03
ステータスを確認してみると、ハクは俺の従魔という扱いになっていた。
称号にも、『聖獣を従えし者』というのが追加されてた。
トラブルの予感しかしないんだが、気のせいだろうか。
(ますた♪)
ハクの大きさは、まだ手のひらサイズでコンパクト。
フワフワの毛並み、プニプニお腹、小さな肉球…可愛いは正義。
「なぁハク、聖獣って何だ?」
(せいじゅー?)
こてん、と首を傾げるハク。
……まあ、後回しでいいか。
「よし、町に行く準備をしよう」
まずは服装。今着てる服は女神様チョイスかな?
シンプルな木綿のシャツにズボン、革のブーツ。
通販スキルで鏡を購入して、全身を確認。
ここで初めて自分の外見を知った。
『見た目は、せっかくなんでちょっと異世界っぽく…』
確かにそんな事を言った覚えはある。
基本的な顔立ちはそのまま、黒髪に一房の銀髪。右目は赤で左目は黒。
ありがとうございます、女神様…女神様の好みって随分と厨二…
いや、この世界では普通なのかもしれない。そうだよね?そうだといいな。
ニャウ!
ハクは俺の頭の上に。
肩の上に移動してもらえると助かるんだが…嫌?しょうがない。
「爪を立てるなよ、ハク」
(あい!)
「お漏らしするなよ」
(………しない)
その間が気になるんだが?
前フリじゃないぞ。するなよ、絶対にするなよ!
それにしても、念話って便利だな。
そうだ、いくつか魔法の検証もやっておこう。
少し開けた場所に移動。
「ここら辺ならいいかな」
女神様インプットしてくれた知識によれば、魔法には二種類あるらしい。
火、水、風、土、光、闇、6つの基本属性魔法。
そして、無属性魔法と呼ばれる、それ以外の魔法。
通常は1つか2つの魔法適性らしいが、俺は女神様のおかげで全属性使える。
手のひらを前に向けて、集中。
「炎よ」
ゴーーーーッ!!
ライターほどの小さな火を出すつもりが、火炎放射器になってしまった。
魔力を込めすぎたようだ。
ハクも驚いたようで、頭皮に思いっきり爪が…痛い。ヒール。
「炎よ」
3度目でようやく成功。
基本属性魔法は、全ての属性が問題なく発動することを確認出来た。
特に、光魔法のヒールは役に立ちそうだな。
「あとは無属性魔法か…」
こっちは自分次第で色々出来そうだ。
そのうち、少しずつ検証していくとしよう。
読んでくださってありがとうございます。