05
着いた。ついに来たぞ、フリントの町!
ぐるりと町を囲む城壁には東西南北に入り口があり、門番の兵士が目を光らせていた。
一応、町に入るために簡単なチェックがあるようだ。
「身分証を見せろ」
「あの、持っていません…」
「では1000ギルを徴収する。その頭の上にいるタイグーンは従魔か?」
「そうです」
「白いタイグーンとは珍しい…冒険者ギルドで登録を済ませておくんだぞ」
冒険者ギルド!
これはもう、行くしかないだろう。
「はい、ありがとうございます」
1000ギルを支払い、いよいよ町の中へ。
ハク、あとで肉食わせてやるから大人しくしてろよ?
(うん!)
それにしても、思ったより賑やかな町だな。
すれ違うのも人間だけじゃない、ドワーフに獣人、魔族までいる。
珍しくて片っ端から鑑定しました。ごめんなさい。
(ますた?)
何でもないぞ、ハク。
さ、まずはギルドで登録を済ませて身分証を作ろう。
ハクの従魔登録もしような。
それが終わったら、宿を探してのんびりするか。
◇◇◇◇
冒険者ギルドは大通り沿い、町のほぼ中央付近にあったのですぐに分かった。
…見た感じ、銀行の窓口?清潔で明るい雰囲気。
酒場と併設されてる事もなければ、新人に絡んで来そうな輩もいない。…残念。
「あの、すいません」
「はい、何でしょう」
おお、エルフ!本物!!
「冒険者登録と、こいつの従魔登録をしたいのですが」
「かしこまりました、ではこちらの用紙にご記入をお願いします」
えーっと…スキルのおかげで読み書きは大丈夫そうだな。
名前と年齢、職業、従魔…
ステータスは公開されないのかな?念のため色々偽装しとくか。
「はい、これでお願いします」
「お預かりします。あと、従魔登録に5000ギル必要になります」
必要経費か。
異世界でも動物を飼うにはお金がかかるらしい。
「では、この水晶に魔力を流してくださいませ」
テニスボールくらいの大きさの水晶に軽く魔力を流すと、ぼんやり発光し始めた。
「では、少々お待ちくださいませ」
待つ事しばらく。
「…よ、ヨシト様…ギルドマスターがお呼びです」
「ギルドマスター、ですか」
どこか引き攣った笑顔のお姉さん。
俺のステータスや称号、もしくはハクについて。
さーて、どっちがバレたのやら…
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読んでくださってありがとうございます。
次ぐらいからお話が動き始めますので、よろしくお願いします。