表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

日々

作者: そっぽ

朝。小さなアラームの音で目が覚める。

いつもみる夢がぼんやりと頭の中を反芻する。

遊園地で楽しく遊んでいるはずなのだが、

気がつくと周りにいた友人がどこかへ消え去るという

後味の悪い、悪夢といっていいのかどうかもわからない

そんな曖昧な夢。


スマホのアラームを止める。

まだ、6時か。起きるのが億劫だ。

そう思い、しばらくスマホをいじる。

今の季節は冬。

布団の中は体温で暖かくなっているが、

外の気温はかなり冷たいのだ。


しばらくすると、

トイレに行きたくなってきた。

のそのそとベッドから這い出る。

寒い廊下を裸足で歩くと、

足先からどんどん冷えていく。


トイレをすませ、洗顔をし、

朝食の準備を始める。

といっても、冷凍された食パンを温め、

お湯を沸かし、お皿を用意するだけなのだが。


朝食を温めている間に自分のメガネを探す。

昨日の夜遅くまでパソコンを触っていたので、

パソコンを置いてある机の近くに落ちているはずだ。

目が悪いので思いっきり目を凝らしながら探していると、

ようやく発見できた。

メガネをかける。

あまりの寒さに、メガネが曇っていた。


チン。

トースターが鳴る。

どうやら食パンが焼けたようだ。

キッチンに取りに行く。

ついでに部屋の暖房のスイッチを入れる。

一人暮らしのアパートでは、

家電と暖房を一気につけると

ブレーカーが落ちてしまうので

気をつけなければならない。


ちょうどお湯も湧いたようだ。

コップにコーンスープの粉を入れ、ポットからお湯を注ぐ。

また湯気でメガネが曇ってしまったので服の袖で拭う。

トースターから熱々の食パンを取り出し、

まだ温まっていないキンと冷えた室内で朝食を取る。


テレビをつけ、天気、ニュースを確認する。

今日の天気は曇り。

相変わらず嫌なニュースばかりが流れている。

ふと時計を見ると、出勤まであと30分になっていた。

のんびりとご飯を食べている暇はない。


朝食を片付け、歯磨きをする。

このころには室内も温まり、私の体の血の巡りも良くなってくる。

パジャマから地味な外着に着替え、化粧を顔に施す。

ナチュラルな薄付きの化粧だ。

出かける準備はできた。


玄関に向かう。

今日の靴はどれがいいかな。

・・・どれも同じか。

似たような黒い靴が玄関に並んでいるので、

適当に選んで履く。

鍵をつかみ、ドアに手をかける。


今日もまた今日が始まる。

きっと明日もまた同じような日々が続くのだろう。

小さな白い息が口から漏れた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 物寂しさを感じる。恐らく、その夢を見ていなかったら、こんな現状に、主人公は何も思うことなく過ごしていたのだろうと思うときつい。 [気になる点] こうなってからの期間の具体的な長さを示す要素…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