序章 魔物を宿す者・第1話
初めまして!
今回初投稿、壊武です!
転生魔族と厨二病・・・略して「転厨」という所でしょうか。
ギャグのような異常な日常をお楽しみください!
最近よくある勇者の現世転生。
俺はそれに該当する。
異例だとすれば、俺が勇者ではなく、魔王の手先だということくらいだ。
転生陣に入る前、魔王様から授かった右腕の魔物。
「これを宿すと如何なるものでも死すと言われている。しかし、お前なら飼い慣らすと信じている。異世界を侵略し、世界に更なる闇をもたらせ!」
そう、言葉を賜った俺は意を決して現世へ飛び込んだ。
*
始業のチャイムが鳴る。
転生してから16年。
誰にも見破られることなく、志賀 暮人という人間ライフをおくっていた。
両親とも緩いヤツらで、俺の野望に気づくどころか甘やかされて育った。
『この世界もあと数年で魔王様のものとなるだろう』
あいつが来るまではそう思っていた。
翌日
いつも通り登校し、HRが始まった。
今日は担任が誰か知らない生徒を連れてきたようだ。
「はーい、みんな席に着いて!今日は転校生を紹介します。入ってきて」
担任に呼ばれて入ってきた転校生は・・・大怪我をしたのだろうか。
右腕に包帯を巻き付け、左目には眼帯を付けていた。
周りの生徒はなにか勘づいたのか、ヒソヒソと話し始めた。
「じゃあ、自己紹介よろしくね」
彼は重々しく自己紹介?を始めた。
「俺の名は黒木 剣斗・・・いや、この名は既に捨てた。選ばれし者にのみ告ぐ。俺はロード・ブラックソード!常闇の魔剣を引き抜いた、闇の英雄だ。俺の右腕には魔剣に宿り暗黒獣、左目にはそれを抑える魔法陣が描かれている。滅びたくないのならば、せいぜい俺に近づかぬ事だな!」
長々とした自己紹介が終わるとクラス中が静まり返っていた。
当然だ、こちらの世界にはあいつが言うようなものはない。
ということは・・・今のはまさか俺に向けた自己紹介か?
魔剣ブラックソードの保持者。
闇の英雄、暗黒獣、魔法陣・・・間違いない。
あいつは、転校生は向こうの世界の者だ。
周囲の生徒も何かを察したのか、口々に「アイツには関わってはいけない」と言っていた。
「そ、それじゃあ黒木くんは・・・志賀くんの横の席に座ってもらおうかな!」
少し戸惑ったが、どちらにせよあいつは問い詰めなければならない。
手間が省けたということにしよう。
アイツは生徒の畏怖の視線の中、まっすぐ俺の横まで来ると、目もくれず座った。
「よろしく、黒木くん」
仮にもこちらでは人間として過ごしているため、挨拶はしておくべきだろうと判断した。
この世界では人間以外は全く受け入れられない。
コイツもそれくらいは分かっているだろう。
しかし、コイツはバカなのか
「精々、俺の右腕に殺されぬよう足掻け!」
と、投げやりな返事をしてきた。
今日からこいつを観察しながら人間を装って過ごしていかなければならないのか・・・
この世界を侵略するにはまだ先になりそうだ。
読んでいただきありがとうございます!
主人公はどことなく掴みづらい性格な感じを・・・出せてるかなぁ?
連載にするので、5〜7日毎に更新しようと思います!
それではまた次回お楽しみに!