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半透明の彼女。

作者: 小学6年生。

正直なことを言うと、私は、優しい人間だ。これが、君の口癖だった。

いつもと変わらない道で、ある日僕たちは出会った。窓から明るい光がさしこむとどうじに、僕は目覚めた。時間は、朝の6時。あくびをしながら1階のリビングに向かう。いつものように食卓のテーブルにつくと、朝食のトーストがあった。甘党な僕は、イチゴジャムをたっぷりつけておいしく食べた。お腹がいっぱいになり、学校へ行くしたくをしようと、2階の自分の部屋へと戻った。眠い目をこすりながらくつをはいて玄関のドアを開ける。そして、いつもの学校へと向かう。いつもと変わらない道を歩き、いつもと変わらない交差点をわたろうとしたその時、マンガなどではありがちなシーンが、目の前で起こっていた。それは、おばあさんが、信号をわたるときに荷物を持つ。ということだった。そんなアニメチックなことは簡単には起こらないと思っていたが、実際に起こっていた。綺麗な女の人が、おばあさんの手をひいてにっこりと微笑みながら、交差点をわたっていた。と、いうことだ。僕は、その女の人に対して、優しい人なんだなあ、、、と、思った。その人は、おばあさんからお礼をいわれ、そのおばあさんと別れた。その女の人の後ろを歩いていた僕は、その女の人のカバンからキーホルダーがとれて、落ちているのに気が付き、拾って、その女の人にわたした。そうすると、嬉しそうに、でも申し訳なさそうに、

「あ、落としてた?ごめんねー!ありがと。」と、笑顔で返してくれた。女の人が前を向きなおそうとしたとき、とっさに「あのっ名前っなんていうんですか?」と聞いてしまった。そうすると、「私、山口愛華。大葉高校の2年だよー。ってか君、同じ学校だよね?」そうだった。気がつかなかったけれど、同じ制服だった。呆然としていると、山口さんが、「ねえ、一緒に学校行かない?」と、さそってきた。僕は、「あ、あの、、いいんですか僕なんかと、、、」彼女は笑顔で答える。「うん。どうせ、一緒に行く友達も、彼氏もいないしー。」「、、、、。なんかすいません、、、。」「いいのいいの!気にしないでー!あ、それより、さっき、私のこと優しい人っておもったでしょ。」「はい!とっても!」「ふふーん。それはねー実は、全部計算なの。ふふふ。私、しょーじきにいうと、優しい人間なの。」ふふふっと、悪魔の笑みを浮かべながら彼女は笑う。僕は思わず「は、、、、?」という声をもらしてしまう。「これは、全部けいさんです。はい。わたしね。おもうの。人に対する優しさをもっていれば、必ず、いいこととして、かえってくるって。だって、いいことをしたっていうのに変わりはないでしょ。」と、なんだかんだ話していると、あっという間に学校についた。学校につくなり、クラスメイトの男子から、「彼女かー?」なんていわれたけれど、すぐに否定した。そして、山口さんと、僕は、それぞれの教室へと向かう。彼女のことについて整理する。彼女は、大葉高校の2-4くみらしい。あとは、、、すべては、計算。と、いうところだろうか。ちなみに、僕は、1-2くみだ。年上、、、、か、、、、突然ですが、僕は、人の匂いに敏感です。彼女からは、さっぱりしたせっけんのいい匂いがした。変態かな?いや。そんなことはどうでもいいんだ。

