場があったのか。ようやく納得がいった。


「なるほど。最初に洋介から聞いた時にはどういうことかさっぱりでしたが、今そう言われてようやくわかりました」


「それなら良かった」


 それからも俺たちは素直に宴を楽しんだ。


「それじゃあ、僕はもう宿に戻るよ、皆、また明日」


「あ、寛之さんが戻るんだったら俺も戻るっス!」


「あ、ディーン!私も戻るよ!」


 そう言って寛之とディーン、エレナは宿に帰って行った。


 こうしてこの場に残っているのは俺、紗希、茉由ちゃん、ウィルフレッドさん、ミレーヌさん、ラウラさん、シャロンさんの7人となった。


「直哉たちも家に戻ったらどうだ?」


 ……まだまだここでゆっくりしたいところだが、正直ここに長居するのも迷惑だろう。


「そうですね。それじゃあ、俺たちも家に戻ります」


「ああ、気を付けて帰るんだぞ」


「はい!」


 俺たち三人は「おやすみなさい」と告げてからギルドを出た。


 ギルドを出ると、外は闇に包まれていた。俺たちは家に向かって歩いた。その道中は俺たちの足音以外は何の音もなく、夜のローカラトの町は静寂そのものだった。


 俺たちが歩くこと15分。ようやく家に着いた。


「そういえば、部屋割りとか決めてなかったな」


「一階はボクたち三人で使うところだね。あと。個室があるのは二階と三階だったよね?」


「ああ、そうだ」


 とりあえず、俺たちは家の一階の部分にある木製の古びた机を囲んで話をした。結果、寝泊まりするのは俺が二階で、紗希と茉由ちゃんが三階という事になった。


「それじゃあ、先輩。また明日!」


「いくら美少女二人が上で寝てるからって一人で作業したり、夜這いしたりしたらダメだからね!」


「誰がするか!」


 俺がそう吠えると紗希と茉由ちゃんはケラケラと笑いながら階段を上って行った。全く、からかわれるっていうのはあまり気分のいい物じゃないな。


「全く、やれやれだぜ」


 俺は自分の部屋に戻って横になった。ベッドのシーツはミロシュさんが気を利かせて取り替えてくれたので何とか横になれる。


「今日もいろいろなことがあったな……」


 俺は天井を眺めながら今日一日の出来事を思い返した。


「呉宮さん、大丈夫かな……?」


 俺は遠く離れた呉宮さん(かのじょ)の事を思った。


 そして、俺は月明かりの覗く窓の外に輝く満天の星空に誓った。


『どんなことがあっても呉宮さんを救い出す!』と。

皆様、第22話「ギルドに集いし者たち」の方はお楽しみいただけたでしょうか?

今回は新キャラ4人も出てきてややこしかったかもしれませんね。

老鍛冶師のロベルトと、魔道具師のシャロン、寛之の隣の部屋に泊まってるディーンとエレナ。

是非、覚えて頂ければ嬉しく思います。

――次回「魔血石」

次回はいよいよ魔法が出てきます!

ここまで来るとやっと異世界ファンタジーって感じですね。

明日、6/22の20時に更新するので、是非読みに来てください!

それでは、また明日から一週間頑張っていきましょう!

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