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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

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砂利の山の上から

作者: 無色
掲載日:2026/02/20

 当方が近所の保育園に通っていた頃の話です。


 保育園の近くの工事現場――――いえ、採石場だったのでしょうか、うろ覚えですが――――同じ組の友だち数人とそこで遊んでいたときのこと。


「ぼくもいーれーて」


 一つ下の男の子……仮にAくんとしておきましょう。


 当方たちと一緒に遊びたいと言ったのです。


 当方たちはAくんと一緒に遊びました。


 鬼ごっこ、かくれんぼ、一通り遊んでから、小高く積まれた砂利の山に登りました。


 相当高かったような記憶があり、多少補正はかかっているかもしれませんが、それでも2メートルはあったのではないでしょうか。


「たかいねー」


「こわーい」


 そうはしゃいでいた折。


「わあああああ!!」


 Aくんが砂利の山の斜面を転がり落ちました。


 砂利と言っても大きめの小石が混じっていたらしく、Aくんは擦り傷だらけで身体から出血していました。


 当方たちは全員顔が青ざめました。


 血だらけで泣いているAくん、そしてお母さんに怒られる……という、子どもながらの恐怖で足が竦みました。


「だいじょうぶ?」


「おかあさんにいわないでね?」


 Aくんの身を案じながら、保身に走る当方たちの浅ましいこと。


 泣きじゃくるAくんを近くの県営住宅まで送りましたが、家の前までついていくことはせず、当方たちは逃げるように家に帰りました。







 当方も友だちたちも怒られたらどうしよう……とビクビクしていましたが、次の日Aくんは保育園に来ませんでした。


 バレたらどうしようと怖かったので、なんでAくん今日来てないの?と先生に訊ねることもしません。


 それから何日か経ち、Aくんのことがバレて怒られることがないとわかった当方たちは、ホッと胸を撫で下ろす思いでした。


 が、しばらくしてからAくんが別の保育園に転園していたことを知りました。


 理由は定かではありません。








 あれから数十年。


 今彼はどこで何をしているのでしょう。


 顔もハッキリと覚えていませんが、当方の頭の深いところで、今もたまに思い出すのです。


「いやだよやめて!! こわいよ!! おさないで!! やめてよぉ!!」


 嫌がるAくんを、当方たちが笑いながら砂利の山から突き落としたことを。

 もちろんフィクションです。

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