第52話 生徒たちの救出
樹はアリアと共に、生徒の反応があった廃墟へと足を踏み入れた。
「なんか気味が悪いですね」
「ああ、そうだな」
廃墟なだけあってかなり埃っぽかった。
「どうやら、上みたいだな」
二階の方から何やら話し声が聞こえてきた。
「はい、行きましょう」
樹たちはそっと階段を上った。
階段を上りきると物音がする一番奥の部屋へと向かった。
「うちの生徒が世話になったみたいだな」
樹は扉を蹴り破ると男たちに向かってそう言った。
「生徒だと。お前たちまさか……」
「「先生!!」」
攫われた生徒たちがそう叫んだ。
「カッコつけてんじゃねぇぞ!!」
男二人が、樹とアリアに殴りかかって来た。
それを綺麗に躱すと樹は男の腕を取り、捻り上げた。
そのまま、みぞおちに拳を打ち込んだ。
アリアは殴りかかって来た男に足をかけると転倒したところにかかと落としをお見舞いしていた。
「ご愁傷様です」
樹は呟いた。
「く、来るなぁぁ!!」
最後に取り残された男が樹に向かってナイフを構えたが、その手は震えていた。
「ナイフの使い方、お教えしましょうか?」
樹は男の正面に立つと圧をかけた。
「あぁぁぁ!!!!」
男はそのまま何も考えず、飛び込んで来た。
樹はナイフを持った手を刺される前に握り、叩き落した。
「いい加減に諦めろ。もう、終わりだ」
冷たい声で言い放った。
「無事か?」
「大丈夫?」
樹たちは生徒の元に駆け寄った。
「は、はい。大丈夫です」
「私も大丈夫です」
二人は特に怪我も無い様子だった。
「そうか。それなら良かった」
「安心しましたね」
樹たちは生徒を縛っていたロープをほどいた。
「流石ですね。こんなに早く見つけ出してくれるとは思いませんでした」
生徒の一人がそう言って樹に近づいてきた。
「ま、まあ、王都に居る限りは探し出す術はあるさ」
樹たちは犯人の男たちを縛り上げるとそのまま衛兵に引き渡した。
「帰るぞー」
そう言うと樹は生徒たちを連れ、魔術学院へと戻った。
「エドモンさん、生徒は無事連れて帰ってきましたよ」
学院に戻ると事務長のエドモンが待っていた。
「おお、お待ちしておりました。皆さん、ご無事で何よりです」
「生徒たちも疲れていると思いますので、今日は休ませてあげて下さい」
「もちろんでございます。いや、さすがですな。こんなに早く、見つけ出して、犯人の制圧までしてくるとは」
「うちも舐められては困りますからね。一度はガツンとやってやらないといけませんよ」
騎士学院に対して、新設された魔術学院は何かと下に見られがちだ。
剣より魔術が劣っているといいう謎の偏見があるのだろう。
「そういう所嫌いじゃありませんよ」
「魔術だって高位なものなんです。この国はその認識が足りないように思えます」
樹はそんな愚痴をこぼした。
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