第76話 王妃様と王女様
あれから特に何も無い平話な一週間が経過した。
「旦那様、王宮からお呼び出しでございます」
執事のディルクが一枚の書簡を手にやってきた。
「おう、ありがとう」
翌日、樹はアリアと共に王宮へ訪れていた。
「毎度毎度、呼び出してすまんな」
樹たちが応接間に入ると国王陛下と二人の美女が座っていた。
「いえ、陛下直々のお呼び出しじゃ断れませんよ。それで、今回は美女たちが同席とは華がありますね」
「ははは、お前さんも知っておるとは思うが、ワシの妻と娘だ」
樹は何度か王宮で顔を合わせた程度だったが、王族の顔を知らない訳が無かった。
「ええ、存じていますよ」
樹は陛下たちに言った。
「お初にお目にかかります。オーウェンの妻のアデーレと申します」
「娘のアメリアです。お噂は伺っております」
美人親子が綺麗に頭を下げた。
「これはご丁寧にどうも。綾瀬樹です」
「アリアと申します」
樹たちも頭を下げた。
「それで、今回はどういったご用件で? まさか、俺たちに会わせるためだけに呼んだわけじゃありませんよね?」
「流石は察しがいいな。実はだな、アメリアは今年で13になる。ワシは駄目だが、アメリアには魔法の
才能があってだな、魔術学院に入学させたいと思ってな」
「なるほど。王女が二人ですか……」
一国の魔術学院に王女が二人。
これはまた、凄いことになったもんだ。
「まあ、僕はいいと思いますよ。魔法の才能があるなら伸ばすに越したことは無いですから」
「私もそうおもいます」
アリアも異論は無いといった様子だった。
「ありがとう。そう言ってくれると助かる」
「よ、よろしくお願いします」
ただ、樹としても試しておきたいことがあった。
「とりあえず、王女様の魔法適正を見させてもらってもいいですか?」
「お、やっぱりそう来たな!」
陛下はノリノリだった。
「中庭使っていいから全力でやってくれ」
「分かりました」
陛下のお許しが出た所で樹たち一行は中庭へと移動した。
「よし、アメリア姫、全力でどうぞ」
対峙する王女アメリアに樹は言った。
「え、よろしいんですか? 樹さんは?」
「大丈夫だ。いいから全力で来い」
「分かりました!」
『ライトスピア』
光の矢を5本ほど展開すると樹に向かって放った。
しかし、樹は避ける素振りも、魔法を展開する素振りも見せない。
ドーーーーン!!
まともに正面から食らった樹。
「うーん。展開速度は速いけど、威力はまだまだだね」
樹はコートに付いた砂埃を払いながら言った。
「嘘!? 避けずにまともに食らうなんて。しかも、全然効いて無い……」
アメリアは呆気に取られていた。
「どうした? もう打ち止めか? なら、こっちから行くぞ」
『ライトスピア』
樹はアメリアが放った物と同じ魔法を威力を倍にしてアメリアの後ろに放った。
「なんて、威力……」
「せめて、これくらいは出来るようにならないとな」
そう言って樹は少し口角を上げた。
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