これまでのあらすじ
遠い昔、はるか彼方の太陽系で…。
─ Tactics Testicles ─
Chapter-1 『Yes, released in japan.』
第1章 『放たれる夷共』
はるけき昔、この海内に群雄割拠の時代があった。
海人族は西日本を中心に人間の王土を広げた。
彼らは自らを大和と号し、四方に軍を送った。
伊都国、土佐国、出雲国、吉備国、狗奴国、高志国の6つの地方は揃って降り、ここに一大支配圏が完成したのである。
対して東日本は夷たちが鬼奴国を号し、夷の王国を樹立させた。
彼らは関東以北より十州島(北海道)まで勢力圏を広げつつあった。
海内は、ほぼこの二つの勢力に二分され、覇権をかけて激しく争った。
例外に薩摩隼人、琉球国、佐渡国が時にどちらかと手を結び、時に独立をかけて両方に戦いを挑んだ。
夷は突如、東日本に転び出た人外であり、瞬く間に程度の低い原住の東人に代わって数を増やした。
しかし備えの十分な大国・大和国は、この人外の化生と五十を超えて争った。
幾何かの戦いの後、しばらくは戦火も止んだ頃…。
突如、夷たちは尾張国を攻め、この地を掠め取ろうと企てた。