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第59話 シャルにストーカー

 その日、オリエンス王国の姫様が同じ食卓を囲んでいる以外は変わらない日常だった。


「私、日用品の買い出しに行ってきます」


 食事が終わるとシャルが言った。


「おう、いつもありがとうな! 気をつけてな!」

「はい、仕事ですから、お気になさらず」

「いってらっしゃい」

「行ってきます!」


 そう言うとシャルは屋敷を後にした。


「やっぱり……」


 お屋敷を出て、数分。

いつも日用品を買う雑貨へと向かう道中、シャルはどこからともなく視線を感じた。

ここ何日かずっとその視線が続いていた。


「樹さまに相談しようかな。でも、こんな事で樹さまのお手を煩わせるわけには……」


 樹に相談したら、樹は全力でシャルを守るだろう。

だからこそ、シャルは樹に言うのを遠慮していたのだ。

 そう思っていた刹那、前に1人の若い男が立ち塞がった。


「君、うちで雇われない?」


 そう言った彼はそこそこの身分なのだろうと身なりで察しが付く。


「誰ですかあなた? 私はお仕えする主人が居ますので失礼します!」


 シャルはその男の横をすり抜けようとした。


「何故やつなんだ! 何故うちに来ない! あんな三流冒険者のどこがいいんだ!」


 その男は取り乱し、シャルに掴みかかろうとした。


「お前がそんなんだからだよ」


 その声は他でも無い樹だった。

樹はその男の腕を取ると関節を決めていた。


「痛い……」

「当たり前だ。痛くしてるんだからよ」

「離せ……」

「二度とシャルに近くな。折るぞ」

「分かった。分かったから、折らないでくれぇ」


 男が情け無い声を上げた。


「去れ」


 樹は男の腕を離すとドスの効いた声で言い放った。

樹はシャルも見惚れてしまうような男らしい表情だった。


「すみませんでしたぁ」


 その男は逃げるように去って行った。


「シャル、大丈夫だったか?」

「は、はい。ありがとうございます。それより、樹さまは何でここに?」

「屋敷を出る時のシャルの表情が何か悩んでるようだったから気になってな」


 樹はこういう所は鋭い。


「すみません。ご迷惑をおかけしてしまって」


 シャルは勢いよく頭を下げた。


「そうだな。シャルにはお説教しないといけないな」

「はい……」

「もっと、早く俺を頼れ!」

「へ?」


 完全に怒られると思っていたシャルは拍子抜けした。


「1人で悩むな。俺やアリア、屋敷の皆んなシャルの味方だ」


 そう言って樹はシャルの頭を撫でた。


「あ、ありがとうございます……」


 シャルは涙目になった。


「ああ、泣くなよ」

「はい……あの男の人、誰だったのでしょうか?」

「ああ、あれはダミアン男爵の馬鹿息子だろ」

「え、貴族の方をあんな扱いして、樹さま大丈夫なんですか?」

「問題ないだろ。立場的には俺の方が上だし」


 魔術学院の学長でなおかつSランク冒険者はそこらの貴族よりよほど力がある。


「まあ、ヤツのことは置いといて、買い出し済ませようぜ」

「すみません付き合わせてしまって」

「いいのいいの、荷物持ちは必要だろ?」


 樹とシャルは日用品の買い出しを済ませると屋敷へ戻るのであった。

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