放課後。僕は、決まって、図書室に行く。今は寒い冬。ひんやりとした、暗い、人気のない廊下。不気味だなあ、、、。なんて思っていると、反対側から、さらさらの黒髪で、ザ、女子って感じの子が、こっちへむかってきた。それにきがつかなかった僕は、ぶつかってしまった。「ててて、、、」という女の子に「ごめん。大丈夫?」と、言ったらザ、女子は、怒った感じで「これ、、、どうしてくれるの、、、」といった。床には、順番にならべられていたらしいプリントが床に派手にちらばっていた。慌ててプリントを拾い、ザ、女子にわたすと、「はい。有難うございました。」と、無駄な敬語でお礼を言われた。それの意味が分からず、立ち尽くしていると、「あたし、1-3の、藤原乃々。おぼえといて。」といわれた。ちなみに、藤原さんからは、甘ったるいローズの香りがした。ふと、彼女をどこかで見たことがあるような気がした。それは、次の委員会で明らかになった。ザ、女子と同じ委員会であることが判明した。僕は、図書委員。ザ、女子も。同じくだ。委員長からの案で、2人1組で、おすすめの本の紹介をすることになり、その、ポスターを作ることになった、、、、、。ザ、女子と。2人きりの図書室なんか気まずいなあ、、、なんて思っていると、藤原さんが、「ねえ、私と友達になってよー」といってきた。告白でもないのに断るよちもなく、いいよ。とだけ返した。彼女はというと、満面の笑みで、ガッツポーズをしていた。きずけば僕たちはこの前まで顔見知りの人だったのにすぐに仲良くなった。どうやら彼女と僕は、趣味まで似ていて、毎日、その話で盛り上がっていた。ふと、考える。こんな僕と友達になりたい。だなんていってくる人はそういない。果たして、こんな僕でいいのだろうか。と。彼女いわく、「いやあー実のところ、顔がものすんごいタイプでねー」それを聞いた僕は、へ、、、、、?と、間の抜けた返事くらいしか出来なかった。そんなこと気にも留めない彼女は続ける。「でも、話してみると、もうそんなことどうでもよくなる位、君が面白いんだよ。」「え?まってまって、顔?」と、藤原さんの話についていけず、思わず質問する。藤原さんは、「うん。え?もしかして自分で気づいてない?」「???」「あー言っとくけど、君、なかなかかっこいいよ」「はあ、、、、?」「うん。でも君と話してると楽しいし、たのしい。よ?」「なんじゃそりゃ」「ふふふ」なんて、会話が楽しい。放課後、久しぶりに山口さんに会った。山口さんは、「おーい少年よー」といいながら、とことこ歩いてくる。ふいに思った。山口さんのことを藤原さんに話したことはあっただろうか。「ねえ、聞いてる?」その山口さんの声で我に返った。「どうしたの?」「なんかあった?」と心配そうに聞いてくる山口さんの声が、いつもと違う感じがした。じつは、山口さんは以前からなぜか不思議だな、、、、。なんて思うことが多くて、実在していない様な気がした。初めて山口さんを見た時は、おばあさんの手をひいてにっこり笑ってたし、、、。流石にそれはないだろうと思っていたその時、あまりにも一瞬で、最初は、何が起きたか分からなかった。ゆっくりとその場の状況を飲み込む。反対側から走ってきた人が、山口さんの体を突き抜けていった。ほんの一瞬。そう。一瞬。にこにことまた話し始める山口さんを見て、僕は、ますます彼女が分からなくなった。それからは覚えていない。どうやって家に帰ったのかも、分からない。

どうやら僕は、帰ってきてからずっと、死んだように眠っていたらしい。そして、またいつもと変わらない学校へとむかった。僕は、図書室へ向かった。図書室の椅子に座り、明日の予習をしていると、「ガタッ」と椅子をずらす音がしたので、音のほうに顔を上げる。そこには、山口さんがいた。山口さんは、僕に、「よう」といったので、僕も、「よう」と返しておいた。「、、、、。ねえ。君。私になにかききたいことはないかい」といった。僕は、恐怖を感じた。僕の心をまるで見透かしているような気がして。怖かった。「、、、。私のこと、実在してないって思ってる?」「、、、。はい、、、。」「ぴんぽーんせいかいでーす。」「え、、、、、?」「私、半透明人間だよ。人間でもない、透明人間でもない、半透明人間。」「はあ、、、、。」「ばれちゃったらしたかがないなあ、、、。私はわたしの国に帰るから、君もここでがんばってね」「うん、、、、。」

正直なことを言うと、私は、優しい人間だ。これが、君の口癖だった。彼女は、優しい人間だったから、そのあとは、何も言わずに去っていった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 大変面白かったです。 主人公とヒロインのキャラクターが良いですね。 特にヒロインは優しい所と、しゃべり方が何か好きです。 タイトルも良いですね。 ラストは切ないけれど、ハッピーエンド…
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