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戦え!なろうファイター!〜日間ランキング編〜

作者: Wana-wana
掲載日:2026/02/12

 なろうファイターの朝は、SNS巡回と爽やかな挨拶から始まる。


「なろろろろろ!」 


 なろうファイターの挨拶である。


 なろうファイターは言葉を持たない。言葉は全て創作に費やされ、誰かとのコミュニケーションのために語彙を割く余裕がないからだ。

 ──しかし、例外があった。


「なんだここは。えらくしけた場所じゃねえか」

「なろろろろ!?な、なろ!?」

「なるほどな。ここが、ランキング外か。まともな言葉も持たない、か」


 なろうファイターは悟る。

 この男、危険だ。

 よもや。


「テン、プレ!?」

「気づけるだけの力があったか。そうだ俺は、喋れるなろ。個人サイトも運営していたなろ」


 なろうファイターは、言葉を、持たない。

 だが、ランキング上位者は別だ。

 彼らは、強い。脳みその言語野を、会話にさく余力すらある。

 どちらの方が強いか、明白だろう。

 なにせ、言葉が喋れるのである。比較的まともに見えるのは、どちらだろうか議論をする余地さえない。

 だが、ここで疑問がふと、よぎった。ランキング上位存在がなぜ、こんなところ、に。


「少し、腕慣らしに、な………」

「なろろろ!?」


 なろうファイターは、迷惑だと、鳴いた。

 ここは、なろうファイターの家だからだ。勝手に侵入されている。


「そんなことを言って、いいのか?」

「なろ!?」

「俺は、PV数を操る能力を持っている」

「!」


 PV数操作。

 なろうファイターなら、否、文字を読む生きとし生けるものものであれば、知っている能力だ。

 禁術と言ってもよい。

 かつて、なろう環境を席巻していた、「能力名 以外文字数稼ぎあああああああ」と同様に、今は口に出すことすら忌避される、能力。

 

「俺はJava Scriptが書けるからな────」





 翌日のことである。

 該当の作者はアカウントをバンされた。


「なんだった、なろか…………っ!言葉が喋れるようになったなろ!?」


 なろうファイターは、急いでホーム画面を確認する。赤字表記。

 もしや。


「日間、入り!?も、もしや、昨日の迷惑奴がバンされたことで、ランキングの席があいて………!」


 望外の喜びであった。これで、言葉をしゃべれないなろうファイターから、一歩抜きん出ることが、できた。

 なろうファイター(ランキング入り)は滂沱の涙を流す。



 だが────


「なろろろろろろろろろろ!」


 首筋に、異世界チート釘バット(釘が錆びているお手軽破傷風セット)を突きつけられた。


「なっ、侵入者!もしや、なろのランキングを奪うために!?ま、負けないなろ!せっかく言葉が喋れるようになったなろ!このまま逃げ切ってやるなろろろろろろろろろろろろろ!!!!」


 なろうファイターの戦いは終わらない。

 がんばれ、なろうファイター。

 一次創作は読まれないらしいぞ!

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