04
「お、もう夕方か」
今から移動しても町に着くのは夜になるだろう。
予定変更、今夜はこのまま森でキャンプだ。
となると、まずは寝床の確保だな。
通販スキルでアウトドア用品を物色してみる。
「すごいな…」
知らない間に、キャンプ用品は進化を遂げていた。
ぐ、グランピング…? ゲル型 ?
俺のイメージでは、テントといえば三角形の小さなやつ。
でも、これは普通の部屋くらいの広さがありそうだ。
中でも目を引いたのは、タマネギ型のテント。
『重くて持ち運びには向きませんが、設営は簡単です』
アイテムボックスに入れておけば、重さは関係ない。
よし、これにしよう。
『本当に購入なさいますか?』
購入ボタンにタッチすると、再度確認メッセージが出てくる親切設計。
代金は所持金から自動引き落とし。
購入完了のメッセージとともに、目の前に大きなダンボールが現れる。
よーし、組み立てるぞ!
ニャー♪
魔法の力も借りて設営中の俺をよそに、ハクはダンボールの中でマッタリ。
そういや猫って空き箱とか好きだよな…
(ますた、がんばれ〜)
ハクの応援のおかげか、時間はかかったが無事にテント完成。
中は広々してるので、寝袋じゃなくベッドを置いてみるか。
通販スキルで、ダブルサイズのベッドとシーツ、枕、羽毛布団を購入して設置。
それでもスペースが余ったので、ラグとイスとテーブルも追加購入。
灯りは、光魔法で小さな光球をいくつか作って浮かべておいた。
「すごい…」
豪華。とてもテントとは思えない。
焚き火台とか、ちょっと惹かれたけど我慢。
こういうのは一旦凝り始めると止まらなくなりそうな気がする。
「ハク、この森には襲ってくるような動物や魔物はいるのか?」
(おっきいの、ガオーって)
何かしら、危険なのがいるらしいな。
夜の森、しかも異世界。警戒は怠らないようにしないと。
こういう時は、無属性魔法の出番。
空間魔法で、テント周辺に結界を張ろう。
「クリエイト・バリアー」
イメージは、透明で巨大なドーム。
テントを中心に、半径10メートル程を囲った。
たっぷり魔力も込めたから、核ミサイルにだって負けないと思う。
よーし、これで今夜は安心して眠れそうだ。
読んでくださってありがとうございます。
そろそろヒロインが出てきます。