02
女神様の手紙によると、ここはグラナディア王国。
王都から馬車で2日ほどの小さな町、フリントという町の東側にある森らしい。
「町に行く前に、スキルも確認しておくか」
固有スキル : アイテムボックス、全言語理解、鑑定、偽装、通販
まあ、大体の予想はつくけど…この通販って何だ?
女神様からの手紙によれば、元の世界の食べ物や日用品が購入出来る能力らしい。
早速、ステータス画面の『通販』という文字をタッチ。
ブォン、と音がして目の前に新しいウインドウが開かれた。
「すごいな、これ」
うん、見慣れたネットショップの画面と変わらないようだ。
食品、衣服、日用雑貨…色々な商品カテゴリーがある。
気になる食品は、おにぎりにお茶、水、お菓子、アイス…ビールもある。
………あまりにも至れり尽くせりすぎて不安。
ニャウ、ミニャー。
お前まだいたのか。ついでに鑑定。
エンペラー・タイグーン (帝王種・幼体)
雷を司る聖獣。空腹。
帝王種…聖獣…不穏な単語はひとまず無視。
俺に噛り付いているのは、空腹のせいらしい。
まだ子供のようだけど、親とはぐれたのか?
虎って何食うんだろう…やっぱ肉かな。
とりあえず、通販のスキルを使ってお握りとソーセージ、水を購入。
俺も腹減ったので、食事にしよう。
「食うか?」
シャケお握り食べつつ、ソーセージを1本差し出してみた。秒で消えた。
お気に召したらしいので、何本か纏めて目の前に置いてやった。
ウニャウニャ言いながら食べる姿は可愛くて癒される。
足りないと鳴くので、追加でリンゴとバナナも食べさせてやった。
『エンペラー・タイグーンをテイムしました。名前を付けて下さい』
突然頭の中に流れたアナウンス。
え、テイム? 何の事だと小虎を見れば、俺の足元で行儀よくお座りしてた。
お前、俺にテイムされたの?餌付け成功?
ニャウ!
早くしろと言わんばかりに、肉球パンチが飛んでくる。
知り合いもいないこの世界、ペットを飼うのも孤独が紛れていいかも知れん。
とりあえず名前を付けるか。
空飛ぶ白い虎。白…シロ…は安直か。
じゃあ、ハク。うん、お前はハクだ!
(なまえ、ハク、ますた、よろしく!)
転生初日。
可愛い相棒が出来ました。
読んでくださってありがとうございます。